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はじめて従業員を採用するときの3つの注意点を社労士が解説

若手社長を全力で応援社労士の下村です。

会社を設立して一人で業務をやるのは大変だし、従業員を雇用しようかな?と考える社長さんは多いと思います。

ですが実際雇用してみると想像とは全く違うことに驚かれた(これから驚かれる)ことも多いですよね。

「こんなことも言わないとしてくれないの?」

「自分が従業員として働いていた時はもっとやってたのになんでこんなこともしてくれないんだ!」


社労士としていろんな社長さんのご相談をうけた経験から
初めて従業員さんを雇用される社長さんに向けて3つの心構えを社労士目線でお伝えします。


〇従業員は頼もしい存在、だけど経営者ではないので社長と同じ働きは期待しない

従業員さんは会社にとって必要不可欠な存在です。

その場に社長がいなくても事業を運営してくれますし、社長が苦手な仕事も任せればやってくれます。

社長自身ができないことがあっても従業員さんが代わりにやってくれることで
会社がひと回り二回りも大きくなります。


ですが従業員さんが社長さんと同じ熱量でその事業に取り組んでくれるか?
その熱量が社長と同じくらい持続するとは限りません。


あくまで世の中の大半の人は自分自身の生活のため、
言葉隠さずにいえばお金のために働いています。
(もっと包み隠さずいえば仕事は嫌々やってる人が大半です)

従業員さんに対してクリアできそうもない仕事を押しつけたり
常識を超えた残業をお願いしたり
プライベートまでの犠牲を強いるのは不可能です。
(逆に社長はプライベートを犠牲にしてでも
全てやらなくてはならないという辛さもあります・・・)

自分で会社を設立すると周りも同じぐらい熱量がある方に囲まれるので
世の中の大半の人は仕事が好きだと思う社長さんも多いですが
そんなことは一切ない、というのが私の持論です。

世の中のほとんどの人が楽してお金を得たいという人が普通です。

従業員さんには程よい期待を持ちつつも社長と同じ働きは期待しないことをおすすめします。

〇従業員と経営者は法律的には対等でないと認識する


世間的には社長は絶対的な存在だと認識されがちですが
従業員さんとトラブルになって法律を基にして話し合うとなった時に
経営者と従業員の立場は対等ではない、です。


どういうことかというと従業員さんと裁判やトラブルになった現場においての考え方の基本は、
『どうしても経営者の力は強いから従業員と対等にならないよね?
だから基本的には従業員有利に考えるよ』
となります。

具体的な話をしますと顧問先のお客様で
もともと遅刻癖がある従業員が会社の事務所の壁にイタズラ書き(しかも社長の悪口)を行って社長が激怒。

うちでは雇うことができないとその場で解雇を本人に伝えました。

従業員さんは生活があるので解雇は困るとして、会社とトラブルに発展。
最終的には裁判所で話し合うことになりました。

一見社長側に正義はありますが、裁判官からは解雇はやりすぎだとして
会社側は従業員さんへ金銭を支払うような結論に。

そのあと社長さんからは
「悔しい、今まで社長と労働者は対応ではないと聞いていて
それは社長が強いものと思っていたのにそうではなかった…。」

と残念そうに仰っておられました。

結果として勉強代としてはかなり高い金額の支払いを命じられてしまいました。

私自身も顧問契約はしていなくともこのトラブルの前から会社は知っていたのですが
具体的なご相談はトラブルが起きてしまってからだったため、対応が遅くなってしまいました。

従業員さんとトラブルが起きる前にうまく対応できなかったこととして
私自身も後悔が残るトラブルになってしまいました。

〇従業員とトラブルが起きた時は証拠がすべて。働く時間の記録だけはしっかりしておく

先ほどの従業員トラブルで従業員さんの遅刻癖があったにもかかわらず
結果として社長側の言い分はほとんど認められず
従業員さん有利に話が進んでしまいました。

なぜかと言うと細かい時間を記載した出勤簿を会社では用意しておらず
遅刻がどれくらいあったのか?
どれくらいの時間遅刻をして出社をしていたのか?
という証拠を会社側が用意できなかったためです。

そのため社長の言い分は認められず
かなり従業員さん有利に考えられてしまいました。

私は出勤簿は従業員さんから会社への請求書だと考えています。

通常の会社同士のやり取りでは請求書を下にして支払額を決めて
社長さん自身も細かく数字のチェックをされるのに
従業員さんとのやり取りではざっくばらんにされている会社が多いと感じています。

最近では安価でもしっかりとしたクラウド勤怠はありますし
不正打刻を心配される方向けには指紋認証が必要なシステムや
打刻した本人の顔写真を撮影して打刻するといったシステムもあります。

いつか導入しようではなく従業員さんの人数が少ない時こそクラウド勤怠システムの導入がをおすすめします。
(弊所でもクラウド勤怠のご提案できますのでご興味ある方はホームページよりお問い合わせくださいませ)

おわりに


今回は従業員を採用するときの心構えを3つお伝えしました。

私は社労士として従業員さんとのトラブルは事前対策こそが大切だと考えております。

初めて従業員さんを採用される際のご参考になれば幸いです。

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