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リノベーションの話

この写真は先月、2023年1月に撮影しました。さて、いつ建築された住宅でしょう。実は30年ほど前に建てられた武松幸治さん設計の住宅をリノベーションしました。リノベーションといっても、間取りなどを変えたわけではありません。できるだけ原設計を生かしています。写っている障子の桟はあくぬきをして障子紙を張り替えました。フローリングは痛んでいた所を削って再生しました。エアコンや照明器具は入れ替え、壁の塗装やクリーニングをして建物に第二の人生を与えるリノベーションです。とても美しい空間です。

既存ストックは「資源」

現在の日本には、既存ストックと言われるまだまだ使える建築がたくさんあります。その多くは、寿命に達していないにも関わらず、主にビジネス的な観点により壊され、新しいものに建て替えられてしまいます。しかし、見方を変えると既存ストック建築は再生できる「資源」です。躯体や素材は寿命に達していません。新しくピカピカしたものが最高の価を持つ時代は既に過ぎ去りました。スクラップ&ビルドの時代は過去のものです。

外光の入る廊下と階段。収納も塗り替えると見違えるように息を吹き返します。

できるだけ長く使う。捨てずにリユースする。どうしても捨てる時にはリサイクルを考える。そのようなことが美意識をもつ時代が訪れています。古いものをいかに使うか。物の作り手も使う側もその意識を持つべき時代になっていると感じます。

広い天井の大空間。キッチンはライフスタイルに合わせて入れ替えました。

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