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僕が独立思考から脱却した理由。

こんにちは!ROKUMEI COFFEE CO. バリスタのShimoです。
前回書いたテレワークバリスタについて書いた記事をけっこうたくさんの人に読んでもらってすごく嬉しい限りです。

今となっては会社員として、バリスタという職業を成立させるために奮闘している訳ですが、そんな僕も「自分でお店をやりたいなあ」なんて時期がありました。
というかこの職業で、一度も”自分のお店”について考えない人なんていないですよね。笑

ではそんな僕が、独立思考からなぜ脱却したのか。

完結に言うと、目的と手段が明確になったからです。

1.飲食業界に進む決意。

もともと商業高校でバリバリ資格を取りまくって、商業科推薦で大学の商学部に進んだ時点で、僕はバリバリのビジネスマンになるつもりでした。

ビジネスがしたい!というよりかはどちらかというと、自分でお金を稼げるようになっておかないと将来怖いな。となんとなく感じていたことから商売の勉強をする訳だし、就職するにしても起業するにしても稼ぐ力はあった方がいいよな〜って感覚でした。

みんなが安定したいから公務員になりたい。という感覚と似てると思います。

ただ僕は自分の仕事に対するモチベーションも大切な要素として将来を考えていました。
自分で稼げる力をつけてりゃ起業しようが企業に勤めようがやりたいことが出来るという訳です。
これが僕の考える、安定する方法でした。

今思えば、自分が生きるために必要なお金を稼ぐ力が、外部の環境に依存しきってしまうことが怖かったんだと思います。

実際に、この考えは貫いて良かったと強く実感しています。

そして、学生時代アルバイトをしていたピザ屋で色んな出会いがあって(書いてみたら長くなりすぎたので割愛)ある日、オーナーと友人と3人で弾丸山梨旅に出ました。

そこでDILL eat,life. というお店に行きました。

ここでランチを食べたのですが、これが本当に美味しかった!

自然豊かなロケーションに、薪ストーブ、絶品の料理。

美味しかった!なんて言葉では表現できないくらい美味しさが詰まっていて、人生でこれ以上美味しいと感じることがあるのだろうかと思うほど感動しました。

「これはすごい」

この時に自分の中で、飲食という職業へのとてもポジティブなイメージが芽生えました。

ただ、飲食でどこかに就職するというのは、正直NOでした。
特にリサーチもしたわけでも無いのに、飲食業界というだけでどこかネガティブなイメージを持っていたのです。
商社や金融が花形とされる商学部の感覚に完全に染まり切っていたのだと思います。

だから実際に就職するなら、専門商社か興味のあるベンチャー起業。
飲食をするなら、自分で起業しよう。

そんな風に考えていました。

2.挫折とコーヒー業界に進む決意。

過去の記事に同じようなことを書いたので、そのまま引用します。笑

大学3回生になった僕は、授業で出会ったある会社のミッションに心打たれてその会社への就職を目指します。
そのミッションは

「ハッピートライアングル」

お客様・取引先・自分たち、全員がハッピーになるビジネスをすることを掲げている企業でした。
感銘を受けすぎた僕は「絶対にここで働くんだ!」と決意しました。

授業でも積極的に発言し、3回ほどその企業の見学に行き、顔も覚えてもらい、そして落ちました。笑

ダメだったので、就活は辞めました。
正直この時点では、もう起業する気満々だったんですね。

一緒に山梨に行った友人が栄養学部で、料理への興味があったので「お前は美味い飯を作れ、経営は俺がやるから」的な感じで強引に引き込みました。笑

もちろん、彼とは週5で家に遊ぶくらい仲が良かったというのもありますし、お互いの価値観や、やりたいこととその利害が一致したという共通認識はありました。

そして、A film About Coffeeに出会います。


この映画を観て、感じたことは
まさに「ハッピートライアングル」。

スペシャルティコーヒーはバリューチェーン全体に利益をもたらす素晴らしいコーヒーだと言うこと。

たくさん売れば売るほど、みんなが幸せになるコーヒー。

売上

↑当時はこんな感じで考えていました。笑↑


これだ!!と思った僕は、まず初めに大阪のスペシャルティコーヒー専門店にアルバイトとして入社しました。

この時の理由としては、

・スペシャルティコーヒーを取り扱っていたから
・自家焙煎をしていたから
・取り扱うコーヒーの種類が多かったから
・ハンドドリップをしていたから
・エスプレッソマシンがあったから
・募集していたから

くらいなもんです。
こんなズブの素人を雇って下さった前職には感謝しかありませんが、当時の僕はこの条件が揃っていればどのお店でも良かったのだと思います。

この時は、中にいるのにずっと外から見ているような感覚でした。
そこで働くこと、求められることが”自分ごと”じゃなかったんですね。
もちろんそんなことではうまくいくはずもなく...

1年ほどして退社しました。

なんとも、自分勝手な話です...

3.人生の転機。

実際にお店を立ち上げるために自分なりに色々とやってはいたのですが、共同経営を検討していた友人が全然料理を作らないという問題が発生しました(笑)
そして、そのまま白紙になっちゃいました...

そこで、少しですが僕の中に、コーヒーの仕事をこれからもやって行こうかな。という思いが芽生え始めたのです。

実は今の会社に応募する前に、あるコーヒー屋さんの応募を受けて、それに落ちたのですが、この時も結局は独立をするかもしれない。というブレブレな軸を振りかざして見事に撃沈しました。

落ちた瞬間は「なんでこんな完璧なやつを!」とさえ思いましたが。笑

この時には既に、独立=ゴールのような感覚になっていたのです。

でもそこで自分を見つめ直してみようと考えたんです。

その時の自問は鮮明に覚えています。

・まず、なんでお前は店を持ちたいの?→自分でできるから、雇用を生み出したいから。
・なんで自分でやりたいの?→自由だから
・それって自由なの?→確かに、お金の幅も限られるし、人を雇わない=自分の休み=店の休み=収入が減る。
人を雇う=雇用責任が生まれる。1人でやるのと誰かを雇うのじゃ全然違うな。

そう考えると個人事業主って結構きつい。
・そもそもなんでお前はコーヒー屋やりたいの?→スペシャルティコーヒーを売りたいから。
・なんでスペシャルティコーヒーを売りたいの?→みんながハッピーになるから。
・それって自分で店やらないとダメなの?→確かに新規出店するとスケールできないな。出来たとしても数年後だな。

なんて感じで自問自答を繰り返し、行き着いた先は

やっぱり「ハッピートライアングル」でした。

自分でお店するのはただの手段で、目的は「バリューチェーン全体に利益を生み出すこと」ということに気がついたんです。
そこである計算をしてみました。

もし◯円の家賃のところでお店をやったら。
メニューはドリップコーヒーと豆の販売。モーニングとランチもやろうかな。
最初に◯円くらい費用がかかったとして、借入は必要か、不要か。
返済は月◯円くらいかな。
じゃあ固定費は◯円で、販管費は◯%じゃないときついな...
1人雇った場合、2人雇った場合、3人雇った場合...

どう考えても成功するビジョンが浮かびませんでした。
この計算をしたことで浮かび上がったのは、自分にとっては高すぎる損益分岐点自分の生活を1杯500円のコーヒーで支えていくことへの恐怖でした。

そして、競合に負けないような強みも思いつきませんでした。

これでは、僕の目的である「バリューチェーン全体に利益を生み出す」ことができません。

このままじゃ本当の自己満足で終わってしまう。強い危機感を覚えました。

4.真理。

当時は認めたくありませんでしたが、今なら自信を持って言えます。

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なんとなく自分でお店をやった方が楽で、好きにできると思っていただけなのです。

正直、コーヒー業界で独立を夢見る人はこれを見て、ドキッとする人がたくさんいるはずです。

僕はそう気がついてからは行動を変えました。
貯金をするためにと、探していた時給のいい大阪の求人を見るのはやめて、地元の奈良で探し始めました。

自分でお店をしなくても、自分が奈良県の企業の一員となって、その事業を最大化させる方が、自分で事業を立ち上げるという手間を省くことが出来る上に、よりたくさんの雇用と利益を生み出せると考えたのです。

そして奈良のコーヒー屋といえばROKUMEI COFFEE CO.ですね。笑

そこが丁度「幸せの輪」なんてものを掲げていたものですから
速攻履歴書を送ったというわけです。

5.最後に。

今回書いた”独立”は主にコーヒー屋をメインにしたものです。
業界が違えば全く違った実情があると思います。

その中で、独立が悪いこととは言いませんが、自分の力で商売をするということから目を逸らさないでいただきたいのです。

やりたいことをやるだけなら、絶対に休みの日の趣味とする方が楽しくて、お気楽です。

商売を始めたらたくさんの責任を負うことになってきます。
お客様の満足、家賃の支払い、借金の返済、従業員の給料、税金の支払い、自分の生活。

犠牲にしないといけないこともたくさん出てきます。

それでもやらないといけない。そんな使命感をもったお店がたくさんできれば、もっといい業界になりそうですね。

目的と手段。

ぜひ、考えてみてください。



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