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米国民から度々巻き上げた歴代中央銀行の悪行を振り返る 16章要約

こんにちは、シン・説です。
★インフレは最も不公平で政治家と銀行家にのみ都合のよい徴税システムであることを告発したG・エドワード・グリフィン著の「ザ・クリーチャー・フロム・ジキルアイランド(ジキル島で生まれた怪物)」の要約(※翻訳本にはありませんので)をじっくり紹介しています。
インフレの本質は、物価高というよりお金の価値が下がることです。インフレ徴税は国民に気付かれず、隠れる場所もありませんから、政治家にとって最高の徴税システムです。
一見物価高にしか見えないインフレの本質は、無から無制限に発行できる紙切れ通貨の購買力が政府に収奪され続けることを意味します。江戸時代の貨幣改鋳とそっくりですが悪質さは比べ物になりません。流通する貨幣を回収し、含有する金や銀の品位を下げて(量を減らして)、含有量を減らした貨幣を再流通させるのが貨幣改鋳です。減らした分が改鋳益として幕府の収入となるのです。
インフレは、貨幣の回収も品位を下げることも再流通することも必要ありません。借金マネーをただただ増やしていくだけで、貨幣はどんどん品位を下げていきます。そして、購買力は雲散霧消するわけではなく、幕府・政府に収奪されます。江戸時代は品位を上げる改鋳もありましたが、借金ひもづけマネーの品位を上げれば(借金を返済すれば)、マネーが消えてなくなります。
インフレ徴税は国民に気付かれない財源で、国民の資産もインフレから逃れられませんから、政治家・銀行家にとって最高の詐欺システムです。
16章要約です。
 

16章 怪物がアメリカにやってきた


憲法が起草される前から、アメリカには最初の中央銀行があった。それは北アメリカ銀行と呼ばれ、1781年に大陸会議によって認可された。イングランド銀行をモデルにしており、預金よりも多くの紙の約束手形を発行する権限が与えられていた。当初、これらの紙幣は広く流通し、国の通貨として機能していた。銀行は本質的に民間機関だったが、連邦政府に貸与するための資金を生み出す目的で設計されており、最初からそうだった。北アメリカ銀行は詐欺まみれで、すぐに政治的嫌悪感に陥った。膨れ上がった銀行券は最終的に一般市民に拒否され、銀行の本拠地であるフィラデルフィアの外で流通することはなくなった。その憲章は失効し、1783年にペンシルバニア州によって認可された純粋な商業銀行に転換された。

法定通貨の支持者はあきらめなかった。1791年、アメリカ合衆国議会によって第1銀行 (アメリカの第2の中央銀行) が設立された。新しい銀行は、詐欺を含め、最初の銀行のレプリカだった。銀行の個人投資家は、一部の国会議員や上院議員を含む、国内で最も裕福で影響力のある市民だった。しかし、新しい銀行への最大の投資と最も強力な影響力は、ヨーロッパのロスチャイルドからもたらされた。
銀行は、政府のためにお金を生み出すという機能を果たすためにすぐに着手した。これにより、マネーサプライの大幅なインフレと物価の上昇を招いた。
最初の5年間で、人々がお金の形で貯蓄したすべての42%が、インフレと呼ばれる隠れた税金によって没収された。
これは、20年も経たない以前に植民地を悩ませたのと同じ現象だった。しかし、今度は印刷機のお金が原因ではなく、中央銀行によって作成された部分準備銀行券によって新たな燃料が供給された。
銀行の憲章の更新の時期が近づくと、反対の意図を持つ2つのグループが奇妙な政治的同盟国になった。健全なお金を欲しがるジェファーソン主義者、そして、盗むために無制限のライセンスを欲しがる山猫銀行と呼ばれる辺境の銀行。
1811年1月24日、憲章は上院1票差で、下院1票差で否決された。中央銀行はなくなったが、山猫銀行はどこにでもあった。
1812年の戦争(米英戦争)はアメリカ国民の間では人気がなく、税金だけでは資金調達は不可能だった。政府は、山猫銀行に戦争債を購入して銀行券に変換するよう奨励することにより、戦争に資金を提供することを選択した。2年以内に、国のマネーサプライは3倍になり、物価も3倍になった。再び、金融と政治のサイエンティストたちは、その期間にアメリカ国民が保有していたすべてのお金の約66%を巻き上げることに成功した。そしてこれは、数年前に米国銀行によって得られた42%の巻き上げに上乗せされたものだった。
 
シン・説の独断と偏見
本書で最も評価されている偉人は、インフレを操る中央銀行と戦った建国の父で第三代合衆国大統領トーマス・ジェファーソンです。

健全なお金を求めたトーマス・ジェファーソン ウィキメディアコモンズより

要約に出てくる健全なお金を求めるジェファーソン主義者とは、最大限の敬意を表しています。2ドル紙幣の肖像です。100ドル紙幣(※冒頭画像)の肖像である同じく建国の父のベンジャミン・フランクリンは不換紙幣の信奉者でした。この扱いの違いを見れば、連邦準備制度の姿勢がよくわかります。
トーマス・ジェファーソンの名言です。
<貸すべきマネーを所有している者以外は、何人もマネーの貸し手になることができる自然権を持たない>
自然権とは、法律の有無にかかわらず、人間が生まれながらに持っている権利のことです。
人の預金を大切に保管するわけでなく、その大半あるいは全部を別の人に高利で貸し付ける者(銀行)は、貸すべきマネーを所有している者とは言えません。ここに銀行業の根本的なモラルハザードが存在し、公費を使って破綻を救済する理由が一切ないことを示していると思います。
 
祖国と国民を債務および銀行家の支配から解放しようとしたナポレオンの言葉も紹介しましょう。

国際金融資本家と戦い、敗れた愛国者のナポレオン・ボナパルト ウィキメディアコモンズより


「与える手は受け取る手よりも上位にある」
銀行家が政治家より上位にきて支配することを意味します。

「マネーには祖国はない。金融業者には愛国心も慎みもない。彼らのたった一つの目的は儲けだ」

彼らから健全なお金を取り戻すことが唯一の繁栄の道です。
 

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