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日々の言葉 #29『私と踊って』

今日の日々の言葉は、恩田陸さんの『私と踊って』から。

ミステリにショートショート、SF、ホラーと多彩な短編がつまった『私と踊って』。

どれもゾクリとする味があるんですよね。好き好き!

今日の言葉としてご紹介したのは「骰子(サイコロ)の七の目」という掌編からです。

「良識ある都民の代表」が集まり、どーでもよさそうなことを議論しています。ここに参加しているのは、良識的な意識をもち、良識的な意見を言う方たち。

そこに投げ込まれるのは、

「別に、どっちだっていいじゃありませんか」

という見知らぬ者の意見です。

主人公は突然の反撃にアワアワ。馬脚を現すことに……というストーリー。

会議をしているとき、「大きな声」の方に結論が流れてしまいそうになることがありませんか?

他の人の表情をみると必ずしも賛成しているわけではなさそうなのに、誰も声に出して言おうとはしません。

そして、「大きな声」は正義となり、全体の意見になってしまう。

後になって、言えなかったのは、なぜだろうと考えることがあります。あえて水を差すことはなかったし、もうほとんど決まっていたし。勇気もなかったし。

自分を納得させる言葉は、たくさん浮かんで来ちゃうんですよね……。

空気を読まず、遠慮は捨てて、自分の意見を言えたなら。

あなたと周囲の人との関係は、自分自身は、どんな風に変わるでしょうか?

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