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【高校生インタビュー企画#5】人生は長くて広い(松本優月)

筆者紹介

昨年HLAB主催のHOPE3とWinter Schoolに参加し、今年の4月の前半からはSHIMOKITA COLLEGEに2週間入居して、モニタープログラムを体験した高校2年生の松本優月です。夏からカナダの高校に入学し、2年後にそこで卒業します。日本の高校は4月で退学し、現在はギャップターム中で好きなことに走っています。

インタビューワークとは?

SHIMOKITA COLLEGEでの2週間のモニター居住が始まり、最初の1週間に出されたお題は、最低5名の方へインタビューをして、相手の「人生の道」(人生の分岐点や転換点)についてお話を聞くというものでした。色々な体験や意見を聞きたかった私は、テーマに限定せず、現在から始まり、その方の過去や未来について、意思決定の都度の思いやきっかけをベースにインタビューを行いました。1時間程度で終える予定が、どの方も本当に素敵でお話にのめり込んでいるうちに平気で2、3時間がすぎていました(笑)

カレッジ生にはどんな人がいるの?

私は2週間で30名程にインタビューをさせてもらいましたが、一言では言い表せません。強いて言うなら皆それぞれ全く違うといったところでしょうか。大学や、仕事、専攻分野なども多種多様ですが、傍から見ると同じようなことをやっている人でも、個人個人の思いやきっかけ、目指していることは全く異なり、本当にひとりひとりの色があります。もちろん、これはSHIMOKITA COLLEGEに関わらず世の中一般にも当てはまると思いますが、私がそれぞれの人生を強く感じたのは、カレッジ生の方々がそれぞれの軸をしっかりと持っているからでしょうか。どの方も「自分は今何を求めているのか」ということを常に自分に問いかけながら、自分の人生を自分自身で決定して歩んでいるように感じます。だからこそそれぞれの「個」が際立って見えたのかもしれません。

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どんなインタビューをしたの?

私は今回主に2つのことに気をつけてインタビューワークを行なっていました。

ひとつめは、相手の話を「聴く」ということです。SHIMOKITA COLLEGEへの入居当日、篠田真貴子さんによる講演会が開催されていました。テーマは「聞く」と「聴く」について。篠田さんによると「聞く」とはwith judegementの状態、つまり、相手の話を自分の価値観にそって解釈することであり、「聴く」とはwithout judegementの状態、つまり、自分の固定概念を捨てて相手の話を相手の目線で理解するということです。「聞く」と「聴く」の差を意識して人と対話をしたことなどなかった私にとって、それはとても興味深く新鮮な内容でした。思い返してみると、私がカレッジに入居する前にしていた行為は常に「聞く」だったように感じます。深く相手の話を聞く前に自分が思ったことをすぐ口に出してしまったり、全く興味の沸かない話だと知らず知らずのうちに他のことを考えてしまったり、逆に尊敬している人の話を鵜呑みにして自分の意見がわからなくなってしまったり。そのようなことは全部、自分と相手の価値観をごちゃ混ぜにして「聞」いていたから起こってしまったのだと思います。おそらく、以前の私は実際に耳に入っていた話の半分も「聴」いていなかったでしょう。このことに気づいた私は、SHIMOKITA COLLEGEでの2週間は相手の話を「聴く」ことに全力で取り組もうと決めました。

実際に「聴く」ことに気をつけてインタビューをしていると、なぜ相手がその判断を下したのか、その道を選んだのか、その時どんな思いだったのかなど、訊きたいことがたくさん浮かび上がり、表面的な肩書きや活動に縛られない、「その人自身」をより深く知れたような気がしました。嬉しいことに、自分自身について新たな発見があったという感想を言ってくださる相手の方もいました。相手の目線にたって理解しようとするため、行動や選択の陰に隠れている信念や性格などを自然と想像するようになったのです。

ですが、そこで問題が発生しました。「聴く」ことに集中するあまり、ただ単に相手の話をきいて質問をするだけのロボットのようになってしまったのです。相手の話の中で疑問を持つことがあっても、「聴く」ことに集中しすぎるあまり、それに対して自分なりの意見を言うことができなくなってしまいました。それではせっかくインタビューの時間を設けていただいたのに相手の方からすれば1人で喋っているようなものだし、私自身も終わった後に自分の中に納得するような形で内容を落とし込めず、とてももったいないなと思うようになりました。

そこで、ふたつ目に意識したのが、「その場にいる2人だからできる会話を作る」ということです。せっかく貴重なお時間をいただいているのだから、相手の方に少しでも有意義な時間になれば幸いですし、自分自身の考えを相手の考えとミックスすることで新たな発見にも繋がると思ったからです。

すると、自分のことについても良く知れたと言ってくださる方が増え、また、私自身も自分が気になっていたことに対する相手の方なりの考え方に出会い、今まで「〇〇さん」のお話として相手の言葉をそのまま使って自分の中に保存していたものが、「〇〇さんと私」の会話として自分の言葉に変換して取り込むことができるようになった気がしました。

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何を学んだの?

実際にインタビューではその都度数え切れないほどの気づきがあり、到底ここには書き尽くせないほど充実したお話しをさせていただきましたが、多くのインタビューを重ねる中で全体として一つ大きな気づきがありました。

それは『人生は広くて長い』ということです。たくさんの方の多種多様なお話を聞く中で、生きるということは私が考えていたほど単純で薄っぺらいものではないなと気づきました。

「長い」というのは単純に時間軸の長さです。今は人生100年時代と言われている通り、人は大学を出て、社会人になり、仕事をしてそのまま死んでいくわけではありません。何かやりたいことがいくつもあればそれを一つに絞る必要はなくて、大学を休学して働いても良いし、逆に社会にでてから学び直したって良い。人生をいくつかのフェーズに分けて、そのフェーズごとにやることを変えたり、常に今自分のやりたいことに従って道を歩んだり、その長い時間の使い方も人によって様々です。

そして「広い」というのは、一度にできることは一つではないということです。生きている時間を全て、何か一つのことに費やしている人はなかなか少ないでしょう。そのような過ごし方も魅力的ではありますが、大多数の人はたくさんのことを同時並行で行っているだろうと思います。様々な分野を学んでいたり、いくつもの仕事があったり、趣味があったり、家族があったり、友人関係があったり、同じ瞬間にも様々な人生の側面があるのではないでしょうか。

私はこれまで、ゆくゆくは人生を通して突き詰めるものを何か1つに絞れなければと思い、焦っていましたが、今回SHIMOKITA COLLEGEで2週間過ごしたことによって、生き方の多様性に気がつきました。何をやるかだけではなく、長くて多方向に広がる人生をどう使うか、そこからが選択なのです。今まで一本の道のように思っていた人生は、何か太くて長い円柱のようなものなのではないかと今では思っています。

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最後に

SHIMOKITA COLLEGEでの2週間、カレッジ生の方にお時間をいただいて、ひたすらにお話を伺っていました。学期末も重なって忙しい方も多い中、どの方も快くインタビューを引き受けてくださり、本当に感謝の念が絶えません。私がこんなに気軽にお話しを聞くことができ、そこからたくさんの学びを得ることができたのは思いやりの精神溢れるSHIOKITA COLLEGEだからこそのことだと思います。

学校と重なっていなければもっとたくさんお話ししたかったと残念に思う気持ちもありますが、一方で退居の時にはいつでも戻ってきてねとあたたかく見送っていただき、SHIMOKITA COLLEGEで得た関係は今後も続いていくのだと改めて認識させていただきました。

今回の2週間で得た経験もここで終わりにすることなく、この先の人生に活かしていきたいと思います。今回お話しさせていただいたたくさんのカレッジ生の方、そして、プログラムを用意して下さったHLABの関係者の方々、本当にありがとうございました!!

                ・・・
SHIMOKITA COLLEGEについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


また、モニタープログラムについての詳細は、以下の記事にてご参照いただけます。


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