成績の悪い生徒でも,自主学習で伸びる生徒と伸びない生徒を分ける唯一の能力についての考察
結論
・日本語力(読解力)があれば成績は割と簡単に伸びる。
・日本語力(読解力)がないと,特殊な例をのぞいては成績の向上はほぼ不可能である。
・受験とかおいといていいから読書した方がよくね?
背景とこれまでの生徒の様子
先日にも少し書きましたが,塾講を数年間やっているので,これまでに生徒をそこそこの人数見させてもらってきました。
私が所属しているのは「自学自習を徹底する,そのやり方を覚えて実践する」というのをメインにしている塾になります。(他にないので,どこかわかりそう笑)
で,塾講師をしていると最初の数週間,指導の回数でいくと2,3回で,大体その生徒さんがどのくらい伸びそうか見当がつきます。
たった数回なのに何故ある程度判断できてしまうのか。
それは,質問の仕方や話の内容において,「参考書にどんなことが書いてあって,自分でどこまでわかってどこからわからないのか」を適切に話せる生徒かどうかがわかってしまうからです。
正直,その時点で,模試などの成績が悪くても,最終的には余程無謀な計画でなければ,淡々と成績を上げて目標校に合格できます。(してきました)
一方,入塾時点ではある程度の成績はとれていて前者の生徒より,点数が高い生徒さんであっても,一年後の受験の結果は,目標としていたところに到達できず結果としては不合格になってしまう例も珍しくありません。この場合は,小手先の暗記ものであったり,教えられたことはできる,以上。という生徒さんに当てはまります。
自ら学習して理解吸収できない場合を指します。
両者を隔ているのは
両者を隔ているのは,日本語力,言い換えると読解力ではないかと結論付けました。
(ここでいう日本語力は,多くの生徒さんが他言語に比較して日本語の方が使えると判断しているためで,必ずしも「日本語」である必要はありません。つまり,理解できるのであれば言語は問いません)
要は,「書かれている文字を読んで,上から順に理解し,どこまで理解でき,どこから理解できないのか」を表現できるかどうかが肝です。
「じゃあ結局,勉強時間を確保しても上から読んでいって理解する力がないといくら勉強してもダメってことですか?」
講師の方に聞かれました。
「残念ながらそうだと思います」と私は答えました。
別にここに当てはまった生徒が「ダメな生徒で志望校の合格は無理」という気は全くありません。
ただ,自主的に学習を進める上で自分である程度理解していく力は必須ですし,どんな教科でも日本語で説明されている以上,日本語が適切に上から順に理解できないのでは,結果が出ないのは当然じゃないかとおもうんです。
さらには受験後全く生かされない能力だけつくのではないかと思ってしまいます。
受験勉強をしつつ,きちんと日本語を理解する力をつけていかないと小手先で解ける問題しか解けるようにならないばかりか,受験後大学に入ってから結局苦労することになるよということを伝えたいんです。
むしろ逆パターン
なんなら受験勉強なんて程々にして,読解力がある程度着くまでは受験科目なんて無視して読解力つけるのに手っ取り早い,読書をしてればいいんじゃないかとすら思っています。
結局受験は一過性のものだし,(もちろん中には入学後も学問ですから活用されていく知識もあるでしょう。それはそうとして)多くの科目は直接役には立ちません。
薬学の勉強の際に,漢文が読めなくて勉強がストップすることはありませんでした。し,今後も漢文のせいで薬学の勉強に支障が出ることはないでしょう。漢文ができないことは薬学部にはきずにならないんです。
でも,日本語はどうでしょう。
・添付文書を適切に理解できない
・数多くの薬剤の知識を勉強し理解するのに苦労する
考えるだけで恐ろしいしビハインドになるのは目に見えています。
おそらく他の学部でも同じでしょう。特に学部1・2年のうちは,基本的な内容を学ぶ,という意味で分厚い専門書が指定されるでしょうが,和訳されているなら日本語です。
日本語が適切に理解できないなら内容を理解できるはずがありませんし,受験の時みたいに懇切丁寧に動画にして教えてくれる人もいないでしょう。(てか,いるレベルのところにつまずくなら卒業研究とか果たしてできるんでしょうか。)
今更だけど,なんでこんなこと書いているのか
私自身の実体験と見てきた事実込みの内容を書いています。
なぜこんなことを書いているか,それは,塾で講師をしている以上,生徒さんの人生に関わっているので,生徒さんには受験で視野狭窄になって欲しくないなと常々思っているからです。
受験を通して多くのことを学ぶのには意味があることではありますが,そこでスコアリングしてあたかも能力の序列かのようにして合否を決める(残念な)システムに必要以上に神経を削る必要はないんじゃないか,と言いたいからです。
これから受験を迎える生徒さんには精一杯勉強の成果をはっきして欲しいと思うと共に,進学する大学が決まった後も勉強を続けて欲しいな,と思っています。
脱線しましたが
結論をまとめなおします。
・自習をするためには日本語力が必要
・日本語力(読解力)があれば今の成績は関係ない,上がっていくよ
・逆に日本語力がないと,伸びにくいし,大学進学後も苦労するよ
以上です。
長くなりましたが,最後まで読んでくださりありがとうございました。
* 教育学とかそういうのを学んだわけではない,素人の感想であることをご理解ください。
*2 もうすぐ受験の皆さん,ぜひ成果を発揮してきてください。
合格できなくても,日本語力があればorこれから身につければその後の長い人生でどうにでもなる,と信じています。
自己紹介
最後までお読みいただきありがとうございます。よろしければサポートしていただけたら幸いです。薬剤師国家試験や大学院での研究を継続するための勉強代に充てさせていただきます!