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「グローバル勢力の圧力で金融引き締めできなかった」~FRB議長退任後の発言 番外

今回も前回に引き続いて、20年近くFRB議長を務めたアラン・グリーンスパン氏が、もともとは熱烈な金本位制支持者であったのに、グローバル勢力に金融引き締めをさせてもらえなかったと重大な証言をしていることを紹介します。
 
前回に続く索引集は11~18章です。

11章

12章

13章

14章

15章

16章

17章

18章

<アラン・グリーンスパン変節の理由>
2009年、グリースパン氏へのロイターのインタビュー記事です。記事の一部を画像で貼り付けました。

ロイターのインタビューにグローバル勢力の圧力を明かす


同年はすでに議長を退任し、後任の「ヘリコプターベン(ヘリコプターで紙幣をばら蒔くベン・バーナンキとの異名)」ことベン・バーナンキ議長が2008年のリーマンショックに対応しているころです。
そもそもリーマンショックを引き起こしたのは低所得層にも積極的に融資するサブプライムローンと言われますが、その住宅バブルのタネを蒔いたのは前任のグリースパン氏であるという批判を受けていました。
このインタビューでグリースパン氏は重要な発言をしています。
 
米中央銀行による借入コスト引き上げの取り組みがグローバルフォーシィズ(シン・説註:グローバル勢力)によって圧力をかけられた
 
借入コスト引き上げとはまどろっこしい表現ですが、金利を上げることです。つまり金融引き締めです。グリースパン氏は、リーマンショックにつながるサブプライムローン問題のタネを自らが蒔いたのではなく、グローバル勢力が圧力をかけてきたからだ、という重大な証言をしているのです。
しかし、ロイター記者の書きようは「やれやれ、正体不明の者に責任転嫁するのか?」といった風です。
不換紙幣の総本山がマネーサプライを増やすのは当然ですが、前回紹介した通り、本来グリーンスパン氏が金本位制を強く支持していたことを知っていれば、安易なインフレ策を好むわけがありません。
ロイターの記者は「あなた金融政策の最高責任者だったのでしょ。グローバル勢力とか陰謀論ですか?」と言外ににじませています。
情報通の方ならば、<forces>という複数形に妙なリアリティーを感じ取られることでしょう。グリースパン氏の発言の真意は、「金利を上げて信用拡大を止めたかったのに、グローバル勢力の圧力でそうさせてもらえなかった」としか読めません。19年間金融の最高権力者に君臨しても、結局はグローバル勢力の手先でしかなく、思うような政策を取れないことに同情する面もあります。不換紙幣の下では、やりようもないのですが…。
陰謀論ガ―論者は、「闇の政府などどこにあるのだ」など極端なことを言いますが、わざわざ看板を掲げていては「闇」の意味がありません。人気キャスターのタッカー・カールソンはFOX時代に「パーマネント・ワシントン」とグローバル勢力を表現しました。グローバル勢力はわざわざ名乗りませんし、大手メディアも含めた陰謀論ガ―論者が、証拠をもって陰謀を伝える人たちを頭のおかしい人扱いするのです。

グリーンスパン後、世界中でさらに加速してきた金融自由化(日本も先頭を走ってきました)と、国家が把握しきれない暴走マネーの存在は、恐慌⇒戦争⇒恐慌⇒戦争という歴史を想起させずにはおれません。

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