長編連載小説『カフェ』第10話。
料理が出来て、佐紀が、振舞った。カウンターには、料理とコーヒーが並んでいる。俺も、こういったシチュエーションで食べる事はあまりない。でも、良い。実際、仕事などがあっても、現実逃避する事が多い。元々、オフィスに缶詰めになる事に、抵抗があるのだ。
「島本さん、食事は美味しく食べないと」
佐紀は、いろんな意味で、面倒見が良い店主だ。俺はそれに魅かれている。実際、50絡みと言っても、良いマダムである。
「佐紀さん、30年もバリスタやってて、慣れた?」
俺がそう訊くと、佐