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小さな小さな掛け違いが、大きな傷を生む

「賢い教頭先生なら、それくらいのことお分かりでしょー!?」

妻に嫌味を言われた夫は、どう反応するのか?


出掛けるのもためらうほどの日射しなので、時間が空くと韓国ドラマを観ています。

理由は、コミュニケーションを学ぶため。

言い訳っぽいですが、本当に勉強になるんですよ。

たとえば「今、別れの途中です」というドラマには、腹を抱えて笑いました。まさに、我が家でも同じことが起きたからです。

ファッションデザイナーの女性・ヨンウンと、カメラマンの男性・ジェグクとの恋愛がメインのストーリーなんですが、わたしが注目しているのは、ヨンウンの両親の離婚問題。

中学で教頭先生をして、定年を迎えた父。いままで支えてくれた妻のために海外旅行をプレゼントしようとするんですが、詐欺に遭ってしまいます(韓ドラではありがちなパターン)。

このとき助けてくれた男性が、娘の恋人であるジェグクでした。でも、連絡先を「女性名」で登録してしまうんです。

誤解が積み上がり、定年退職後に妻から突きつけられたのは、離婚届。

さあ、どうする!?

妻が家事をボイコットしてしまったので、自分で食事の支度をしようとしますが、炊飯器の使い方が分からない。

友だちと飲みに行こうとしてるのに、洗ってある靴下がない。

自分で洗濯したものの、白いシャツと紺色のシャツを一緒に洗ってしまって色移りが。

「分けて洗えって、教えてくれてもいいじゃないか!」

こんな感じでキレつつ、あらためて洗濯しようとしますが、そこに難関が待っていました。

白黒のボーダーシャツ……。

とまどう父に対して、冒頭の言葉が投げかけられるのです。

「賢い教頭先生なら、それくらいのことお分かりでしょー!?」

現在、我が家の洗濯担当はダンナ氏なんですが、最初のころは同じように「洗濯物の仕分け」に困ってました。これ、あるあるなのかしら!?

この後、妻は裁判所に提出するため、離婚事由書みたいなのを書かされます。その内容が、もう、涙が出るくらい、小さな小さなガマンの話なんです。

そうなんだよね……。ずっと、ずっと、言えなかったんだよね……。

壊れた器が元に戻ることはないのか。ドラマのほうは、ドラマをご覧いただくとして、ここで考えたいのはリアルの自分たちの生活のことです。

「これくらい分かってくれるだろう」

そんな想いが、さまざまなことの優先順位を下げさせてしまうことってありませんか?

わたし自身、夫に対して雑な対応をしてしまうことがあり、後で反省することがあります。

一番身近な人って、つい甘えてしまうから。

毎日、一緒に暮らしていたら、目に見える問題以上に、目に見えない不満がある。その可能性を前提にしたほうがいいように思います。

正面切って、話し合えないのはなぜなのか。

解決を先送りしてしまうのは、どういう不安があるからなのか。

積み重なった不満は、ドラマの両親夫婦のように「定年退職」のような一大変化を迎える局面で、表面化します。

実は、表面化した後で関係を再構築するのって、本当にパワーがいるんですよね……。

定年行事の中で妻への感謝を口にするくらい、父自身は本当に感謝の想いがあったと思います。

一方の妻だって、誠実に働いてくれる夫がいたから、ここまでやってこられたことは理解しています。

それでも。

小さな小さな掛け違いは、大きな傷を生む。

プレシニア(40代後半~50代)世代は、定年が視野に入ってくるタイミングであり、子育ての状況や自身の健康問題など、さまざまな変化が起こるときでもあります。

この世代こそ、周囲とのコミュニケーションを見直すべきときといえます。イラッとしたときは、きちんと自分に問いかけたい。

日々のコミュニケーションを美しくしていますか?

わたしたちは毎日、大切な時間を過ごしているのだから。

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