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【脳科学】辛いものは脳に良いのか??

皆さんは辛い物はお好きでしょうか??? 私は嫌いではないのですが、辛い物を食べると必ずお腹を下す体質です(-_-;)

韓国のSAMYANG食品が2012年に激辛プルダック麺を販売開始した際に、
無類の辛い物好きな韓国人でも、「これは辛すぎて食べられない!」という人が大勢いることが話題が広がり、SNS上では激辛プルダックを完食するチャレンジ動画が大量に上がるようになりました。

プルダックポックンミョン/SAMYANG FOODS

2014年~2015年に流行ったハニーバターブームと比べても、辛い物チャレンジのブームは長い間、人気を博している気がします。

2014~2015年、当時人気を博していたハニーバターシリーズ


今でもYoutubeで企画と称して激辛料理を食べる動画を良く目にしますが、企画などではなく本当に好きで日常的に四川料理や激辛麻婆豆腐、北極ラーメンなど食べている人はどんな気持ちで食べているのでしょう・・・。

本題の辛い物が脳に与える効果は?

さてタイトルの通り、今回辛さが脳にどのような効果をもたらすのかというのが気になり、いつも通り色んな論文をあさる中で辛さと脳の健康に関して研究した結果をいくつか見つけましたので紹介していきたいと思います。

はじめに_辛さの正体とは?

カプサイシン

ご存じの通り、辛い料理にはカプサイシンという有機化合物が含まれていてこれが辛さを作る要因の一つです。カプサイシンの摂取については一般的に以下のような改善効果があると言われております。

カプサイシンで期待できる主な効果
1) 痛みの軽減  - 塗り薬や軟膏に含まれ関節痛や神経痛などに効く
2) 抗炎症作用 - リウマチ性関節痛や変形系関節痛などに効く
3)体重減少 - 食欲抑制によるダイエット効果
4)血流改善 - コレステロール値を下げ血流改善
5)がん予防(前立腺がん) 

一方でカプサイシンの摂取し過ぎは胃痛、下痢、胸やけ、胃食道逆流や皮膚炎と言った害もあるため、食べすぎには気を付ける必要があります。

論文1:カレーの消費量と認知症の関係

この論文では、2003年に 60~93歳の健康なアジア人の高齢者1,010人に対して行った実験でカレーの食べる頻度の違いが、どれだけ認知テスト(MMSE)の結果に影響が出るかという検証をしました。

結論からいうと、カレーを食べる頻度が「頻繁」と「ときどき」の人は、
カレーを「まったく、またはめったに食べない」人よりも認知能力が高いという結果が出ました。

論文2:辛い食べ物の摂取頻度と認知症との関係

この論文では、辛い食べ物の摂取頻度と認知症(アルツハイマー病)との関連を示唆するような結果が出ています。

もともと先行研究で「カプサイシンの摂取は(認知症の原因の一つと言われている)β-アミロイドの減少と関係がある」というのが分かっていたこともあり[1]、この研究ではアルツハイマー患者55 人と正常被験者55 人を対象とて過去12か月間の辛い食べ物の摂取量や辛さレベルなどをアンケート調査し、そのスコアと認知テスト(MMSE)や脳脊髄液(CFS)のバイオマーカー値との関係性の調査を行いました。

この研究で分かった事としては、アルツハイマー患者よりも正常な被験者の方が辛い食べ物を食べる頻度が多く、さらには先ほど紹介した研究のようにより辛い食べ物を頻繁に食べる人の方が認知テスト(MMSE)の結果が良いという事が分かりました。つまりカプサイシンが豊富な食事が、認知機能の低下とアルツハイマー型認知症に対すしての予防効果を発揮する可能性があることを示唆しています。

まとめ

辛い物を食べることは見たところ認知症の予防策にはつながりそうとも言えます。ただ辛い物の摂取と脳の機能との関係についての研究は数が非常に少なく、更なる調査が必要と言えるでしょう。
また過度に辛い食べ物を食べることで胃腸炎といった弊害にもつながるためどれだけ辛い物が好きでもほどほどにしておくことをお勧めします。

-----------------------------以下参考文献-----------------------------
1. Liu CH, Bu XL, Wang J, Zhang T, Xiang Y, Shen LL, et al. The associations between a capsaicin-rich diet and blood amyloid-beta levels and cognitive function. J Alzheimers Dis 2016; 52:1081–1088. doi: 10.3233/JAD-151079.

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