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「健康」というリソース

「健康」であるということ、それ自体がリソースであるという話をします。

プロジェクトに人をアサインする時に、プロジェクトマネージャは人×時間、つまり人日や人月計算をして計画を練ります(人月の問題点は重々承知していますが、ここでは取り上げません。また別の note で考えたいと思います)。

4人月かかるプロジェクトに2人をアサインしたら2ヶ月で完了する(ワォ、どんな理想郷の話でしょうか、これは)、というような計算をするわけですが、この際にアサインした要因の「健康」状態を考慮することはまずありません。

しかし、現実には、アサインされた人達は人間ですから、風邪も引けば(本人じゃなくても小さい家族がいればその家族の風邪でも)、インフルエンザにもなるし(なったし、私)、うつ病にもなるし(なったし、私)、もっと重篤な病気になることもあるでしょう。

そうなると、予定していたリソースは一気に消失してしまうわけです。リソースが消えてしまうリスクを考慮しないというのはどう考えても良い考え方ではないように思います。

誤解のないように記しておきますが、だから健康状態に懸念がある人をアサインすべきではないということを言いたいのではありません(それだったら私は仕事を失ってしまいます(汗))。そうではなくて、プロジェクトマネージャには要員の健康状態に配慮する責任があるということを言いたいのです。

「健康」はリソースです。ですので、プロジェクトマネージャが当然配慮すべきことなのです。ここから、長時間勤務や休日稼働などのオプションは非常に慎重に採らなくてはならないことが言えます。プロジェクトが遅れた時に、超勤によってなんとかしようと考えてしまいがちですが、それによって健康状態を損なってしまった場合、リソースは増えずにむしろ減ってしまう可能性があるわけです。

超勤はここぞという時にだけ使うべきオプションです(例えば、リリース前日でどうしてもの時とか)。これが頻用されている場合、プロジェクトマネージャはリソース消失の重大なリスクを抱え込んでいることになるのです。(仮に健康状態を崩さなくても、エースエンジニアが辞めてしまうなどのリスクを背負い込むことになるのです)。

もちろん、各要員も自身の健康に留意することが大切なのは言うまでもありません。軽々に「ちょっと残業すれば」「休出すれば」「徹夜すれば」など考えてはいけないのです。自分のリソース(会社以外のも)は死守してください。

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