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戦争と戦争の脅威で、世界政府を大衆に受け入れさせる 14章要約

こんにちは、シン・説です。
★インフレは最も不公平で政治家と銀行家にのみ都合のよい徴税システムであることを告発したG・エドワード・グリフィン著の「ザ・クリーチャー・フロム・ジキルアイランド(ジキル島で生まれた怪物)」の要約(※翻訳本にはありませんので)をじっくり紹介しています。
インフレの本質は、物価高というよりお金の価値が下がることです。インフレ徴税は国民に気付かれず、隠れる場所もありませんから、政治家にとって最高の徴税システムです。
一見物価高にしか見えないインフレの本質は、無から無制限に発行できる紙切れ通貨の購買力が政府に収奪され続けることを意味します。江戸時代の貨幣改鋳とそっくりですが悪質さは比べ物になりません。流通する貨幣を回収し、含有する金や銀の品位を下げて(量を減らして)、含有量を減らした貨幣を再流通させるのが貨幣改鋳です。減らした分が改鋳益として幕府の収入となるのです。
インフレは、貨幣の回収も品位を下げることも再流通することも必要ありません。借金マネーをただただ増やしていくだけで、貨幣はどんどん品位を下げていきます。そして、購買力は雲散霧消するわけではなく、幕府・政府に収奪されます。江戸時代は品位を上げる改鋳もありましたが、借金ひもづけマネーの品位を上げれば(借金を返済すれば)、マネーが消えてなくなります。
インフレ徴税は国民に気付かれない財源で、国民の資産もインフレから逃れられませんから、政治家・銀行家にとって最高の詐欺システムです。
では14章要約です。
 

14章 金で買える最高の敵


ボルシェビキ革命は、過激な少数派が穏健な革命的多数派からロシア政府を奪ったクーデターだった。
ニューヨーク赤十字社の金融機関はボルシェビキに支援を投げかけ、その見返りに、ロシアの天然資源に対する権利に加えて、建設と供給の契約という形で経済的報酬を受け取った。
その時以来、ロシアと東ヨーロッパの経済発展への継続的な参加は、この関係が今日まで存続していることを示している。これらの金融業者は親共産主義者ではない。彼らの動機は利益と権力だ。
彼らは現在、ロシアと米国の両方を、彼らが支配することを期待する世界政府に持ち込もうとしている。
戦争と戦争の脅威は、目標の受け入れに向けて大衆を駆り立てるためのツールだ
したがって、米国と世界の先進国が信頼できる敵を持つことが不可欠だ。
これらの言葉が書かれているように、【ロシアは平和と協力の仮面をかぶっている。しかし、私たちはそれを以前に見たことがある。タイミングが合えば、悪の帝国の復活が見られるかもしれない。】
最初はロシア、そして現在は中国と中東の軍事力への米国政府とメガバンクの資金調達は、この洞察なしに理解することはできない。
 

シン説の独断と偏見


上記【 】内の平和と協力の仮面というのは、特にゴルバチョフを指しているのでしょう。彼は世界統一政府を志向していたと言われています。そして、後半の悪の帝国の復活が意味深な予測です。本書が書かれたのは今回のウクライナ戦争、その前段の2014年マイダン革命よりずっと前のことだからです。
2007年2月10日ミュンヘン安全保障会議でプーチンがアメリカのネオコン(新保守派)の面前で世界統一政府構想を批判したことや、エリツィン政権時代にロシアの天然資源を我が物としたグローバリストの新興財閥とプーチンとの戦いから、今回のウクライナ戦争の本質は、民主と自由主義陣営対悪の帝国という幼稚な図式ではなく、グローバリズム対スラブ・ナショナリズムだと理解しています。しかし、一方で、実はプーチンも「悪の帝国」の仮面をつけたグローバリストの「信頼できる敵」かもしれないという疑念は払しょくできないでいるのです。

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