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ひび

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2021年12月の記事一覧

締めくくり

今日で、今年の舞台は全て終わった。最後の締めくくりは『おれたちの舞台Ⅸ』。イメージがそれなりに形になったので、もう当分はやらないと思う。思えば、今年の始めにやった『拓巳』、それが非常に痺れるような最高のライヴで、個人的には今年一番笑った記憶があるのだが、今夜の『おれたち』はそれを超えるか超えないか、ともかく素晴らしいライヴが最後に出来た。出演者とお客とスタッフと、何より主催者のおれのお陰である。

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シビア犬

今年が終わってしまう前に、きみともう一度空を飛びたい。二人でわたがし雲を食べながら、なんて事無い冗談を飛ばし合って、くすくすしたい。けれども現実はシビアだから、そうはいかぬ。明日は一人でコンサートをするから、ギターの弦でも替えとこかと思って作業していたら、弦を留めるブリッジのピンが壊れて外れた。穴の中でバキッと折れてしまって、簡潔に言うと最悪、どうしようもない。歌詞も覚えなければならぬ、他にもやる

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真顔

とにかく、今よりももっと面白くならねばならない。有無を言わさぬ面白さが必要だ。私は、面白いことや、楽しいこと、ふざけたこと、どうしようもないこと、無意味なこと、最低なこと、が堪らなく好きなのだと思う。だから、本当のことを言うと、労働も仕事も一切やりたくない。一秒足りとも働きたくない。無意味な遊びに神経を注いで、稼いだ小金を無駄に使いたい。さて、この資本主義社会で、一体どうすればそんなことが可能なの

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シャンデリア

今年は、国からの協力金を貰えたお陰で、我が店も潰れずに済んだ。国に感謝しなければならない。何度かの申請で、ちょっと貰い過ぎちゃうかな、というほどに金が貰えたのだが、実はこれらの協力金は全て課税対象で、来年の確定申告でごっそり持っていかれるという。噂によると3割4割ほどは所得税となるらしい。だから飲食店はこぞって改装したり設備を新たにしたり、今年のうちに経費として散財するのが良い、といったグレーな話

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カッコー

『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』というレコードを出したのは、早川義夫である。表題となる曲は無く、歌詞に出てくるフレーズでも無い。アルバムのタイトルになっているだけのこの言葉は、何となく意味が分かりそうで分からないが、でも、何となく感じるものはある。

かっこいいこと、とは何だろうか。ひとつは、世間的にかっこいいとされていること。もうひとつは、自分自身でかっこいいと思っていること。誰にで

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自分が19歳の暗黒大学生だった頃、エレファントカシマシのライヴを一人で見に行った。確か、なんばHatchだったと思う。アンコールで、宮本がまだ未完成の新曲を弾き語りでやっていて、それが『俺たちの明日』という曲だった。あの曲はキーがEなのだが、そのライヴのときはCだったのを覚えている。つまり、今よりもかなり低い音程で歌っていたのだ。宮本は譜面台でノートのようなものを見ながら、歌詞もつい最近書きました

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社会と言葉

自分はきっと自分の人生についてきちんとマトモに考えたことが無い。そのうち死ぬのだから、それまで自分や周りの大切な人たちがそれなりに幸せな感じでやっていけたら素晴らしいじゃん、くらいにしか思わない。すっかり大人のくせに、まるで情けない人間である。自分の人生についてマトモに考えもせぬ奴が、世の中やこの国の行く先について真剣に考えたことなど、あるわけが無い。昔、友達に、お前は今まで会った人間の中で一番社

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こんこん

雪やこんこん、と家の外から聞こえてきて、目が覚めた冬です。犬は喜び庭駆け回り猫はコタツで丸くなる、とはよく言ったものである。冬の情景も内面性も匂いも全てがこの歌詞に込められている。それで言うと、雪やこんこん、では無く、雪やこんこ、だったような気もする。だけど歌うときは、こんこん、と誰しもが言う。こんこん、が何かは分からぬが、何となく白い雪が降り積もっていくようなイメージ。それにしても、うるさい。さ

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第7回筆談ラジオ

あなたの小鼻をぎゅっとラヴ、ヤング嶋仲です。この番組は言葉を話し書くラジオ、一度打ち込んだ文字は消さず直さず、タイピングし続けます。筆談ラジオを楽しみにしている読者はどのくらいいるのでしょう。おそらく、そんなにいないと思います。あれば読む、くらいの感覚でしょう。私も同じく、楽しみとかでは無く、月末やから書かなあかん、みたいな感覚になっております。お互い適度に楽しみつつ、日常へ戻り、また月末に会いま

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