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瀬戸内にて、トリプル・アート祭②

瀬戸内の島々から岡山へ。西に東にアート三昧!
西の島はなぜか10/19がお休みとのことで、その日を利用して岡山へ。

5日目 岡山芸術交流

丸亀駅から、特急に乗れば、岡山は1時間ほどで着いてしまう距離。
テレビで見ていても、香川と岡山は海を挟んでも「一つの文化圏」扱いなのが、驚きだった。

期せずしてアンパンマン列車で行きます!なんか嬉しい。
岡山:市電城下駅からぶらぶらあること、えらいレトロな建物発見。禁酒会館ですと。
室内には素敵看板!いいロゴですなあ。禁酒はしないけど。


岡山交流芸術、HPの作りをもう少し工夫して欲しいなー。
展示会場がぎゅっと詰まっているのはありがたいけど、どんな作品がどこにあるのか?というのがわかりにくいし、こうやって後から振り返るときも、アーチスト名、作品名を探しにくく、さらに名前、作品名のコピーもできない作りに至っては、ちょっと意地悪。誰得だ!?

小学校の体育館の滑り台(曽根裕)、滑りました。階段に足をぶつけてイタタ!
人間の殻だけ!これはちょっと面白かった。「緑の教室」
プールの中で、巨大クマのぬいぐるみが死んでいる。なぜパンツを履かせた!なんかやだーー!
RSK山陽放送ビルの壁面にTAROさん発見!
古代オリエント博物館では円空仏とエジプシャ〜ンがコラボ!


猪熊源一郎美術館

丸亀駅って、降りるといきなり美術館ですよ。なんてナイスな駅前!

美術館の前はオープンスペース。ここの子供達羨ましい!雨の日も美術館広場で遊べるよ。
絵:空間が贅沢!天井付近の採光窓なんかがとても素敵。
この絵がなんだかよかったな。渋いおっさんがPOPな色の中でタバコ吸ってる。

6日目 瀬戸芸:本島

島に渡る前の本島フェリー待合所が愛に満ちていた。
これ、観光案内所に詰めているおばさんが心を込めて書いたものです!

船が出るとき、案内所の皆さんが一斉に旗を振って送ってくださったのが泣けそうになった!


一番みたかった船。晴天の日で嬉しかーっ


島だと言っても、イノシシなど野生動物はいるのだ。イラストは可愛いが、イノシシ怖い。

全く知らなかったのだけど、この島には若冲の掛け軸がある。
フェリー乗り場のボードで知り、ワクワク。吉田さんのお家を拝見。
家業で船(フェリーですな)をやっていて、ある客が船賃の代わりに置いて行ったと伝えられるものを、TVで鑑定してもらったら本物だったと!
マテマテ、若冲の掛け軸を旅先に持ち歩く?
それ買うだけの財力があるのに、船賃がない?
でもって、あっさり手放す?など、ツッコミどころ満載のエピソード。
今や掛け軸は模造品がかけられ、撮影も禁止でムムムでした。

お宝鑑定団で本物認定された「若冲の掛け軸」が島の観光スポット。「吉田邸」
これはフェリーに飾ってあった掛け軸の手ぬぐい。お土産として本宅でゲット!

無二の視点から:藤原史江
本島のアートの中で1番の印象はこの作品。
一見すると、白黒写真?と思うくらいのリアルな石とか崖とかの絵。
私の感覚だと、写真でも撮らないような場所ばっかり、これを絵にする情熱とは・・・なんだろね。

絵の下にある小石でサンドペーパーを削って書いたという。


本日の宿は丸亀から瓦町に移動。琴電バッチの新バージョンを買おうと小銭を貯めていたのに、売ってもらえなかったという悲しい話じゃ。

これ目的で瓦町に来たのに、まさかの使用停止状態(涙)

7日目 瀬戸芸:直島 

ガラスの茶室を見に。ただでさえバスの時間に縛られて、かつ、ギャラリーは時間予約制なのである。「時の回廊メインに動くしかない」と腹を括って、かえってのんびりできた直島。

やってきました直島。って感じの黄かぼちゃ

杉本博司ギャラリー 時の回廊

予約の11時までは、ベネッセの野外展示を見て時間を潰す。
展示もいいけど、海が!海が良かったです。
海側からじわじわと「時の回廊」へと移動。暑い。日傘持ってて良かった。

遠くからはこんな感じ。
これです!ガラスでできた茶室
カッケー。中に入ってみたかった。
躙り口が面白い

茶室、かっこいいけど、中は暑くていられないのではないかしら?
中に入ってお茶が飲めると思っていたけど、そんな甘い話はなかった。
チケットに込みの「お茶の振る舞い」は、いい感じに眺められる対岸のロビーからでした。

ロビーのおっしゃれな机で一服いただく。こんな机が欲しい。

バスが来るまで、海を眺めながら昼食をいただく。旨し!
直島町ふるさと海の家 つつじ荘のベンチ、風が通って気持ちよかった。

バスを待ちながら、サンドイッチをいただいた

家プロジェクト 護王神社

ガラスの階段。杉本さんらしい。

ガラス階段の神殿のの真下、石室と言われるスポットに入る。
出てくる時の景色をよく見てくださいと、係の人に言われる。
なるほど、これはなかなか!!

地下から眺めた海。壁に反射して、海のボレロ。

さてさて、この神殿からは坂を下っていくのですが、なんってことない石畳の段差で足を挫いてしまった私・・。ぐすん。
バスの時間もあり、家プロジェクトは残りちょっとしか見られなかったのが心残りです。

いい風が吹いていた。中庭が池の不思議空間。The Naoshima Plan 「水」


8日目 瀬戸芸:やしまーると四国村ミウゼアム

八島は「島」とつくけど、陸続き。屋島駅から琴電バスで、いざ山頂へ。
琴電バスは全面ことちゃ〜ん!!好きだわ、この街。

バス壁面で、那須与一と化したことちゃんファミリー!

鑑真を導いた狸だとか、平重盛に助けられた狸だとか、諸説あり。なんだかんだで屋島に住み着き、太三郎狸(たさぶろうたぬき)、禿狸(はげたぬき)などと呼ばれ、日本三大狸に数えられているそうです。
なんだ、三大狸って・・・

太三郎狸の変化妙技は日本一。佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸と共に日本三名狸に称される。

新八島水族館
山のてっぺんの水族館!という珍しい立地に惹かれて行ってみた。
10時開園待ち遠しく入り口で待っていると、10月21日臨時休園の札を見つけてびびる。危ない!昨日は休みだったのか。こわっ

カワウソの餌やり¥300 はコロナのせいか?柄杓であげる間接ふれあいに。
竜の球ですかって感じで、大事に抱える謎の球。
マナティーのゆったりした動きを見てると、眠くなってしまう。添い寝水槽はまだですか?

新屋島水族館、イルカショーではなく「イルカ劇ライブ」という謎名称。
見てびっくり!「世直し侍」というお兄さんが孤軍奮闘なギャグを連発しながらイルカを紹介していくニュータイプなショーでした。呆気に撮られていて写真撮り忘れたので、ここを参考にどぞ
一番すごかったのは、ちゃらけた侍の姿を脱ぎ捨てて、イルカに乗って一周したり、イルカの鼻先からのジャンプ!これやってるのは鴨川、しかもシャチだったよね!イルカでこんなことするの見たことない。マジ凄。

こちらからスクショさせていただきました。

屋島での夜の夢

水族館から、隣接する「やしまーる」へ。とにかくぐにゃぐにゃした建物。
ガラス面、壁面が曲線で作られていて、なんだこれは!!?という圧巻の建物。よくこんなの建てたなー。これも瀬戸芸!周防 貴之氏の作品。

近未来というかSFというか。映画の中の秘密基地のような建物でワクワク

ここの目玉は、パノラマという手法で作られた「屋島での夜の夢」。
瀬戸芸のパスとは別に+1000円かかるけど、これはきた甲斐アリ!
横長のドデカ絵の手前にジオラマを作り、二次元から三次元に世界が繋がる感じに仕上げ、鑑賞者が右から左に移動するにつれ、時間軸がどんどん進むというもの。お土地柄で源平合戦をテーマにした一枚。
入館時に1分目を閉じて暗闇に目を慣らしたりして、ちょっとしたイベントです。なお、撮影は禁止、上記リンクから想像してください。

四国村ミウゼアム

四国にある古民家や、歴史的建造物がどどんと集められた野外展示場。
始まりは、チケット売り場の前にあるうどん屋さん「わら家」。
廻漕業を営んでいた加藤弥太郎さんが「年取るといつまでも船に乗ってられないよね」と、乗組員の第二の人生のために作ったうどん屋さんがここ。

わら家さん、こんな感じ。一升徳利のつゆ、持ち上げてみたかった。

1975年、店の建屋として古民家を移築した加藤さんは、古民家の虜に!高度経済成長で滅びゆく貴重な建築物の保存を考え、民家の収集を始め、その心意気に賛同した隣地の所有者から無償で土地の提供を受け、でっかい野外博物館ができました。この歴史的建造物の数たるや凄いぞ。彼のパワーのおかげで、素晴らしいものがたくさん残されて大感謝です。

この蔓橋を渡らないと村に進めない!木と木の間が大きく、川が透けて見えて超怖かった。
釣鐘ではない。煙を集めて燻す装置
竈門炭治郎的空間に潜む「装う神様
これも 本山ひろ子:「装う神様」。小さな手がたまらん!うっさうっさ


9日目 高松市美術館「フラジャイル」展

名残惜しくも最終日。
美術館までの道すがら、街は街でなんかアートをやっとりました。

ビルの上に巨大猫。どんだけでかいのこの猫は! ヤノベケンジ
金毘羅街道の商店街にもどどんと。左に見切れる人と、大きさ比べてみて。

本田 健 

フラジャイル展は、ミズマアートギャラリーの作家さんが入っているので行って見たのだけど、会場の初っ端にあったのは、木の写真・・・?
ではなく、チャコペンで書いた絵なんですよこれ。
まじかっ・・・超リアル!手数王だわこのかた。

《山あるき-四月(木下闇の草木)》
写真かと思って近づくとこれよ!人間業とは思えない。

稲崎 栄利子

もう一つ、とんでもなく人間業ではない作品があった。
土を小さなパーツで焼いて、この形を作り上げるとは・・・
これが陶芸だなんて、この方はどんな精神力なんだ。

《現像》 作品の大きさは80センチぐらい
その中にこんなパーツがぎっしり!!!

実物を間近に見ることができたというだけで、お釣りがくるぐらい凄まじい作品。アート三昧の旅行の締めくくりに、いいもん見せていただきました。


まとめ

3つのアートイベントを回って思うのは、やはり瀬戸内国際芸術祭は頭ひとつ抜けて素晴らしいのだということ。
歴史も覚悟もボランティアの層の厚さもダントツでした。
安定の北川フラム。いい作家さんが多い。

新作は少しずつしか増えないので、また、しばらく経ってから行きたいと思います。次に行くときは、島に一泊するような、さらにのんびりプランができたらいいなあ。



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