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note初投稿です。(自己紹介と私の撮影スタイル、という名の怪文書)

こんにちは、火種です。

はじめましての人はよろしくお願いします。他のSNSから見に来て下さった方はお越しいただきありがとうございます。火種です。インスタではshimo__photographとして、YouTubeではカメムシのアイコンでShimoTubeというチャンネルを運営しています。

筆が乗ってるうちに勢いに任せて書きます。長いのでご了承ください。
ふと思いついたアイディアや意見が消えないように、またそれをフォロワーを始めInternetの不特定多数に共有するためにもTwitterでつぶやいたりインスタのストーリーにのっけてきましたが、ライトなコンテンツを楽しむSNSでヘビーな長文をダラダラ載せるのに気後れしたのでお気持ち表面用にnoteというものをしてみようと思った次第でございます。


私が撮っているもの


皆さんはSL大樹をご存知でしょうか?
栃木県日光市を走る東武鉄道のSL列車です。2017年から運行を開始し、今年で5年目になるんですがSLを3両保有していて全国的にも注目を集めています。その3両目のSLであるC11 123が先日お披露目されまして、7月18日の営業運転開始に向けていよいよ本格的に動き出した、という話題でひとしきり東武やSLファンが盛り上がりました。

私は日光に生まれ育ち、実家を離れて大学生活をしている現在も定期的に大樹を撮りに鬼怒川線沿線に通っています。
一言で言うと私は写真が趣味です。物心ついた時には既に写真というコンテンツの面白さに気付いていました。父親が趣味で写真を撮っており、環境はかなり整っていたのです。
そして、そこから派生して鉄道写真が好きになりました。まあ撮り鉄です。
あ、江ノ電ニキの事は今は置いといてください。

男子なら一度は鉄道に関心を示した事があると思いますが、私は人一倍電車が大好きな子でした。世界遺産を擁する国際観光都市という土地柄、JR日光線には神奈川方面から修学旅行の小学生を乗せた183系や189系が来るし東武には浅草から快適な座席と贅沢な個室を備えたスペーシアが来るし、親戚の家の近くには東北本線が通りEF65やEH500が牽引する貨物列車が行き来するのを目の当たりにして、思えば私の人生はその時点で狂い始めていたのでしょう。とどめは幼稚園児の頃に家族旅行で行った鎌倉の地で出会った江ノ電でした。一時期離れたものの、中学生になってから始めたカメラを持って好んで写すのは鉄道でした。そこからはひたすら奈落の趣味にズルズルとハマっていき今に至ります。
SL大樹こそがそんな私の現在の主な被写体で、生涯かけて追いかけていこうと思っています。

不人気


いやこんな事を言いたいのではありません。ここまでは前提です。
ありがたい事に趣味の仲間には恵まれて相当充実しています、ネタに誘ってくださったり車に便乗させてくださったりしますし、有名な方々とも顔見知り程度にはなれています。
しかし私と一緒にSL大樹を真剣に撮る人ってあまりいないんですよね。知り合いが鬼怒川線に来る事はあっても、6050系とか253系とか私からすれば脇役をメインディッシュにするような人ばかりで。ダイヤ改正で6050系が定期運用を終えるとめっきり来なくなりました。3月中旬までは主要な撮影地に行って耳にするのは6050系をメインターゲットに据えた会話。別に彼等を否定はしませんし私自身6050系や253系や100系にもそれぞれの魅力を感じていますが、少なくとも彼等にとってSLは決して主役になり得ない。代わりにいつもSL撮影で会う面々の中で私は圧倒的最年少。周りはもれなく爺さんです。そうSL爺。ああ勿論SLを真剣に撮る若年層もたくさん居ますよ、次世代SL爺なんて言ってね。知り合いにも数名居りますよ。
しかし彼等は口をそろえて言います、真岡の方が良いってね。大樹はSL撮影における重要なモノがいくつも欠落しているとも。
まあそこまではっきり言われた事はありませんが、似たような言説で大樹を敬遠している人は多いです。
ちょっと前にSL大樹が激パしない理由をもっともらしく分析した東洋経済オンラインの記事が出回りました。ここでは毎日運行によって鉄を分散させる事に成功しているとか書かれていました。でもぶっちゃけ本質は違うと思います。

割とこれがバズって界隈の内外である事ない事議論されましたが、荒れないのは単に多くの撮り鉄がSL大樹に魅力を感じないからです。
良いショバが少ないし煙はほっとんど出ないし機関車と客車の組み合わせが微妙だし中間展望車を繋げて見映えが悪化したし高頻度で派手なHMを掲げるし、なにより架線下だからです。
SLは煙を沢山吐かないと映えない価値ないつまらない。ロケーションの良いショバがなければ行く気にならない。外見には国鉄時代の面影を感じる事が出来なければならない。徳川家の家紋をあしらって配置された三つの動輪を背景に地元の書道家が揮毫した「大樹」の文字を掲げ、青かった14系を茶色く塗って中間に12系改造の展望車を繋いでしまって、そんな列車が架線柱のスパンが短く両側ポールだらけのたかだか12.4kmを往復するだけとなれば、いくら駅舎をレトロに改造して転車台を見やすいように整備したところで多数派の食指が動くわけがないのです。その結果SLそのものを好むお爺ちゃんと純粋な眼差しのお子様と、東武特急で浅草からダイレクトアクセスできる便利さに惹かれた観光客ばかりが集まって来るんです。バリ鉄の中にはたまに鬼怒川線を訪れて私より遥かに素晴らしい作品を残していく方々もいらっしゃいますけどね。あの人もあの人もあの人も。でも鬼怒川線は彼等の主戦場ではない。

わかっているんです、自分の「専攻」する被写体が他から疎まれている事ぐらい。周りの反応見れば明らかですよ。そりゃ同じ栃木県ならより好条件な真岡鐵道に行きたがりますよ、他県から来る人なら尚更だ。あっちは単線非電化だし煙はよく出るし沿線風景も素晴らしいし客車もレトロで機関車とよくマッチしている。私も日光市民でなければ真岡鐵道撮ってたと思いますよ。身近にそんな魅力的な線区がありSL列車が煙を沢山吐いて走ってたら絶対通いますよ。ええ。


みんなが撮らないからこそ


じゃあ私がなぜ真岡ではなく東武のSLを撮っているのかって、それを正確に言語化できる自信はありません。少なくとも単に家の近くだからというだけではありません。まあ自分が住んでいる日光市内をSLという古典的な車両が走っているからこそ遠くのネタにばかり目を向けてないで真正面から向き合って真剣に撮って行こうと思っているのは確かですが所詮そんなのは後付けの理由に過ぎません。
いま一度私の原点に立ち返って考えてみると、私は写真が好きで撮り鉄しているのであってそれは「鉄道が好き」とは無関係な所から始まりました。確かに鉄道に熱中していた時期はありますが、小学校に上がるまでにそれは途絶えていて、写真趣味がスタートしてから偶然にも昔好きだったモノに情熱を注いでいるのが現状。そして今は電車以外にも、昆虫やスポーツや人物だって撮ってて楽しいと思うし、かつ自分の手で撮られたものでなければ嬉しくないと感じる節もあるので根っこは写真趣味なんですよ。動くモノを撮る楽しさは撮り鉄に限らず多くのカメラマンがお分かりかと思います。その対象として電車が選ばれたのは勿論昔の記憶も関係していますが、やっぱり偶然じゃないかと思っています。

SL大樹の公式サイトを見てみます。「日光・鬼怒川エリアの大自然。訪れる人々を迎える季節ごとに移り替わる風景」「車窓から外を眺めていると手を振る地域の人たち。手を振り返して、楽しむ。つかの間のあたたかい交流」。そうした「素敵な時間」を届ける存在がSL大樹。「日光・鬼怒川エリアの自然・歴史・人の温もりなど、地域の想いを乗せて走ります。」そしてこれは東武鉄道の一大プロジェクトの賜物。「『鉄道産業文化遺産の保存と活用』と日光・鬼怒川エリアを中心とした新たな『地域の観光活力創出』」を目指して始まったのです。言うなれば東武鉄道や日光市にとってSL大樹は一つの重要な観光資源。鉄道ファンよりももっと大きな層を相手にしているのです。現役時代っぽさを醸し出す事が次世代SL爺のステータスだとしたら、観光資源たるSL大樹はそこに訴えかける要素に欠けて撮っても楽しくないのは当然の事かもしれません。
しかし、私にとって東武鉄道の掲げるコンセプトは興味深いものでした。日光は世界遺産や国立公園、温泉街があるとはいえ人口減少・少子高齢化が進んでいます。おまけに栃木県は毎回のように都道府県別魅力度ランキングで最下位争いするほどの地味な県。東武鉄道のSL復活運転はそんな栃木・日光の新たなハイライトを生み、地元にまた違った空気が漂うかもしれない。そして実際そうなっています。新しい風が吹いたような気がしました。

毎週のように沿線に通っていると、コロナ禍であってもSL大樹のおかげで日光は幾分か活気づいているのを肌で感じています。それこそSL大樹が「日光・鬼怒川エリアの自然・歴史・人の温もりなど、地域の想いを乗せて走」っているのだと。そして私はそれを写真で伝えたいと考えています。あわよくば私の写真でSL大樹に魅力を感じてくれたら良いな、とも。だからこそ四季折々の表情は勿論、様々なイベントでコラボする珍しい装いも撮るし、客車を改造したり機関車を増やしたりしてプロジェクトが進んでいく様子も見届けたい。東武が掲げるゴールは「日光・鬼怒川エリアの活性化」そして「東北復興支援の一助」です。東武鬼怒川線は野岩鉄道・会津鉄道と繋がり福島県へと線路が続いています。SLが2両になって約10ヶ月後には重連での営業運転にこぎつけ、年明けにDE10牽引で団体臨時列車が会津田島まで走りました。そして今回の3両目のSL。これからもどんどん新しい風を吹かせていく事でしょう。私はそんなSL大樹が好きです。


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