自分らしさをいつも胸にもっておくこと (1) 共感性
いつも、自分らしさを、胸にもっておきたい。
そう思って日々を過ごしています。
でも、そう簡単でもありません。
そもそも自分らしさが何かわからなかったり、少しわかりかけたような気がしても、予想外のことが起こると、あ〜あ、なんで自分はこうなんだろう、と自分らしさとはかけはなれた自分にがっかりしたりします。
でも、それでも、いつでも、自分らしくいたいし、他の誰とも違う自分でいたいと思います。きっとそれは私だけの願いではなく、誰でもそうなのではないでしょうか。
私は"自分らしさ"というものを想うとき、必ず自分の5つの資質と、それぞれの自分だけのエピソードを思い出します。
それが自分で決めた、5つの自分らしさのエピソードだからです。
それらのエピソードを思い出すたびに、私は、ああ、ここにこそ、他の誰でもない自分がいる、と感じられるのです。そして、胸のあたりが少し温かくなり、それまでより自信を持って一歩を踏み出せるような気がしてくるのです。
きっと、これは私だけのことではないはずです。
誰もが、自分らしい資質をもとにしたエピソードをいつも胸に持っておけば、自信をなくしたときや、勇気が必要なときや、あるいは信念を貫き通さなくてはいけないときなどに役立つはずです。
だから、願わくば、ここに記す私の5つの資質に関するエピソードを読んだ方が、少しでも何かを感じてくれ、同じように自分だけの5つのエピソードを作ってくれたら、嬉しいな、と思っています。
[ 5つの自分らしさのエピソード ]
1. 共感性
2. 収集心
3. 学習欲
4. 成長促進
5. 運命思考
* いずれもストレングスファインダーの資質の名称です
1. 共感性
共感性は、私の原点とも言える本当に大切な資質です。
そして、この共感性をもっていて本当に良かったと思える、ある一場面がこの資質に関するエピソードです。そのときの光景は今でもはっきりと描けます。
それはある渋谷のしゃれたカフェで男友達と2人で話していたときでした。彼は仕事でアメリカに数ヶ月ほど出張して、ちょうど帰ってきたところでした。
アメリカでの興味深いいくつもの体験談をひとしきり話してくれたあとに、彼は言いました。
どう?
僕を見て、何か変わったと思わない?
残念ながらあまり、そういうことに鋭くない私は何も気づけませんでした。
じゃあ、この写真を見て、どう?わからない?
写真はアメリカで親しくなった男性の同僚たちと肩を組んで仲よさそうにしている一場面でした。やっぱりわかりません。
実は、僕、ゲイなんだ。
昔からそうだった。
でも、アメリカに行って、もう隠さなくていいんだ、ってわかったんだ。
すごく気が楽になったんだよ。
一瞬、時が止まりました。
彼とは学生時代からの友人でしたから、もうかれこれ8年くらいは一緒に過ごしてきました。ほぼ毎日会っていたときだってありました。
彼は少なくともその8年間、あるいはもっと長い間、自分が男性を好きだという事実に苦しみ、女性を本当の意味で好きになれないことに悩んできたんだ、とそう気がつきました。
そうかぁ
今まで長い間、本当につらかったんだね。
・・・でも、良かった。
8年間の色々なことが思い出されたあと、無意識に私はそう言いました。
心から出た想いであり、言葉でした。
彼はこれまでいったいどれだけのつらさを乗り越えてきたのだろう、
そう感じていました。
恥ずかしながら、実は私が覚えているのはここまでです。
そこから先、彼がどんな反応をしたのか、私がどんなことを言ったのか覚えていません。ただ彼が真実を言ってくれたことが、私たちの関係を壊すでもなく、むしろ強固にし、その後も頻繁ではなくとも定期的に会い、友人としての深い信頼を継続させることになりました。
そして、だいぶあと、恐らくは数年後のこと、彼から言われた言葉もはっきり覚えています。
あのときのこと覚えている?
"しん"(実際には彼は私のことを名字で呼んでいますが)は、僕がゲイであることを伝えたとき、まず最初に「今まで、つらかったんだね」と言ってくれたんだ。
それは本当に嬉しい言葉だった。
そのときまで実は忘れていました。彼がカミングアウトをしたときに自分がどんな反応をしたのか、なんて。でも、彼のこの言葉ではっきりと思い出しました。
そして、このとき、私は確信したんです。
ああ、この共感性という資質こそが、何よりも自分にとって大切な資質だ。
この強みを私はずっと自分らしさとして持ち続けていよう。
と。
次回は、私のふたつ目の資質、収集心のエピソードについて紹介します。
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