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自然農的、お米の付加価値について

自然農に沿ったかたちでお米を育てると、なかなかそれを売ろうという気持ちにならなくなる。あまりにも大変過ぎて貨幣に変換しようとする気になれないし、その情熱その労力に対する日本銀行券の数字を決めかねる。

どの工程が重要でどのくらいの違いなのか、その違いは味に影響するのか、栄養価が変わるのか、それとも物語がプラスされるのか…

田んぼの履歴

一般的には3年で土の状態が変わるといわれている。慣行農法で農薬・化学肥料・除草剤・牛ふんなどの堆肥を使用している田んぼを3年間それらを使用せずに栽培すると、残留農薬などが浄化され土は本来の姿に戻ってくるらしい。

よって自然農法米を謳っているお米が作られた田んぼは3年間できれば5年間以上農薬・化学肥料・除草剤・堆肥を使用していないか、これがポイント。

不耕起について

田んぼをトラクターで全面的に耕すことをしない、これを不耕起という。耕起するか、耕起しないか、この違いがちょっとめんどい。

自然農的な考えでいくと、耕さないことは最も重要で耕してしまうとそれはもう自然農とは言えない、そのぐらい大切で基本中の基本。なぜなら、耕さないことでそこに住む微生物などの環境を破壊しないので、土が自ら肥沃になっていく。それにより、肥料を施す必要がなくなり、結果虫も付かなくなり、農薬の必要もなくなる。よって、耕さないことがすべての始まりになる。

ただ、耕しても有機・化学問わず肥料無しで栽培収穫している人もいる。特に田んぼは耕して無肥料が結構いる、木村秋則の自然栽培などがそれ。自然農の理屈に反するが、たぶん田んぼは水を張るので水自体に養分が含まれているため厳密に不耕起でなくともいけるのかなぁと、実際いけてる。

ただし、動画をみると木村さんも軽く荒く一回だけトラクターで引くと言っているので、まぁ基本的には耕さないほうがいいのだろう。普通の田植え機を使うのにやむを得ず耕すしかないのかな。トラクターで耕さなくても、田植え前に田車で表面を拡散する人もいるが、それも田植えをしやすくするためで、基本的にはなにもしないほうが良いのだろう。

ちなみに岩澤信夫の冬季湛水・冬水田んぼをする人たちは不耕起田んぼ専用の爪を改良した田植え機を使用している。早くから水を張ることで不耕起でもある程度土が軟らかくなり改良型の田植え機で田植えができる。最も大切な不耕起を保ちながら田植え機を使用している、最強かな。

よって、不耕起である、もしくは半耕起である、もしくは表面を拡散しただけであるか、これがポイント。

自家採取の種

慣行農法のお米作りをしている農家は苗を農協などから購入しているところと、自ら収穫したお米を籾のまま保管しておき翌年その籾を蒔き自分で苗だてしているところがある、後者が自家採取だ。

一般的に種は3年でそこの土に馴染むといわれている。よって自然農法米を謳っているお米は自ら苗だてをしている必要があり、かつ3年以上連続で自家採取の種籾を繋いでいるか、これがポイント。

天日干しで乾燥

慣行農法では収穫のさいコンバインを使用している。コンバインは刈り取りして脱穀までを一気に行う。そして脱穀された籾を乾燥機にいれ乾燥させる。

自然農では、手刈りまたはバインダーでの刈り取りで脱穀までを一気にやらず、藁がついたまま刈り取りそれを縛って稲架に掛けて天日で干して乾燥させる。その後、足踏み脱穀機またはハーベスタで脱穀をする。

違いは明確で、食味がまったく変わってくる。藁についたまま干すことで乾燥中に藁から籾へと栄養がいくらしい。そして天日でじっくり乾燥させるため、お米自身が自らの水分量を調節するので最適な状態になる。

よって、天日干しであるかどうか、これがポイント。

都度籾すり・精米

やはり籾すりしたてが美味しい、白米で食べるなら籾すり・精米したてが美味しい。特に梅雨をこえると、籾のまま保管しておいたお米と玄米で保管しておいたお米は味がぜんぜん違う。

都度籾すり、都度精米かどうか、これがポイント。

機械を使わない

これはあまり関係ない。物語が追加されるくらいだ。なにも手植えしなくても田植え機を使えばいいし、なにも手刈りしなくてもバインダーを使えばいい。ようは自家採取した種を不耕起の田んぼで育て収穫したら天日干しすればいいのだ。

まぁ一応、機械を使用しなければ機械を作る必要はないので、その分地球環境に優しい。燃料もいらないので石油を掘る・運ぶ・燃やすをする必要はないので、その分地球環境に優しい。機械を田畑の上を走らせると、その重量で地下に硬い岩盤層のようなものができるらしい、これがなくなる。機械熱を通さないと稲にもともといる菌がそのまま存在できる。などなどがある、まぁどれも大切なことだ。

自然農的な最高のお米

無肥料無農薬で5年以上の田んぼ

不耕起栽培である

自家採取して3年以上

天日干し

都度籾すり、精米

まぁ、こんな感じかな。自然農法米と言って販売しているお米は上記のことを守りながら、機械化できるところはすべて機械を使用してお米を作っていて、価格帯は10kg=5000円~15000円くらいだ。安くなると天日干し無しで高いと天日干しあり。

ちなみに私のお米は、10年無農薬無肥料の田んぼで4年間不耕起、自家採取2年目。稲苗代で、手植えの手刈りの天日干し、足踏み脱穀機のとうみ、籾すりだけ機械を使用している。かなり自然農に忠実なお米作りをしている。

これでは大した収量をあげることができない、販売したところで大した金額にならないので、親しい人たちに感謝の気持ちを込めて配るくらいだ。


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