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昔まとめた私のおすすめ本

中学生の頃から高校を卒業するまで私は小さなメモ帳を携帯しており、それを日記やネタ帳や備忘録として雑多な内容を書きまくっていました。その中から、高3の時に読書の秋に因んでふと思いついて書き留めたメモをもとに、当時の私が感銘を受けたり好んで読んだりしていた本を紹介します。
インターネットにばかり浸って休日は電車の顔つきで線路際にはびこっている日本語不自由なヲタクの皆様にもぜひ読んでいただきたいです。頭の体操は線路際に立たずとも出来るDENSHA活動の一つですからね(意味不明)



1.山田玲司『非属の才能』(光文社新書,2007)

これを片手に日本中を説いて回りたくなるぐらいの好書。我々が今までどれほどつまらない人生を歩かされていたのか、そしてなりたい自分になる為にはどうすべきかを教えてくれた。筆者があらゆる分野の成功者に取材を重ねる中で気付いた「非属の才能」という概念。定置網にかかって敷かれたレールの上を歩くだけの多数派と、真の自分になれた少数派の違いを論じ、同時に在るべき個人の姿を説いている。思春期の諸君には是非読んで頂きたい。そして子供を持つ親御さんにも是非、一読願いたい。


2.宮脇俊三『終着駅に行ってきます』(河出文庫,2010)

別にこの本でなくても良いんだが、鉄道好き・旅好きには宮脇俊三氏の著書を読んで頂きたい。最低でも3冊。今年で没後20年になるが、当時の筆者の随想の中には今に通じるものがある。合理化に徹底してビジネスマンと富裕層しか相手にしなくなった日本の鉄道はどこへ向かうのか。汽車に揺られて知らない街に向かっていた旅はどう変貌して行くのか。本来の鉄道の在り方とは何なのか。今一度考えさせられる。


3.大阪圭吉『とむらい機関車』(創元推理文庫,2000)

知名度はかなり低い作家だが、この本の種類としては短編小説である。そしてミステリに分類出来ようか。浜松機関区(作中ではH機関庫)で最も人を轢き殺している蒸機機関車D50 444をめぐる鉄道員の苦労や事件の捜査が描かれているが、業界用語・専門用語が適当に使われているのが鉄オタには嬉しい。戦前の作だが、鉄道が舞台の小説はこれが初めてではなかろうか?


4.立松和平『日光』(弁誠出版,2009)

生きるとはどういう事か。生死が混沌とする奥日光を生きる、三つの時代の人間を通して生命の輝きを描く。題名に惹かれたのだが、日光人としては強く勧めたい一冊。また、栃木県生まれの小説家である著者の作品に触れる良い機会にもなろう。


5.小田雅久仁『本にだって雄と雌があります』(新潮文庫,2015)

長編小説。普通に長いけど面白いからかれこれ5回ぐらい読んでいる。平々凡々たる会社員の土井博が、3歳の息子に書物にまつわる一家の歴史を語って聞かせるという構成。親は居れども作者不在の魔性の書物「幻書」、そこに隠された時空を越える秘密とは。ファンタジー的要素が現実世界の隙間に上手く入り込み、本当のような虚構の物語が、ユーモラスな筆致で描かれる。また、作中の登場人物を通して作者の死生観を読み取る事が出来、かなり深い一冊である。


6.梅原淳『JR貨物の魅力を探る本』(河出書房新社,2019)

人が乗れない貨物列車に鉄道ファンは何故惹かれる?そんな疑問に十二分に答え得る本。貨物列車には旅客輸送に無い様々な特徴が秘められている。すっかり下火となった機関車は貨物列車においては未だ健在だし、貨車は運ぶものによって種類が異なる。運行形態や運転技術なども旅客列車とは大きく異なり、貨物列車ならではの悩みというものも多い。現代の貨物列車が直面する問題や貨物列車の未来についても言及しており、この一冊で相当な知識も理解も得られる。頭の柔らかい人なら2回ぐらい読めば7割方解る。
ちなみにこれに興味を持ってくれた身内に貸してから2年半ぐらい経ちますが未だ返してもらえず、内容を半分ぐらい忘れました。


7.鉄道貨物協会「JR貨物時刻表」(年刊)

最後はおまけ。時刻表といっても、少なくともあの数字の羅列がひたすら続く存在ではないから安心して欲しい。言うなれば「貨物列車が解る本」だろう。様々な情報が詰まった巻頭特集、貨物駅や機関車やコンテナの紹介、列車番号や車両の形式の解説、機関車の運用表、そして読者による投稿写真を載せたフォトギャラリーなどなどてんこ盛り。協会が貨物列車の認知度向上の為に作る宣伝書であり業界への入門書でもある。これと先述の『JR貨物の魅力を探る本』と併せれば最強だ。


まとめ


いかがでしょうか。紹介文は基本的に当時のメモからの抜粋なので幼稚な表現もありますが、ちゃんと真面目に読書していた時代の感想なので自信をもっておすすめできます。本を読む事は知識の獲得だけではなく、語彙や表現によって多元的な刺激を与えてくれます。1冊読めばその分だけ世界が広がり、新たな自分に出会う事もできます。だから皆さんも、時々でいいから本を読みましょう。これは紙と文字が発明されて以来、人類の数千年の歴史と共に歩んできた最強の娯楽と言えます。
あと他にもおすすめの本としては、父から貰った浅見光彦シリーズが数冊あります。ちなみに今は、昨年のエリザベス女王崩御をきっかけに買った君塚直隆著『エリザベス女王――史上最長・最強のイギリス君主』(中公新書,2020)を読み進めております。
それ以外にも今まで読んだ中にこれは!と思うものがあったら書き足しておきますね。まずはこの7冊を。

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