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私がどの様にしてトランスジェンダーとして生きる様になったか(後編)

さて、前回は中学2年までのいじめが
トランスジェンダーとして生きるようになる
大きなきっかけになったというお話でした。

今回は後編として、高校の時に経験したことの
お話をしてみたいと思います。

これもまた、私がトランスジェンダーとして生きる
きっかけの大きな一つです。



①高校生になっていじめはなくなったものの

中学3年ではいじめはなくなり、
高校でもいじめられる事はありませんでした。

しかしここで別の事件が起こります。

高校1年の頃、下校中に家の近所で、
知らない同年代くらいの男性に
声を掛けられました。

内容的には「脅迫」でした。

知っている先輩の名前を出され、
ボコられたくなかったらついて来い
と言われ、
怖くなった私は、言われるがままにする他
道がありませんでした。

ついていくと、とある倉庫の一角の
狭い暗がりに連れ込まれました。

そこで最初に言われた事は、

「ズボンを脱げ」

でした。

ここから先は
あまりに生々しい内容になるので書けませんが、
いわゆる「性暴力被害」に遭いました。

警察はおろか、親に言う事も
友達に言う事も出来ず、
当時はずっと心の中に
しまい込む事しかできない
出来事でした。

今でもその事件の場所は覚えています。


②男性への恐怖心や抵抗感が確固たるものに

たった1度、されど1度。
この事件で私の中での男性への恐怖心や
抵抗感は確固たるものになりました。

ただでさえ、中学まで男子から
執拗にいじめられていたのに、
高校になったら今度は
見知らぬ男性からのレイプ。

映画やドラマではなく、

現実にこんな事ってあるのか?

と言いたくなります。

今でもなぜ私が狙われたのか、
全く見当がつきません。

私は勉強がとても苦手で、
自宅から電車で1時間くらいの
偏差値が低い男子校にしか
入れませんでした。

その為、やむを得ず苦手な男子校に入りましたが、
学校内では別に誰かに狙われたり、
イジメられたりという事は有りませんでした。

もしかしたら、犯人の男性は、
気の弱そうな男子が通るのを待ち伏せし、
偶然私がそこを通っただけかもしれません。

でも、これ以降、私は男性との距離を
さらに開いていくことになります。

そして必要最低限の接触以外は
極力避ける様になります。

高校では一応友達やバイト仲間はいましたが、
深い付き合いはせず、表面的な付き合いの
同級生が殆どでした。


③そして現在は・・・

前編でお話した中学2年までのいじめ、
そしてここに記した男性からの性暴力被害。

こういった経緯があるので、
もう50代に差し掛かろうかという今でも
男性に対しては恐怖感や苦手意識があります。

特に男性ばかりで集まる会合や集会など、
男性の集団は特に警戒します。

やはり一人とか二人ならまだしも、
集団になられると恐怖感は
とても強く感じます。

逆に女性の集団は
とても落ち着き、安心します。

なので、トランスジェンダーとして生活してはいますが、
恋愛対象は女性だし、お友達も女性が多いです。

とはいえ・・・

男性のお友達が
全くいない訳ではありません。

私のこういった経緯や人間性を理解し、
お友達として仲良くして下さっている男性の方も
今では何人もいらっしゃいます。

この男性の方々は、安心して話せる、
よき理解者であると私は思っています。


④最後に

前編と後編に渡って、
私がトランスジェンダーとして生きる
きっかけになった大きな出来事を
お話しました。

いかがでしたでしょうか?

私はこの様な経緯があったのですが、
もちろんみんながみんな
こういう経緯ではありません。

みんなそれぞれ違う人であり、
それぞれの考え方があって
それぞれの経緯があります。

「トランスジェンダーってこういう人たち」
「LGBTQ+ってこういう人たち」

といった、固定的な見方ではなく、

「その人自身はどういう人なのか?」

という所を見て頂ける世の中になると
いいなと思います。

そして、過度に権利擁護をせず、
身体性別や性自認に関係なく、
みんなが穏やかに過ごせる社会、
お互いの主義主張をぶつけるのではなく
お互いに思いやり譲り合う、
慈しみの心にあふれた社会になる事を
期待したいと思います。

また、そういった社会が実現できる様に、
微力ながらでも出来る事を
やっていきたいと思います。

今後も、私がお話しできる事は、
発信をし続けたいと思います。

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