大道洋子

「詩」と言えるかどうかわかりませんが、その時その時、自分が自分に語りかけている言葉たち…

大道洋子

「詩」と言えるかどうかわかりませんが、その時その時、自分が自分に語りかけている言葉たちを、スケッチをするように言葉で書き留めてみようと思います。人はいかに生きるべきかを不器用ながら求めてきました。イラストも描いています。

最近の記事

キリがない

あースッキリ! と思ったのも束の間 洗濯物は毎日溜まる 掃除したはしから散らかる ゴミもたまる わかったぞ! と少し悟った気分になったのも束の間 また見事に迷い始める あれ?昨日の悟りはどこに やったぞ! と誇らしく思えた仕事も 次の日には色褪せて見えてくる とにかく 何もかんもキリがない 人生なんてキリがない 成功という 幸せという キリのない幻想ゲームにも 終わりはない キリがない 死ぬまでキリがない しかし 人生には死という キリがある 生という キリ

    • 菩薩の世界

      あの人はあの色の衣をもらい あの性格で成功しようと 修行している菩薩様 あの人はあの身体と あの境遇で人に希望を与える 修行をしている菩薩 あの人はあの能力とあの天分で 仕事の使命を背負い 修行している菩薩様 あの人は愛をもっと深く知るため あの不自由さを選んで 修行している菩薩様 ああ それなのにそれなのに 私はうっかりすると あの衣の色は好きでないとか あの態度はあるまじきとか ああ なんと分別くさいことよ 分別のせいで ずいぶん損をした 分別外せば みんな

      • たったひとりの客のために

        人はそれぞれ 自分にしか歌えない『うた』がある 誰がその『うた』を聞くのか 心から聞く客はひとりしかいない 他の客は 聞いているようで聞いてやしない だからまず たったひとりの自分という客のために 歌い始めるのだ 音程が外れていても 風体が悪くても 良いではないか まず歌い始めよう そうすれば あなたの歌は 壁から漏れて 誰かが聞くかも知れない そして小さなハーモニーが産まれ広がるかもしれない また誰も聞かないかも知れない 生きている間は 一枚の絵も売れなか

        • “ただ”のおまじない

          ただお茶碗を洗う ただ掃除をする ただ洗濯物を干す ただ仕事をする すべきことをし 話すべきことを話し 動くべきことを動き   ただ手紙を書き ただメールをし 物語にしない ただ坐り ただ祈る 怠け心も迷いも 計らいも思惑も 『ただ』の中に放り込む 『ただ』は、 日常を すっすっすっと動くおまじない 『ただ』は 瞬間瞬間 創造的に生きることだ きがつけばあれこれ考えてしまう癖に気づく。失敗や成功や人からの承認にとらわれるのは仕方がない。が、様々な思いを「ただするだ

        キリがない

          世界はわたしのためにある

          世界は私のためにある 目の前の食べ物も 身を包む衣服も 共に暮らす家族も 花々も木も あの人が微笑むのも テレビから流れる心震える歌も 空に登る太陽も 見上げればそこにある月も 雨も風も みんな私のためにそこにある 会いたくないイヤな人も あなたに愚痴をこぼす人も 許せない人も みんな私のためにいてくれる 思うようにいかない仕事も 逃げたいような出来事も 混乱してしてしまいそうな境遇も 私のためにある なぜそうわかるかと言うと 振り返ってみたときそうだったとわかるか

          世界はわたしのためにある

          大事にせんといけん

          その身体は預かりもんじゃ その顔も手も足も あんたのもんじゃない もちろん頭の中の脳だってあんたのもんじゃない だから大事にせんといけん 好きだとか嫌いだとか 文句をいう前に 自分のものでない ということを忘れとる 体はあんたの心の声をいつも聞いとる あなたが苦しめば 身体も苦しんどる 腹をたてれば体は自分を攻撃しはじめる 身体と心を痛ましむることなかれじゃ 粗末に扱うなや 全部あんた次第じゃ 顔だってあんたのもんじゃない 選んだ覚えはなかろうが    だから

          大事にせんといけん

          人生は

          人生は厳しい父のようだ 隠し事は必ずバレてしまう そして こっぴどく叱られる 人生は優しい母のようだ 怖がることはないよと 背後から囁き 背中をそっと押してくれる 人生は先生のようだ 全ての答えを持っていて わからないことを問えば 人生が自ずから答える 人生は友のようだ 先を見失い座り込んで嘆く時も ただ泣くしかできない時も もの言わず一緒にいてくれる 人生は子どものようだ 笑い 泣き ひたすら親を探し求めながら 歩き続ける 人生は愛しい恋人のようだ 思うようになら

          お母さん

          お母さん あなたが 幼い私を残して去ったことを 決して後悔することがないように 自らを悔いて責めることがないように 私は生きたい 私に出来る供養はそれしかないのだから 母は私が6歳になる前の、夏の暑い日に亡くなりました。 私の手元には、一枚母の写真があるだけですが、その母の笑顔を曇らせないように生きるには、私が生きることを楽しむことかなと思うこの頃。 でもね、「生きることを楽しむ」ということは、なかなか奥深うございます。

          お母さん

          手にいれて 失って

          自分が 欲しいと思っていたものを 手にいれてみたら 新車も お金も 愛も ステキな服も 手にいれたその喜びは いつか褪せていく 人からの称賛も 出世も 名誉も その満足は 時間とともに汚れていく 手にいれたかったものが 本当は何だったのか 手にいれてみてわかる     それでも手にいれることは 喜びに違いない ただし、 手に入れたら 手に入れたものに縛られぬように ご用心 また 手放してみたら 失ってみたら わかる真実がある 手に入れるより 手にないことのほ

          手にいれて 失って

          涙のわけは

          小さなころは 大人が注目してくれることを知って 泣いていた 小学生の頃の涙は 弱虫の私が 生きぬくために必要な友だちだった 思春期の涙は 自分で自分を傷つけた後の 絆創膏のようだった 母になってからは 思うようにならない腹立たしさに 密かにぬぐう涙だった 独りになって生きねばならない時は 混乱し恐怖に慄いて涙した 自分の不器用さに 無力さに非力さに 自分のつまらなさに たくさんたくさん 嘆きの涙を流した 振り返れば そんな自分が生きてこれたことの 不思議に驚く  

          涙のわけは

          花が咲くときは

          花は咲こうと思って花開いたのではない 「自然」が熟して自ずと花開いた しかし私たちは時に 自分の力で 花開こうとして頑張る だが 寒い時節 じっとしているべき時に 花は咲かない 栄養を根に蓄えるべき時も 花は咲かない 茎や葉にエネルギーを注ぐべき時も 花は咲かない 暖かくなるのを待っているつぼみの時も まだ花は咲かない 花開く時は 全宇宙の 咲かずにはおれない働きが働いて 自ずと花は咲く だからあなたも 寒い時を耐え 根を張る時があるのだと知り 花を無理矢理咲か

          花が咲くときは

          時は慈悲

          時は すべてを含む種子 時は 変容を促す優しさ 時は 忍耐し待つ愛 時は 産みだすための触媒 時は 成長結実させていくエネルギー 時は すべてを無に帰す空 時は 愚かさも賢さも同じくし 許し 余計なものを剥ぎ取り 無邪気さへ真実へと向かわせる 時は 慈悲

          時は慈悲

          そのままで来い!

          そのままで来い! そのままで来い! こんな有り難いことがあるだろうか ダメで良い いい加減なやつでも良い しょうもないやつでも良い  不器用で良い 怠け者でも良い って言ってくれる 阿弥陀さまは そんな出来の悪いやつほどかわいくて そういう人にこそ手を差し伸べると おっしゃってくださってるそうだ そのままで来い! そう、言われるなら その懐に そのままで行け! そのままで行け!

          そのままで来い!

          未来のご先祖様

          ご先祖様のおかげで 私たちはこうした豊かさの中に生きている だから自分のご先祖様に 思いを馳せて感謝をする だけど それだけでは足りない 遠い縄文の時代から今に至るまで 生き抜いてきた人たちは みんな私たちのご先祖様だ 世界一天災の多いこの国で そして 常に国を外国の侵略から守るために 国を守ってくれた人たちがいたので 一度も侵略されることなく 日本の文化や伝統が この国の資産となった 多くの指導者たちが また名もなき人が 真摯に生きることに向き合って 伝えてき

          未来のご先祖様

          結婚したい

          昔ある時 息子が 俺は独りでいたらダメになる だから結婚したい と言った 何事にも流されやすい息子の 精一杯の選択に 私は涙でうなづいた 今は2人の娘の良き父親である ところで 私も結婚したい 独りでいると 私もいろいろなものに 流されるから 迷うから さて どなたと結婚しようか 阿弥陀様 観世音菩薩様 天照大神もいらっしゃる はてさて どうしたものか… と迷う まどろみの今朝であった

          結婚したい

          この世界はすごいと思う

          どんな大きな災害や天災があっても 時とともにいつの間にか修復されている 人間の力はすごいと思う 人間が汚染した山や川も人が少し手を貸すだけで 元に戻る 自然はすごいと思う どんなに心が病んで死にたいほど苦しんだとしても 年月が経てばそれらは「感謝」に変わる 人生てすごいと思う 地球はかって隕石が落ちてきたり 生命が絶滅するような地殻変動があったりもしたのに こうして多種多様の「命」に溢れている  地球はなんとすごいんだろう 悠久の時の中で 生と死と再生を繰り返

          この世界はすごいと思う