元ゲーム依存症で親の金を300万円使った僕がこれから話すこと
はじめまして。トレマスと申します。
今は関東で大学生をしています。
最近ようやく身の回りのことがひと段落して
ゆっくり何かを話せる時間が取れたので
僕の身の上について少し書いてみようと思います
少し衝撃的なタイトルだったかもしれませんが
僕はゲーム依存症でした
ゲーム依存症という言葉を聞いてどのような
印象を抱くかは本当に人それぞれだと思います
薄暗い部屋でうつろな顔をした少年が
画面の光に照らされている光景かもしれませんし
ゲームを取り上げられた子供が
泣きわめく様子かもしれません。
時事を追っている方なら香川県のネット・ゲーム依存症対策条例などがピンとくるでしょうか。
現代はネット社会ですからゲーム依存症という病に対してお医者さんの意見や世間の印象、患者の家族の投稿など、様々な角度からの声を見ることができます。
ですが僕が世間を見渡す限りでは
元患者の声という最も重要な情報が
それ以外の人の声量によって
かき消されてしまっているようなのです
そんな現状をしばらく見つめてきた経緯と
僕自身に少し時間ができたこともありまして
今回は1人の元ゲーム依存症患者として
社会復帰できたゲーム依存患者として
話をさせて頂こうと思います
拙く退屈な部分もあるかと思います
小説のような浮世離れした話も出てきます
それでもリアルな話を書いていきますので
お楽しみいただきつつ
何かを持ち帰ってもらえたら幸いです
生い立ち
僕の生い立ちから話していきます
僕は関東のサラリーマン家庭の元に生まれました
父も母も特に依存症のような傾向はなく、かといって子供がゲーム依存に陥るほど歪な教育をしていたかと言われるとそういうわけでもありません
母は人並み以上に愛情をかけてくれたと思っていますし、父も不器用なりに尊敬できる背中を見せてくれていました
2人ともなるべく世間的な感覚の中で愛するべき時に愛し、叱るべきときに叱ってくれていたと思います
そんな普通の家庭(クレヨンしんちゃん的な)で
育ったわけですから、当然小学生の頃には
WII、WII U、DS、3DSと普通にゲームにも
触れ始めていました
世間では「ゲームに早くから触れていると依存症になりやすい」と言われているようですが
当時の僕は友人に呼ばれればゲームを置いて公園に駆けて行きましたし、小学低学年の時期に英検3級を取得していたりと、むしろ「やりたいこと」も「やるべきこと」もこなす模範的な子供だったと思いますし、私の実体験から考えると直接的な関係性はないと思います
(WHOで指定されている依存症の特徴にも当てはまらない生活状態ですね)
ですがどんなに高く積み上げた物も
ある日突然その全てが崩れ去るようでして
小学4年生の夏休みが明けて最初の登校日の朝
僕の顔は皮膚がすべてめくりあがり
血だらけになっていました
(写真は載せません!)
顔が血まみれになり全校生徒に無視された日
生まれつき肌が弱く
内臓に負荷がかかる食事が続くと
肌に異常がおきやすい体質でした
夏休みの間は勉強とフットサルに熱狂し
帰りには毎日マクドナルドとアイスを食べる日々
その負荷が体内に溜まった結果
かゆみとして肌に現れたことで
僕の爪は僕の皮膚を掻きむしっていました
当然隣にいた母親がすぐに
皮膚科に連れて行ってくれましたが
皮膚の深い部分まで傷がついてしまっていたため真っ赤な顔に薬を塗ったまま
数日後に登校することになってしまいました
小学生3年生の自己認識というのは曖昧ですから
「自分がどんな風に見えてるか」なんて
想像もつかないわけです
いつも通り教室の扉を開けて
少しだけ登校日が遅れたことを恥ずかしがりながら
教室に散らばる友人たちに挨拶を返すはずでした
教室の扉を開けて
あたりを見渡した瞬間に飛び込んできたのは
子供たちの驚愕した表情と
人ではない何かを見る目つきでした
その瞬間に賑やかだった教室が
静まり返ったわけですから
たとえ自我が未発達な少年であっても
いま自分の身に何が起きたのかを知るには
十分すぎる光景だったと思います
無理をして友人に声をかけてみても
その全員がぎこちなく無視をしてくる状況で
9歳の少年が心を閉ざすのは簡単なことでした
数少ない残ってくれた友人にも
その本心に疑いの目を向けるようになり
最初は乗り気だった勉強も
すっかりモチベーションを失い
僕の成績や友人との付き合いを見る中で
晴れやかだった両親の顔も少しずつ曇って行き
全てが薄暗くなった世界で
僕に光を届けてくれる存在として残っていたのはゲームだけでした
この日から約8年間
僕のゲーム依存症患者としての長い長い日々が
始まった気がしています
「ゲーム好き」が「ゲーム依存」に変わった瞬間
ゲームは1日1時間までにしようね
息抜きや気分転換のために触っていたゲームに
子供がのめり込み始めて少し不安になった親が
この言葉をかけるのはありふれた光景です
わかった!
子供もバカじゃありません。ほとんどの場合は言うことを聞いてくれます。そんな日々が人によっては数日、あるいは数ヶ月続いてくれます
それでは、この家庭の3ヶ月後はどうでしょうか
ゲームは1日1時間までって言ったでしょ?
いつもより少し苛立った親御さんがお子さんに声をかけます。でも声をかければ渋々やめてくれるわけですから面倒であってもやらざるを得ませんね。しばらくしたら子供がゲームの電源を切る音が背中越しに聞こえてくるはずです。
ちょっとまって!この試合が終わったら!
いつもと違う言葉が返ってきて、思わず振り返ったあなたの目にはゲーム画面に前のめりになるお子さんが映るかもしれません。
少しモヤっとしながらも
この試合が終わったらやめるようですから
お子さんのセリフをオウム返ししながら
また振り返って作業の続きに戻るでしょう
(この下には私と家族の実際のやりとりが流れてきます。ショッキングな文章表現が含まれるため耐性のない方は飛ばしていただいて大丈夫です)
ねぇもう1試合終わったでしょ?
ごめんなさい、もう始まっちゃったからこれで終わりにする!
もうご飯できてるよ。もう今日は終わりにしなs..
今良いところだから話しかけないで
。。。。。。いい加減にしなさい!!!
何時だと思ってるの!??
うるさいな!!!
テストで70点以上取ってるからいいでしょ!!
先生から電話あったよ
最近欠席気味でテストの調子も良くなくて
心配だって。ねぇどうしちゃったの?
うるさい、邪魔
ゲームにそんなにのめり込んでもそれは現実じゃないんだよ。ゲームに洗脳されてるんじゃないの?ほらこの前だってこんな記事が出てて...
触んな
おい、俺のSwitchとスマホどこやったんだよ!!どうせまた親父の会社に持って行かせたんだろ!!
。。。。。
なんとか言えよ!!しねよ!!
ちょっと、、物投げないで。。
うるさい!!!ゲームかえせ!!
全部お前らのせいだ!!
きゃああ!!
。。。。また来たちゃったかあ
君のお母さんなぁ、自分のせいだって泣いてたよ
あんな優しいお母さん泣かせてさぁ。。
頭冷やして反省しな
チッ。。。。
はい。。。ごめんなさい。。
ねぇなによこの明細!!!???
中国のゲーム会社に300万の課金って!!?
。。。しらねぇよ
知らないって何よ!!
この家族でゲームやるのはアンタだけだし
そもそもこのカードはわたしの名義よ!!
っ!!!
お前らに復讐してやったんだよ!!!
え!??
勉強ばっかやらせてロクなコミュ力も与えずに
しまいには変な治療で病気悪化させやがって!!!
大学に受かる学力だって、もうなにも残ってない!
俺にはもう何も残ってねぇんだよ!!
しっかり愛情注いで育ててきたつもりだよ。。
何も変わってねぇなら
そんな愛情ないに等しいんだよ!!
しねよ!!!
。。。。親父。スマホ返せよ
。。。。。。。。
どこにあんのかはもうわかってんだよ
黙ってんならそのまま取らせてもらうよ
。。。。。。。。
母さん、線路で保護されたってよ
もう。。。警察署の中で有名な一家らしいな、
うちは。
知るかよ、どけよ
。。。。
あ?。。どけよ
ドカッ!!!
。。。。てめぇやったな
ドカッ!!
。。。。君、今年で何歳だっけ
。。。17です
未成年だから捕まらないと思ってるでしょ
そんなことは。。
いつもそうやって反省するフリしてきたんだね
そんなことは。。!!
ご両親なぁ、君がゲーム依存?の病院に3ヶ月入院するんなら訴えるのやめてくれるってよ
ここまでくるとほーんと
忍耐強いっていうかなんていうか。。
。。。。。。
どうする?君このままだと前科つくけど。
。。。。。
行きます。。
依存症だったら何でも許されるわけじゃない
上に書いた長い会話は
僕と家族と警察との間にあった
8年間のやり取りをギュッと短縮したものでした
あの文章を読んだだけで
ご気分が悪くなった方も
いらっしゃるかも知れません
ですが実際に起きていたことは
あのやり取り以上のものでして
○500回以上の私と家族の口論
○200回以上の家族の誰かしらの発狂
○100回以上の警察の出動
○30回以上の私と父の殴り合い
○20回以上のゲームを介した不正な課金
と、本当にいまこうして
家族全員が生きていることが奇跡なくらい
私の家族はめちゃくちゃになり
そしてめちゃくちゃにした主犯は
他でもない私自身でした
失ったお金と時間はもちろんですが
踏み躙った思いは一朝一夕で取り返せる物ではなく
そのほとんどはもう帰ってこないものばかりです
次の話では今話した私の一連の所業は
どこまでが私の本心によるもので
どこまでが依存症患者の行動だったのか
そんな話を書いていきます
あの頃の私はどこまでが「本心」だったのか
今私がこうしてゲーム依存から立ち直って、
そしてあの頃の行いを恥じているからこそ
言えることですがあの頃の私は
本気で全てを破滅させるために生きていました
母親には「もう学校に行くから」と
ゲームの返却を嘆願し
父親には「これから頑張るから」と
新しいゲームを要求し
警察には「本当にごめんなさい」と
解放を求めていましたが
その時の私はこれっぽっちも反省していませんでした
母親が泣いて座り込んでいても
複数の警察官に迫られても
荒れた家庭を目の前にしても
私の心はピクリとも動きませんでした
まともな環境で育った方は
ここまでの私の所業や態度に驚愕するでしょうし
軽蔑の感情すら持つかもしれません
ですが私が最初からそんな人間でなかったことも
加えてお伝えしなければならないのです
ゲームをやり始めた時は約束の時間を過ぎれば
人並みに罪悪化を抱いていましたし
両親に相談してスマホロッカーなんかを買って
自ら予防に努めたこともあります
でもそれらの全てがうまくいかなかったんです
8年間ずっと
悪辣な思考だったわけじゃないのです
むしろ8年間のうちに何度もそうやって
「善良な本心」が息を吹き返していました
でもそんな「一時の心持ち」は
依存「習慣」の前にはなんとも無力で
「またダメだった」と
自分の中で独り言を呟くたびに
僕の心はどんどんすり減っていって
そのうち家族や僕自身は
「僕がゲーム依存に抗う苦しみや両親がゲーム依存に抗う息子を応援する苦しみ」と
「僕がゲーム依存に沈み親に憎まれる苦しみと両親が子供を憎む苦しみ」を天秤にかけてしまい
「頑張って苦しいより憎まれて苦しい方が楽だ」と
その本心すら書き換えるようになってしまいました
誰が「悪かった」のか
そうです。言ってしまえば私は
自分の行いを自分で受け止めきれなかったんです
だからその本心が
望まなかったものであったとしても
私の過ちは私にしか受け止められません
ですが
そうやって目の前の過ちを
本人に投げ返して解決するのは
「今この瞬間の感情」だけなのです
「あなたがしてきたことを考えたら
すぐに行いを改めるべきだよね」と声をかけるのは
正しいです。正論だと思います。
でもその正論は依存症当事者を
依存の道にさらに追いやることになり
場合によっては人の道を踏み外させる
可能性すらあります。
だからもし身の回りに依存症当事者の方がいたり
あるいはあなた自身にその疑いがあった場合
解決の道を歩みたいのであれば
決して「責めること」はしないでください
それを続けると本人がかすかに残している
「治したい」という気持ちを
決定的にかき消してしまいます
私は依存症の中でも
希望を捨てなかったタイプの人間だったので
なんとか復帰させてもらえましたが
その希望をどの程度強く維持できるかは
本当に個人差があります
もしかしたら「ちょっとした一言」で
その人は死ぬまで心を閉ざすかもしれません
そしてこれは依存症当事者に対してだけではなく
その周りの人を責めたりその人たち自身が
自分を責めることもして欲しくない意味でもあります
人はどうやったって1人じゃ立ち直れませんからね
じゃあもう何も言えないじゃないか
何も着地点がないじゃないか
そこまで言うのなら代案があるんだろうな
今このあたりの言葉が思い浮かんだかもしれません
大丈夫です。ちゃんと用意してあります。
ではどうしら治る確率が上がるのか、それは
プロに頼ることです
プロに頼ろう
つまり餅は餅屋です。拍子抜けしたでしょうか。
日本には「依存症に特化した病院」が存在します
よくあるミスとして
「近所の精神科」に行ってしまうことがありますが
大抵はADHDやASDあたりと診断されて
薬を出されるだけで終わることがあります
ですがよくよく考えてみるとそれは
依存症の治療にはなっていないのです
ですからちゃんと
「依存症に特化した病院」に
一度足を踏み入れてみてください
結びに。
ここまで大変お疲れ様でした
もう胃がもたれるような話ばかりで
なかなか読み進めるのは苦労されたと思います笑
さて、ここまでは
過去の私の依存症のリアルを書いてきましたが
最後に今の私からのメッセージを書いて
このnoteの結びとしようかと思います
「息子の境遇に耐えかねた父親が息子を殺害」
「自らの境遇に耐えかねた娘が父親を刺した」
テレビのニュースやXの記事には
こんな感じの情報が稀に流れてきます
僕の家庭もニュースに載らなかっただけで
その延長線上にいたのは間違いないと思っています
ですがそれらの家庭のすべてが
最初からどこかおかしかったのかと言われると
僕はそんなことはない気がします
何かの大きな不幸に一回遭遇するだけで
日常は簡単に崩れてしまいます
そして始まりは誰のせいでもない不幸だったのに
いつの間にか罪を背負ってしまって
いつの間にか引き返せないところまでくる
一度そうなってしまったら
どんなに反省して悔やんでいても
世間は、周りの人は、自分の心は、
でもそれを実行したのは君自身でしょ?
と囁いてきます
ふと周りを見れば、荒み切った私生活と
順調に人生を歩んでいるように見える同級生
右手にはゲームの続きを誘ってくる画面
この状況で
ゲームをやめるあるいは取り上げる行為は
本当に事態の解決につながるのでしょうか?
今回は私がゲーム依存症だったこともあるので
ゲームに話を絞りますが
薬物のように脳を変形させるわけでもないのに
ゲームにハマって身を滅ぼす人がいるのは
ゲームに洗脳されているのではなく
ゲームの中が唯一生を実感できるからだと思います
もし仮にご自分の容姿が女優や俳優レベルで
長期休暇には地元の友人と合流し
キャリアも申し分ないやりがいを感じられて
信頼できる仲間と心を許せるパートナー
暖かく迎えてくれる家族がいたとして
何かに寄りかかりたいと思うでしょうか?
依存症患者に対する印象として
我を忘れたようなゾンビのような印象を
お持ちの方が一部いらっしゃいますが
患者本人と同じ考え方同じ人生を歩んだら
きっとあなたも依存症になると私は思います
そしてその考え方や人生をなぞる可能性は
誰にでもあるのだと私は言いたいです
このnoteを見てくださった方の中で
まだ依存症ではない方・依存症の方・
依存症の方が周りにいる方
いろんな方がいらっしゃると思います
皆さんに共通してお伝えしたいことは
依存症は条件さえそろえば
誰でもなり得るものであるということです
そして止めようとすれば巻き込まれ
放置すれば悪化するとてもタチの悪いものです
ですから、もしそういった
状況に見舞われた際はプロに頼ってください
日本には幸い、アルコール依存症やギャンブル依存症やゲーム依存症に特化した病院があります
誰かを傷つけてしまったり
多額のお金を使ってしまう前に
そういったプロを頼ってください
私は8年という長い間にわたって
両親、友人、関わってくれた大人の方、
そして自分から様々なものを奪い
そのほとんどはもう返ってきません
これを読んでくれたあなたが
そうならないことを心から願い、
結びとさせていただきます
もし私のnoteを誰かに勧めたい
これは無料部分だけでも読む価値があと
思っていただけたらいいねや
拡散をして頂けると幸いです
それではお読みいただきありがとうございました
ここから先の文章は
○いまの私はどんな状況にあるのか
○どこに入院したのか
○どういう経緯で治っていったか
○私が依存症の最中・治療中に何を思っていたか
○私を含めた家族が一線を越えずに済んだ理由
○わたし個人の連絡先
この辺りさらに踏み込んで話していきます
割高とはなりますが
定期的に書き足していくつもりなのと
私個人の特定につながり得る話が増えていきますので
ご理解いただける方のみお読みください
それでは一旦、お読みいただき
ありがとうございました
いまの私はどんな状況にあるか
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