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実践型クリティカルシンキング 特装版


佐々木裕子(著)

講義形式でコンパクトに纏まっている本。
実例と質疑応答で疑問点が出てくるたびに解答が得られる。
すでに決まっている目標に対して「なぜ?」と問いかけることから始める。
本に対して残念な点は(笑)が多くてイラッと来る時がある。

クリティカルシンキング=自ら考える力の基礎スキル
現代社会は「言われたことをきちんと実行する力」だけでは通用しない。

クリティカルシンキング
・新しい目で見る
・批判的に見る
・論理的につなげて考える力
・整理する力
効果的に筋よく思考を深めるための技術

クリティカルシンキングは思考技術でありツール、目的ではない。

クリティカルシンキングが求められる理由
変化の激しい現代社会に必要な思考力
・限られた時間と情報でベストな答えを出すため
・前例、経験の無いことも判断するため
・自分の判断の根拠を明確に説明するため

クリティカルシンキングの考え方
①いつまで、どのくらいまで、何のためを明確にする
②目標との差と原因を明確にする
③②への対処の根拠を明確にする
これらを徹底的に意識し、考えることが大事
※とにかく目指すものを誰にでもわかるように明確に定義すること!!

クリティカルシンキングに必要な力
・目標達成のために目線と具体性を定義する力
・細かく砕いて核心に迫る力(なぜ?具体的には?と掘り下げる)
・思考や発想の枠を広げる力(どうしたら?ホント?と横に広げる)

※なぜ?の質問に答え続ける。

定義を明確に
例)
グローバル人材を育成したい
・グローバル人材とはどういうことができる人のことか?
英語が話せる人なのか
どのような環境、文化でも活躍できる人なのか
どんな人とでも協働できる人なのか
・育成とはどういうことか?
育成された状態とはどういうことなのか
育成された瞬間とはどういうことなのか
研修ること、役職につけることなのか
・いつまでに何人必要か?
・なんのためにするのか?
海外事業をまかせたいのか
日本との橋渡しをさせたいのか
対象は日本人なのか

「SMATR」チェックを利用して目指すものを定義
「S」Specific(具体的)
「M」Measurable(達成できたかどうかを事実で判断する)
「A」Action Oriented(行動に落とせる)
「R」Relevant(意義が明確)
「T」Time-Limited(期限が明確)
以上のチェック項目を満たして全てつながっていることが大事。

今何が問題なのかをクリアにする
アインシュタイン曰く
「問題を見つけることは、それを解くよりもっと本質である」
問題になっていることが解らなければ、先に進めない。

※クリティカルシンキングで問題の特定は一番時間をかけて深掘りするところ。

問題をわかりやすく分解、構造化(なぜ?を繰り返す)していく
起こっている問題に対してなぜ?を4~5回繰り返して分解、絞り込みをする。
2~3回では問題の本質にたどり着けない。

問題の構造とは「ピラミッドストラクチャー」
メリット
一つの選択肢を選ぶと、捨てた選択肢はもう検討しなくていい。
捨てた選択肢の情報収集はしなくていい。

分解のコツ
MECE(ミーシー/Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)
漏れなくダブりなく全体がとらえられている感があること。
※厳密にしすぎると例外などで辻褄が合わなくなる。ほどほどに違和感なくカバーできればOK。

意味のある分け方であること
代表的な基本フレームワーク
・「4C・3C」(カスタマー、カンパニー、コンペティター、チャネル)で戦略づくり
顧客、自社、競合、販売経路
・「4P」(Product、Price、Placement・Place、Promotion)でマーケティング戦略づくり
商品、価格、販売・流通、プロモーション
・「バリューチェーン」で競合と比較しビジネスの成り立ちを分解
調達、製造、販売、メンテナンス
・「マーケティングファネル」で顧客獲得までのプロセスを分解
顧客の自社(商品)に対する認知→理解→検討→購買→リピート
・「7S」(Shared Value、Strategy、Skill、Structure、System、Staff、Style)で組織戦略づくり
共有価値観、戦略、組織能力、組織構造、運営システム、人材、社風・企業文化

※フレームワークは便利だが、頼りすぎると思考の偏りになる。

フレームワーク以外の分け方
相対した考え方で合わせて抜け漏れをなくす(ペアコンセプト)
・数字的な分解と概念的な分解
・アウトプットとインプット
・ウィル(意志)とスキル
・ソフトとハード
・長期と短期

2軸(マトリクス)で分解する
・ウィルスキルマトリクス=社員の意志とスキルの高低
・PPMマトリクス=市場の成長性と自社の競争優位性

※MECEやフレームワークはツール。ただ使うだけでは「で、何が言いたいの?」な状態にならないように注意!!

ただの整理学になっていないかのチェックポイント
①言葉の定義は明確か?
②課題解決に集中すべきはなにか、具体的に判断できるか?
③解決策がアクションレベルですけてみえるか?

※ツール有りき、ツール起点で考えない。
基本は①いつまで、どのくらいまで、何のためを明確にする
  ②目標との差と原因を明確にする
  ③②への対処の根拠を明確にする
「なにか違うな」と思ったら何度も書き出してやり直す。

日本人の今までは「先に目的を決める」という習慣がなかった。
・ライン作業でとにかく目の前の作業をこなす。
・部下が上司の指示に疑問を持つのは生意気。
・言われたことを言われたとおりにやるのが戦略だった時代。
・経済が右肩上がりの時代は、考えなくても手を動かせば結果が出た。
・「阿吽の呼吸」という文化。言わなくてもわかるよね?

※これからの時代は「目標を設定する力」が重要!

打ちて(問題解決策)を考える
①当たり前の答えを考える
②当たり前の対局を考える
③アイディアの深掘りをする(ズームイン)
④発送を広げる(ズームアウト)
⑤目標と照らし合わせての深掘り
目標設定と照らし合わせて、「他の選択肢はないか」と何度も模索する。

※解決策が見つからない=本当の問題がわかっていない時

クリティカルシンキングを身につけるコツ
・とにかくひたすら考え続ける
・考えを書き出すときはPCアプリより大きな紙とペンで自由に(惜しみなく)
・人と壁打ち(議論)
・実際に体感して考える。机上では見えないものもある。(百聞は一見にしかず)


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