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2023年上半期 最高に元気をもらった5本の映画

7月になった!!
今年も半分終わりました!

いろいろ変化のあった2023年上半期だけど、
わたし的に大きく変わったことと言えば、
思う存分、映画館に行けるようになった!!
これかなと思う。
これが何より大きい。

入り口での検温もなくなったし、マスクして行かなくてよくなった!
なんだかんだ映画館に通い続けてはいたけど、制限があるとやっぱりどこか窮屈な感じはあった。

映画館に行く本数も増えた!
1月から6月の半年で、映画館で見た映画121本。
去年の同時期に比べると30本増えた!

単純に公開作品が多くなったからっていうのもあるかもしれないけど、いつものペースに戻った感じがする。

映画館、やっぱりいちばん好きな場所だ。
どんなに疲れてボロボロになってても映画館に行けば復活できる。
イヤなことがあっても映画館にさえ行ければ回復する。
映画館にいる間は完全に現実を遮断できる。
暗闇の中で作品にだけ集中する。
スマホも見ないしメールも見ないし仕事のことも何も考えない。
ただ作品と向き合う。
瞑想にも近い癒やしの時間だ。
さらに作品に元気をもらう。生きる希望をもらって帰る。
ハッピーエンドの映画もいいけど、どちらかというとそうではない映画の方が好き。希望が少しだけあるような、でもどんな気持ちになっていいのかわからないような映画も好き。でもいちばん好きなのはこの世の地獄のような不条理な映画だったりする。現実では見たくないものを映画で見る。単純に楽しい映画も好きだし、楽しくない映画も好き。見るからにつまらなさそうな映画が思ったより面白かったら最高だし、面白くなかった映画を語るのは面白かった映画を語るより面白い。どんなジャンルの映画も見るし、興味がないジャンルの映画も見る。とにかくどんな映画も好き。今まで見て損したと思った映画はたぶんひとつもない。何でも見たい。ただホラーはちょっと苦手。ものすごく怖がりなので劇場で飛び上がる。始まった瞬間に「なんでこんなの見に来ちゃったんだろう」って後悔する。毎回確実に後悔する。それでも見に行くのは、新しい怖さが常に更新されているから。怖さは面白さでもある。でも、怖すぎて死にそうになる。劇場を出ると「生きてて良かった」と思う。そして少し元気になる。

映画館に行く回数が増えて、今年の上半期は去年より元気だった気がする。

2023年上半期、たくさん映画館で元気をもらった。
今回は映画館で見た121本のうち「最高に元気をもらった」映画を5本紹介します。


1本目:ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

生きててよかった!中2の自分が発狂して踊り出したくなる傑作

今年1本だけ選べと言われた迷わずこれ。
とても個人的な理由です。
ずっと見たかったものを、超最高な形で見せてくれたから。
ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)、知らない人にとっては「何ソレ?」だと思いますが、ドラクエなどのゲームの元になったテーブルトークRPG、何人かのプレイヤーが集まってダイスをふって物語を進めるゲームを原作にした映画です。
わたし中学生の頃この「D&D」にハマっていたのです。
当時、少ないお小遣いをはたいて買ったD&Dのスターターセット。
ただ誰も一緒に遊んでくれる人がいなかったので、脳内でひとりでプレイしていました。ルールブックを読んでひたすら妄想の中で繰り広げる冒険。
パーティを組んで、こんなダンジョンに行って、こんな会話をして…そんな遊びを脳内でずっとしていた。
あのときの妄想が、より完璧な形で、目の前に現れた。そんな映画だった。
まず世界観が最高!そして展開が楽しい!アクションすごい!ギャグがキレキレ!チームものとして熱い!ドラゴンがデブ!といいところを上げたらキリがない。
もはや好きなところしかない。
娯楽映画として最高峰の面白さで、しっかりD&Dの要素も抑えていていて、これ以上なにか必要なものあるの?ってそういう映画。
見ている間、本当にこれ現実なの?夢じゃないの?って思ってた。
現実か確認しにもう一回見に行った。
個人的には生涯ベスト級に大好きな映画!
最高すぎた。
生きててよかった!って思えた映画だった。

勢い余ってけっこう長いブログ書いてた。


2本目:ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

マリオがまんま映画だった!

個人的にはこれも中2の自分が大喜びする映画。
はじめて買ったファミコンゲームはスーパーマリオ2だった。
夢中で遊んだ。
編集者時代、仕事にかこつけて宮本茂氏に取材に行ってマリオを作っていたときの話を聞かせてもらって歓喜したのは20代の最高の思い出のひとつだ。
マリオのこだわりはジャンプの気持ちよさ、それに尽きるということを本人に確認して熱くなった。
そしてとにかくこの映画、まさにスーパーマリオだった。
ジャンプの気落ち良さがしっかり映画になってる。
「物語」はない。移動をひたすら楽しませる。
余計なものを足さず、純粋にゲーム的要素だけで映画を成立させている。
なんてすごいことをやってるんだろう。
映画を見たというより、マリオを遊んだって感覚で劇場を出るという不思議な体験。
マリオを劇場の大スクリーンで遊ぶ。
そんな夢が叶ったような映画。
シンプルにして最高!


3本目:BLUE GIANT

全力でやる。泣きすぎて、震えた。

泣いた。原作でも泣いてたけど、映画はそれ以上に泣いた。
泣きすぎて頭痛がしてきた。
真剣に生きる。そのことをことをバカにしない。
それがとにかく心に響いた。
この映画を見た2月頃、仕事の状況がハードすぎて、頭がどうにかなりそうだったんだけど、これだけ真剣に挑めることが目の前にあるって幸せなことなんじゃないかと、そう思えたのはこの映画のおかげだった。
まだやれる、全力でやる。
泣いて泣いて最後に震えて、奮起した。
青臭いけどまっすぐな気持ちをもらった。


4本目:雄獅少年/ライオン少年

クライマックスは号泣必至!胸アツ獅子舞映画!

負け犬の少年たちが、獅子舞の頂点を目指すスポ根映画。
中国のCGアニメの技術的な向上にも驚くけど、もうそんなことより、映画をつらぬく熱量がヤバすぎた。
友人に「チャウシンチー映画だよね」って言われて、まさにその通り!と思った!
これは全盛期のチャウシンチー映画だ。
どうしようもないやつらが、人生がボロボロになるまでたたかれて、でもそこで奮起して、最後に涙をかさっらっていく。
まさにあれだ。
わたしの人生ベスト1映画でもある「少林サッカー」に通じるムネ熱な映画。
とにかく、泣いた。泣き狂った。
大雨強風の中を劇場に見に行って、身体はびしょびしょ、鼻水と涙で顔面もぐしょぐしょで家に帰った。
元気しかもらわなかった!


5本目:ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

ゆるくてダメダメでもキレキレ!緩急たまらん殺し屋映画

もうこれ最高!存在が最高!!
最近流行の「殺し屋組織」もの。
「ジョンウィック」だったり「キル・ボクスン」だったり。
大作も次々つくられて、どんどん規模がエスカレートしていく中、たぶんいちばん低予算で作られたこの映画がいちばん輝いてる。
いわゆるイマドキの若い女子の殺し屋が主人公。
ふだんは「だるーい」っていいながら、ずぼらを絵に描いたような生活をしている。本当にだらしないくて、やる気ない。
でもいざ殺しの仕事になると一気にスイッチが入る。
キレキレに動く。でも仕事が終わるとまたふぬける。
この緩急がたまらん。
そんな2人組が主役の映画のパート2。
1から規模がグレードアップするのかと思ったら、まったくそんなことはない。
むしろ、よりゆるくなってる。
より2人はダメダメで、話の規模自体も小さくなっている。
でも、それが最高!
ひたすらゆるい。でもアクションのキレが前作よりアップしている。
そしてしっかりドラマとして熱い要素を持ち込んできて、むちゃくちゃシビアで切ないラストにぐっとくる。
初日の朝一の回を待ちきれなくて見に行って、ほくほく気分で帰って仕事しました。


++
とここまでで5本なんですが、あと1本だけ。

+1本 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

御年80歳!!この映画が存在することに泣く

いや、もうこの映画、存在してくれてるってだけで100点!です。高1の夏、学校をサボって初日に劇場に行って朝から晩まで一日中見続けた「最後の聖戦」。その夏は、あの帽子を買ってずっとかぶって過ごしていた。振りかえると痛い高1、夏の思い出。あの憧れてた冒険が何十年経っても続いている。それだけでアガる。見る前に過去作を見直して、気分を高めた。見る前から泣いてた。冒頭のシークエンス。あの頃のテイストであの頃のインディが帰ってくる。もうそれだけで十分だった。主演俳優80歳の冒険活劇。とにかくこの映画が作られたことにただ感謝。そういう映画だった。








++

結局間違えて10本書いてしまった…
元気をもらった映画残り4本

「フリークスアウト」

小さき弱き者たちが巨大な敵に立ち向かう!

最高!マジ最高にあがる。4人のサーカスの超人たちがナチスと戦う。これぞファンタスティック・フォーな異能バトル映画。冒頭からぶっとばされる。主人公たちの能力を紹介する見事なサーカスシーンから転じていきなりの爆撃と惨劇。むちゃくちゃエグいけど、楽しくて、そしてスカっとする見事なエンタメ映画。小さき弱き者たちが巨大な敵と戦う展開に燃えます!本当にとにかくよく燃えました!!「皆はこう呼んだ鋼鉄ジーグ」の監督だけあって、ちゃんと鋼鉄ジーグも出てきます!そしてマイケル・ジャクソン映画でもあるという。細部も最後も熱い!


「不思議の国の数学者」

大事なのは結果ではなくてそのプロセス

新しい世界に触れる喜び、学ぶことの素晴らしさを描いた素晴らしい映画だった!学ぶことが苦痛でしかなかった主人公が、偏屈な数学者との出会いで人生が変わる。学ぶこと考えることはそれ自体が喜びであり、美しいことなのだということを知っていく。困難に時間をかけて向き合い、無駄とも思えるような作業をコツコツとひたすら続けていく。時間をかけて考えて考えて、その先に理解が生まれ、好きになっていく。大事なのは答えや結果ではなくてそのプロセス。そうだ!そうだ!って頷きながら見た。


「雑魚どもよ、大志を抱け!」

昭和な風景に身もだえる!エモい!!

舞台は1988年。昭和なキッズたちの冒険。単にこういう映画大好きっていうだけなんですが、自分の子ども時代にあったかもしれないような風景を見て胸アツだった。日本のスタンドバイミー的な小さな町のそこだけが世界の全ての子ども達の日常。駄菓子屋行って悪さして、学校でいたずらして先生から逃げて、なんかこのバカ騒ぎだけをずっと見ていたいくらい楽しかった。中盤以降はシビアな展開になって、困難から逃げてしまうことで苦い思いをして、そこから小さな一歩を踏み出すことになるんだけど、細部に宿る昭和感と、子ども時代の甘酸っぱさと、全編とてもよかった!!超どうでもいいことだけど…メガネの正太郎くんの家にあったPCエンジン。彼がやっていたゲームはナムコの妖怪道中記だと思うんだけど(一瞬しか映らないけどたぶんそう)、流れているのがなぜかFF2の戦闘シーンの音楽。なぜーーー!?


「セールス・ガールの考現学」

モンゴル感がまるっとひっくり返った!!

モンゴルに対するイメージが完全にひっくり返った。映画として超オシャレ!ポップで新鮮な映画。まず冒頭のバナナの皮で完全にもっていかれる。横移動する人がいる中にぽつんと落ちてるバナナの皮。なかなか誰もバナナの皮を踏まない。あれ?転ばない?と思ったら、最後にずっこける人がいて、そのことで主人公が突然「おとなのおもちゃ屋」でバイトすることになるという、なんという強引でスマートな導入。とにかくこの映画、移動が楽しい。移動しながら物語がきちんと動くし、移動してじっくり見せるモンゴルの街並みが想像のモンゴルと違っていて、それを見てるだけで嬉しい気持ちになる。主人公の少女の淡々とした感じもいいし音楽も最高!知らない世界に触れる。映画を見る喜びってこれよね!って映画だった。


ほかにも映画史をひっくり返すほどの傑作だった「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」とか、「ザ・フラッシュ」も超最高だったし、「TAR/ター」とか「aftersun/アフターサン」とか「モリコーネ 映画が恋した音楽家」とか「エンドロールのつづき」とか「少女は卒業しない」とか「マッシブ・タレント」とか「レッド・ロケット」とか「ガールピクチャー」とか「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」とか「THE WITCH/魔女 ―増殖―」とか「To Leslie トゥ・レスリー」とか、よく考えたらあと100本くらいは「推し」映画があるんですが、とりあえず仕事に戻ります。


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