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がんばってる自分を否定しなくていい

やばかった。
泣きすぎた。
何かというと「BLUE GIANT」を見たのだ。

泣いた。
泣きすぎて頭痛がしてきた。
もうかなり冒頭から泣いてた。
最後までずっと泣いてた。
止まらなかった。

最後は何に泣いてるのか分からなくなるくらい泣いていた。
映画を見終わって何に泣いてるのか少し考えた。
言葉にするとこんなことかなと思う。

「がんばってる自分を否定しなくていい」
そう全力で言われた気がした。

ジャズの映画だ。
十代でジャズに魅了されテナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大が、高校を卒業して上京。そこで出会った凄腕ピアニスト沢辺雪祈と、高校の同級生で音楽未経験の素人ドラムを始めたばかりの玉田俊二と3人でバンドを組み、日本最高峰のジャズクラブ「So Blue」のステージを目指す青春音楽アニメ映画。

主人公・大の目標は「世界一のジャズプレーヤーになる」こと。
それを高らかに宣言する。
そのためにひたすら練習をする。
泥臭いくらいまっすぐに練習する。
毎日、ひたすらサックスを吹く。
自分の全部を全力で音楽にぶつけていく。
それ以外のことには脇目も振らない。
これはいわばスポ根だ。

何かひとつのことに真剣にのめり込んで、全力でがんばる。
ただ真剣にがんばる。
暑苦しいほどがんばる。
そのまっすぐさが、とにかく今の自分に刺さった。

いいじゃん、がんばるの。
がんばりすぎるくらいがんばって何が悪いんだよ!

自分の中からそんな声が聞こえてきて、もう止まらなくなった。

一番ぐっときたのはドラムの玉川だ。
突然、ドラムを始めた音楽初心者の主人公の高校時代の同級生。

3人のバンドで一人は努力の天才サックスプレーヤー、もう一人は4歳からピアノをやっている秀才ピアニスト。
そこに加わるずぶの素人。

最初はメンバーとして認められてもいない。
「はじめは誰でも素人だろ」
主人公がサックスを始めたのも3年前だ。
何も持ってないところから練習で積み上げていく。
天才と秀才の足の引っ張らないように必死についていく。
「これをやらないと一生後悔する」そう思えるほど打ち込める「何か」を見つけたこと、それが初心者・玉川の原動力だ。

その姿に自分が重なる。
たぶん、これはわたしだ。
かつてのわたしだし、今のわたしだ。

ここのとこ仕事にしろ何にしろがんばりすぎてるのかなーって、そんな自分を、なんかみっともないような、恥ずかしいような、あまり胸張って誇れないような…そんな負の感情で見ている自分がいた。
忙しさを呪ったりもしていた。

でもそれは違う。
全力でやらないと乗り越えられない壁があること。
一心不乱に打ち込まないと乗り越えられない困難があること。
打ち込める「何か」があること。
それは、すごく幸運なことだ。

自分が選んだ道で、今もまだ大変な方へ進んでいる。
それをがんばらないで何をがんばるんだよ。

思いっきり真剣に、やりすぎるくらい、やっていいんだ。
まだまだいける。
青臭いけど、本気でそう思って劇場を後にした。

原作でも泣いたけど、映画は100倍泣いた。
原作と違うラストもヤバかった。あれは泣く。
一番泣いたのは、自分のことなんて誰も注目してないと思っていたドラムの玉川が、ライブで「君の成長を聴きに来てるんだよ」ってお客に声をかけられるとこだ。
ずっと昔、同じように言ってもらった経験がある。
誰かが見ていてくれるんだ。
仕事を始めて3年くらい経ったときだった。
たぶんそのときは泣かなかったけど、映画見ながらその日のことを思い出して号泣した。
客席が満席だったから我慢したけど、誰も客がいなかったら大声で泣き叫んでた。泣き死にするかと思った。

とにかく今の自分には大事な栄養剤だった。




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