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【高校生インタビュー企画#3】人との関わり方について考えてみたインタビュー(清水 萌絵)

この記事について

モニターに応募した理由の1つとして、昔から人の価値観や人間性、自分と他者のバランスについて考えているものの、いざとなるとその好奇心をどこにどうぶつければいいのかわからなかった、というのがあった。

人との関わりは学びに繋がっている。例えば「対話」という場によって交わしていく言葉の中には、ふとしたところで小さな気付きや学び、自分とは異なる価値観のインプットがある。それは別に自分の人生において画期的な発見でなくても、自分の考えの引き出しの中に保管され、意外なところでその知識を取り出して考え事に利用できたり、単に頭に入れておくことで視点の広まりに繋がったりする。その感覚が自分は楽しいなと思う。

カレッジは、そのような小さな学びがあらゆるところに散らばっているだけでなく、自分からそれを集めに行きたい、という純粋な思考や好奇心を受け止めて肯定してくれる空間だった。

深く考えることだけが正義だとは思わないけれど自分にとっては、「考える」ことがひたすら楽しい、と感じられる環境があったのはすごく幸せだった。
2週間を通して行ったインタビューワークは、そもそも非日常なコミュニケーション手段であり、それだけにこだわっていると狭まってしまう視点もあるとは思う中、自分にとって「聞き手」として役割が定まっているというのはより明確に人からの学びを吸収して引き出しに入れるきっかけになったのかな、と思う。
他にも色んな方のお話を聞かせてもらったが、「人との関わり方」についての思考に繋がった1つのインタビューをまとめてみたい。

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質問者 清水萌絵
中学までチェコ、アメリカなどに住み、現在東京の学校に通う高校2年生。
趣味は映像制作、英語ディベート 、考え事など。

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回答者 滝本明里さん
2000年生まれ、千葉県出身。
2018年にアメリカの公立高校を卒業後、オランダのライデン大学カレッジリベラルアーツ学部に進学。
主に社会学・文化人類学を学んでいる。現在は休学中。

インタビュー内容

今まで、自分に影響を与えてきた出来事やものは何ですか?
>父の仕事の都合で高校で3年間アメリカに行ったことだと思います。
世の中には自分の見てきた当たり前の価値観だけではないんだなと気付かされました。

なぜ、オランダに留学しようと思ったんですか?
>もともとリベラルアーツが勉強したかった中で、学費などの都合もあって、検討していたアメリカから変更し、ヨーロッパなどを色々調べた結果オランダにしました。今はオランダにしてよかったと思っています。
オランダでは生徒の半分がインターナショナルな留学生なので、色んな国で育ってきた人がいて、「マジョリティ」というものがあまり定義されていなく、居心地がいいです。

将来何をしたいなと思っていますか?
>何か具体的に成し遂げたいと思うことは今のところないけれど、どういう形でも何か面白いことをしたいなと思います。そして、常に悩んでいたいです。

今、何が好きですか?
>学ぶことは全体的に好きです。例えば哲学的な本を読んでそれについて考えたり、自分が社会にどう影響を受けているのか考えること。人と話すのも好きです。あとは、自由な気持ちになるために、よくわからないことをやるのが好きです。

ずっと自分が自由にやりたいことをやってきたと思いますか?
>そうですね。ここ(SHIMOKITA COLLEGE)に入ってきて住んだのもそうだし、カレッジ内で読書会を開いているのもそうです。逆に、前にやっていたソーシャルビジネスのインターンはこれ以上いても苦しいだけだなと思ってやめ、今は飲食店でアルバイトをしています。
そのように行動しているのは、自分のことが好きだから、結局流れに乗ってなんでもできるという自信があるからだと思います。どんな自分でも楽しいと思うし、たどりついたところで楽しみを見つけられる。それは強みでもあるし弱みでもあるかなと感じています。

その中で壁にぶつかったことはありますか?
>壁は常にあるし、もっと簡単に生きる方法は絶対あると思います。
普通に就職したり、普通に満足することは多分誰にでもできる。
自分は結構真面目な方だから、そういう規定を窮屈に思っちゃって自ら少しひねくれた道を選ぶこともあるけれど、その方が面白いし、ひねくれている自分も好きです。

自分の考え方は、人との関わり方とどう影響していますか?
>自分は幼い頃からあんまり人に対して関心がなく、誰が何を言おうと関係ないと思っていました。無関心だからこその他人に対する寛容さや優しさはあるけど、従来的な意味で使われる「友達」は、定義としてお互いに依存しているから、「友達」を作ろうと思っていないしいなくていいと思います。
たまたま会った人で話をしたりして、その後関わりを持たなくなっても、それはそれで意味のある関係性だと思います。

今までに最も影響を与えられた人や関係性は何だと思いますか?
>オランダでの2年間のルームメートとの関係性は、自分にとってすごく意味があるものだったなと思います。
彼女はわたしに対して本当に無関心で、夜中に突然「生きる意味ってなんだろう」など急に面白い質問をしてくるのですが、それはあくまでも本人が悩んでるからであり、わたしに話したいわけではありませんでした。
それと同時に、わたしも自分自身だけに関心が向いていたから、お互い関心のない、ただの同居人でいれて、その関係性の中でいろいろ話せたりしました。
すごくいい意味で自分勝手で自分に自信があって、彼女は自分勝手な生き方の私を肯定して解放させてくれたような存在であり、彼女に出会って自分もかなり変わったなと思います。

カレッジにきたのはなぜですか?そのような他人に対して無関係な関係を求めているのですか?
>自分は常に、自分が面白いと思う人を求めているので、コロナ禍の中1人でいることが多く、対話を求めていたからだと思います。
ここにいる人は色んなことをグダグダ考えていて面白いなと思うし、それぞれの人のひねくれがとても面白いです。結局「誰かを理解する」というのは自分がそういう理解や解釈をしたいわけだから、「この人わからない」と思う瞬間がいっぱいあって人間らしいことがカレッジにいてとてもいいなと思います。
相手からも、「この人よくわからないな」と思ってもらえるのが1番楽だし幸せかなと思います。

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プロジェクト発表会の様子

今、何が楽しいですか?>
生きていることは面白いと思います。
生きていることは多分、誰かと関係性を結ぶこと、社会と関係性を結ぶこと、考えること。考えていることも学ぶことも楽しいし、人生は楽しいです。
そう思える環境にずっといたいと思うし、常に自分が人間でいるなと思える場所にいたいなと考えています。

自分が話を聞いて感じたこと

今回、あかりさんにインタビューをする中で、「人を理解する」ことなんて存在しないだろうな、とカレッジに来る前も、そして来てからは尚更ぼんやりと思っていたことを思い出した。
インタビューは楽しいし、人間はよくわからなくて面白い。聞けば聞くほど、自分の知らないことがありすぎてどんどんよくわからなくなっていく気がする。
そもそも100年間毎日インタビューしたとしても、誰かの得体を知ることなんて無理なんだろうなと思う。色んな面が混ざり合って複雑すぎるし、誰かの一面を見たとしても、その裏にある思考や感情は計り知れない。多分、人を完全に知ろうとすることは無理だ。
そんな中で、あかりさんの「人」に対する考えはすごく面白かったし、聞いていて自分も少し楽になった気がした。

それでも、私は人を理解しようとする過程は嫌いじゃない。自分はそんなに強くないから、どうしてもある程度他人を気にしたり頼ったりしてしまうし、何かしらの関係を求めてしまう。多分その中で人が「わからない」ということは自分も他人も苦しめることがあるのかもしれないけど、それが1番面白いなと思うから、人と関わり続けていたい。
存在しない「理解」というゴールを目指す途中で、この人が面白いな、とか好きだな、と思うことが自己満足だったとしても楽しいのだろうなと思った。

あかりさん、インタビューを受けてくださり、ありがとうございました!

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同じタームの高校生5人で談笑する様子

SHIMOKITA COLLEGEについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


また、モニタープログラムについての詳細は、以下の記事にてご参照いただけます。


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