より良きライブ写真を撮ってもらうために撮影者の視点から演者にアドバイスする話

たまにアマチュアライブの写真を撮っています。
最近は差し上げた画像について、バンドさんから「好評でした」と言われることが多く嬉しい限りです。稀に撮影依頼をいただくことも。
しかし、自分としては「もう少しこうしてくれてたらなぁ~」と思うこともしばしば。

そこで、本記事では撮影者側の視点から演者に対し「こういう意識があればより良いライブ写真を撮ってもらえるかもしれない」ということをお話致します。


大前提

先に述べておきたいことは、別に撮られるためにライブをやっているわけではない、ということです。
まずは目の前にいるお客さんを楽しませることに努めてください。
本記事の話はあくまで余裕があったら、ということです。
また色々書いていますが、部分的に取り込んでいただくだけでも結構です。

前提

ここで取り上げるライブハウスの規模はアマチュアが主にライブを披露する場所。
音楽ジャンルは、一般的なバンド(ボーカル、ギター、ベース、ドラム、鍵盤等)で構成されたもの。
演者の配置は一般的なもの。ボーカルが真ん中、左右にギターやベースや鍵盤、中央奥にドラム。
屋外でも同じですが、基本的に屋内のライブハウスを想定しています。

ライブ撮影する際のカメラマンの意識

カメラマンと言いましたが、要するに私のことです。
最初に、私のライブ撮影における意識付け(スタイル)を述べます。

①有償で撮影依頼を受けた場合
 ⇒極力お客さんに迷惑をかけないようにしつつ、多少無理してでもいい画を狙いにいく。

②無償で撮影依頼、もしくは観客として行ったついでに撮る場合
 ⇒極力お客さんに迷惑をかけないようにしたいので、無理はしない。

ここは一つのポイントです。
よく"どうやったら上手く写してもらえるか"的な話になると、「それは撮影者側が上手く写るようにさせるんだよ」などの発言が出ることがあります。
特にポートレートなどで、カメラマンが被写体と上手くコミュニケーションを取って~みたいな話です。
つまりカメラマンに積極性を求めるわけです。

しかし、ライブ撮影に関して私の考え方は上述の通りです。積極的に動きません。
お客さんはアマチュアのライブと言えどもお金を払って観に来てもらっています。そのバンドのいい画を撮るために、そのバンドのお客さんに迷惑をかけるなどは本末転倒です。

たまに依頼を受けたカメラマンなのか、客エリアをチョロチョロ動き回る人がいます。
黒い服を来てプロっぽい雰囲気を出してますが、どんなに低い姿勢で移動しても目立ちます。
もちろん多少の動き回ることは許容範囲ですが、何度も目の前を通過されたら迷惑に感じます。

ちなみに「白いレンズ」「大きなレンズ」「シャッター音」「カメラの上げ下げ」などは、暗い客席であっても隣にいたら結構ウザいです。

ということで、私の撮影方法の基本は「撮影場所を決めたらほとんど動かない」スタンスです。

私は②の場合、ライブが始まる前にメインとして撮りたい人がどの位置になるかを確認し、その後は客の入り状況を見ながらポイントに立ちます。
そこからは、ほぼずっとそこにいます。
また基本的に真ん中にいることはなく、左右のどちらかにいます。

これらは、
・客エリアをウロウロしたくない。
・動画を撮っている場合が多いので、なるべく映り込みたくない。
・撮影するのでノリが悪い客と化すため、最前とかには行けない。
・本来の客としての動きができないので(手拍子やら拍手やら)、真ん中とかを占有したくない。
など、自身のポリシーに基づくものです。

最前に行けばライブ写真としてはいい画がたくさん撮れます。魚眼とかも使って撮りたいです。
しかし、最前の真ん中でカメラ持って突っ立ってたら興ざめです。
また小規模のライブハウスはアマチュアのライブと言えどもお客さんはたくさんいることも多いです。
最初の撮影ポイントから移動してしまえば、再度同じポイントに戻れない場合もあります。撮影場所を変更する、というのは結構リスキーだったりします(オラオラ系のカメラマンではないので…)。

なお、最近はライブを同時配信している場合も多く、最前エリアでも一部入れない区画を設けている場合がありますが、正直それはどうなのかなと思います(配信を有料で販売しているなどもあるのでわからなくもないですが…)

で、つまり何が言いたいのかというと、定点からの撮影になるため制約がある、縦横無尽に動いて撮ってもらえることはない、ということです。
※その条件下においていかにして良き画を撮るか、というのが腕の見せどころではありますが。

より良い画を撮ってもらうには、演者側の協力も必要、ということです。

<補足>
なお、ほとんど動かないと言っていますが、それは場合によります。
アマチュアのライブは全然お客さんが入っていないとかもかなりあります(特に平日でオリジナル)。
イベントで客席エリアにいる観客の9割が対バンのメンバーだった、ということもあります。

過去、一番お客さんが少ないライブは、川崎にあるセルビアンナイトでお客さんが3人(演者の方が多い)、なんてのもありました。
もちろん、大事なお客さんですが、そのように動いても問題ないような状況であれば動きます。

演者に対するアドバイス

以上を踏まえ、演者側に対するアドバイスです。

<共通で要望する事項>

◆譜面を見ながらやらないで欲しい

譜面(歌詞カードも含む)を見ながら演ずることは、「私は本番までに覚えられませんでした」と言っているに等しい行為です。
アマチュアといえどもお遊びの会ではありません。その場でセッションをやっているのではありません。音楽教室の発表会でもありません。
お客さんからは料金をいただいています。たとえドリンク代だけにした場合でも、その日のために都合をつけてわざわざ来てもらっています。
だからライブをする!という以上、全部覚えて欲しいし、全部覚えられないレベル・状況ならライブするにはまだ早い、と私は思っています。

ただ、これはあくまで気持ちの話。撮影的な話をすると以下。

譜面を見ながら演奏する撮影的デメリット

・目線が下がる。
・弾いている時の目線は常に下。
・顔がこわばる。目つきが悪くなる。
・目が細くなる。
・譜面が撮影の障害物となる。
・譜面の位置によって猫背みたいになるので、見た目がすこぶる悪い姿勢。
・表情が作れないし同じ姿勢のため、似たような構図が量産される。
・譜面が写真内に入るため、映えない。
・タブレットなど電子機器を利用した場合はお化けライトになる、変な色が顔面にあたる等。
・その場から離れられない(動き回れない)。
・ライブ感が失われる、安っぽく見える。

人間の眼(瞳)の位置は、写真の印象に強く影響を与えます。
(不慣れな)YouTuberが配信でカンペを見ながらしゃべっているシーン、ほんのちょっと瞳の位置がズレててもカンペ見ながらしゃべっているのがわかるし、何か気になる感じがしますよね。
例えスラスラしゃべっていても、真正面から響いてこない。
歌なんか特にそうです。
※現実にはカンペ見ている目線の画像はボツになりますが。

撮影的にプラスになることはなく、デメリットばかりです。
ボーカルの譜面台は後方にいるドラムの撮影の邪魔にもなることがあります。せっかくの衣装、全身撮っても目の前に譜面台があっては全容が撮れません。

ちなみにプロもカンペは用意しています。
ただ、それを感じさせないように工夫しています。
もしどうしても見るんだったら、極力感じさせないように工夫すべきです。

ただ、「キャンセル枠が出たため急遽参加した」「ヘルプメンバーとして急遽参加した」などの裏事情も多い界隈。
演者のレベルによっては一生懸命練習してきた結果であったりもするでしょう。
譜面を見ないで間違えることと、譜面を見て間違えないことを比較すれば、後者を選択するのもやむを得ません。

なので絶対やめた方がいいとまでは言いませんが、撮影的には確実にイマイチにさせる要因だということは意識しておいてください。

◆メンバー同士の絡んだ動きを入れよう

バンドとしての活動歴や各メンバーの経験に左右されるものですが、最初から最後まで全員同じ位置でずっと演奏、というバンドも結構多いです。
ギターソロやベースソロがあるのなら積極的に前に出る、ボーカルは他の演者と絡む等々、ライブ感をもっと出して欲しいです。

思うに、このようなライブが単なるリハスタ練習の延長上に陥ってしまう現象(つまりリハスタがステージに変わっただけ)は、バンド結成が「セッションやライブで知り合った人達が単に集まっただけ」というパターンが多いからでは?と推測しています。

バンド内における相互の関係が希薄、極端に年齢差があるなど、チームとしてこなれていない。

絡む動きは本来ライブ中に偶発的に生まれるものですが、難しければリハの練習時に「この時にこうするから」として、ある程度練習していてもいいと思っています。

とにかく「ずっと同じ位置にいて演奏だけして終わる」と、似たような画が量産されてしまいます。

◆メンバー紹介を取り入れる。入れる場合はかっこいいものにする。

メンバー紹介をライブで実施するかはバンド内で賛否両論あるテーマです。
否定派の意見としては「恥ずかしい」「ダサい」「変な間が空く」等々。

しかし、ライブ撮影している中で「圧倒的に撮影している枚数が少ないメンバー」が出てしまう場合があります。
主に鍵盤、ドラム、大所帯バンドの側面、後方にいるメンバーなど。
このような状況になっている場合は、このメンバー紹介時を狙って撮影枚数を稼ぎます。
メンバー紹介の際は他のメンバーがどいてくれたり、ライトを当ててくれたりするので、ライブ中は全然撮れなかったメンバーもその時だけは撮れる、ということが間々あるからです。

ただ、あくまで枚数を稼ぐだけでメンバー紹介ではオフショット的な画が撮れるだけ。
そこで、できれば演奏する形式のメンバー紹介にして欲しいです。
ベタですが、ドラム→ベース→鍵盤→ギター→ボーカルなどが、一人ずつ追加されていく形式がGOOD。
そうすれば各メンバーにスポットがあたった演奏シーンが撮れることになります(10秒足らずですが)。

◆各メンバーが目立つ箇所では他のメンバーは配慮する

要するにソロになった時などは、他のメンバーはしゃがむとかする、ということです。
特にドラムがソロタイムになった際は、是非これを実践していただきたい。

<各メンバーについて>

◆ボーカル

一番撮りやすく、一番映える写真が撮れることが多いパートです。必然的に撮影枚数も一番多くなります。
しかし、一番経験の差が出やすいパートでもあります。
それはパフォーマンスです。

まだ経験が浅く、緊張もあってカラオケ状態のような方もいます。
逆にガンガン動き回り、客席を煽ったり、頭を振ったりしてたくさん動きを出せる方もいます。
どちらが映える画が生まれやすいかは、当然ながら後者です。

無理する必要はありません。しかしボーカルはそのバンドの顔です。歌が上手いだけ、では物足りません。

お客さんの眼をカメラだと思ってください。
お客さんの眼に映えるボーカリストの姿が映れば、それは見ていて素敵なものとなります。
ということは撮影的にもいい画になる、ということです。

なので、できるのなら単に歌うだけでなくパフォーマンスしてください。ちょっとした仕草でもいいのです。

パフォーマンスは即興である必要はありません。
事前に準備してきたことでも構わないのです。
ポートレートにおけるモデルのポージング、楽器におけるアドリブの演奏、これらは蓄積してきた持ちネタがあってこそ繰り出せるものです。
自宅やリハでしっかりパフォーマンスも練習してください。

あと、ステージ上でのパフォーマンスは大げさ気味にやった方が良いです。
小さくやると客側からするとあんまりよくわかりません。

◆コーラス

コーラスはボーカルからやや下がり気味の位置、もしくはドラムの斜め前方に配置されることが多いです。
コーラスだけの画はピンだけだと少々弱いパートだと思っています(個人見解)。コーラス専門の場合、頭振って歌ったり客を煽りながら歌ったりはあまりありません。
なので、ボーカルと合わせたりするわけですが、歌っていない時は手拍子などを入れたり、時々で良いのでボーカルに絡みにいったり、立ち位置から移動してもらうといいかと思います。
これはドラムを撮影するために移動してもらう、という意味合いもあります。

◆E.ギター

ギターに関しては、撮影的に特に注文がないパートと言えます。
それなりに動くし、ギターソロなどもあるので映える画が撮りやすいからです。
強いて言えば、ギターが積極的にステージ上を動いてボーカルに絡んだり、引っ込み思案なベースの近くに行ったりしてあげる、などでしょうか。

◆A.ギター

アコギは位置が固定になることも多いですが、E.ギター同様、撮影的にはそんなに苦労しません。
ただし譜面を見ながら演奏する率が高く、譜面台は高く設置されるので、そうなると非常に撮りにくくなりかつ同じような画ばかりとなります。
ステージが高ければ譜面台が顔に被るなんてこともありますね。

◆ベース

4人構成であればギターと同様フロントの位置にいるため撮りやすいパートになりますが、それ以上の構成となると後ろに追いやられることが多く、また引っ込み思案な性格が多いせいか最初から最後までずっと同じ位置にいることが間々あります。
できれば動いて欲しいですが、難しそうなら「顔や仕草で表現する」がお勧めです。
動かなくても様々な表情を作る、ということです。
笑顔であったり、ドラムとアイコンタクト取り合ったり、他のメンバーと目を合わせるなど。
実際にアイコンタクト取れてなくてもいいんです。その状況が絵になるのです。

<補足>
ベースに関しては「ステージ上で自分の音が聞こえなくなる」という状況に陥りやすいパートのため、ずっとアンプの近くにいなければならない、という場合もあります…

◆ドラム

撮影的に一番難易度が高いパートです。
・奥にいる。
・暗い。
・動きが速い。
・前方にいる他の演者と被る。
・ドラムの機材が大量に手前にあるので、ピントが機材に合ってしまうことも多い。
・シンバル類を低い位置にセッティングされた場合、客側からは顔がほとんど見えない。
・スモークの影響でピントが合いにくい場合が他の演者に比べて圧倒的に多い(奥だから)。
・望遠域のレンズでないとアップでピン構図で撮れないので、撮影者の機材によっては引いている画しかもらえない。
・基本的に座って同じ姿勢のため、似たような画が量産される。

ドラムをいかに上手く撮るかがライブ撮影のポイント、と思っていますが、毎回難儀するパートです。

ドラム奏者に対しては、撮影的にこうして欲しいとかはないです。
普通に演奏してもらえばいいです。

そこで、他のメンバーへの要望です。

ボーカルやコーラスなどは、ドラムが目立つような箇所では横にはける、しゃがむなどの配慮をする。

ちなみに前述でフロントのメンバーには動いて欲しいと言いましたが、それはドラムを撮影するための意味もあります。

最近ですが、ライブ開始時にメンバーが一人ずつ出てきて音を重ねていく、という方式を見ました。
最初にドラムが出てきてリズムを刻む、次にベースが出てきて同調する、その後は鍵盤が、ギターが、最後にボーカルが、という感じです。

この演出は始まり方として素敵だったし、ドラムが誰にも被らず演奏しているシーンがバッチリ撮れました。
ライブ中であれば、こまめに移動しなければ絶対に撮れないような構図です。

あくまでも一例ですが、このようにライブ中、一回でもドラムが撮りやすい環境を作ってくれると写真も良い結果が生まれやすいです。

ボーカルの位置はドラムと被らないように少し横にズレる。

これは真正面から見て被らないようにするためです。
あんまりズレると全体的にはおかしくなるので、体一つ分、ドラム奏者と被らない程度でいいです。
このちょっとした配慮で全然変わります。

◆鍵盤

鍵盤もドラムと同様撮るのが難しいパートです。
しかし、その「難しい」の意味は同じではありません。

結論を先に言うと、ドラムは物理的に仕方がない、鍵盤は演者に原因がある、ということです。
鍵盤の方はライブ写真をもらった際、「どれも似たようなものばかり」「枚数が少ない」「MCの時の写真が多い」などと感じたことはありませんでしょうか?
それらの理由は下記にあるのかもしれません。

①譜面が邪魔
アマチュアのライブでは、かなりの率(特にコピー)で譜面を見ています。
ピアノ譜などは大きく、手書きで他の紙面に移植するとかが面倒(推測)なので、大きいサイズのままコピーされ設置されます。顔の目の前に。
なので上手く撮れません。これは撮影者側でどうすることもできません。
譜面を見ない、以外に改善策はありません。

②座っている
ピアノ上がりの人に多い気がしますが、座っていると当然撮れる部位が制限されますし、衣装にこだわっても全身は撮れません。
「譜面設置&座って演奏」のコンボの場合、もういい写真を期待することはできません。

ただ「座らないと弾けない」という方も多いかと思います。
なので立って弾ける曲は立つ、弾くことが少ない曲では手拍子を取るなど、上手く変化をつけるよう工夫していただけたらと。

③LED電灯やタブレットの光が顔面を照らす
タブレットを譜面として活用する人が増えてきました。
ページ送りも時間で設定したり、フットペダルなどで制御したりできます。
しかし、撮影的には好ましくありません。
なぜなら前述もした通り、良い光ではないからです。
ステージの照明が暖色でも寒色でも顔は青白系。下から煽られるお化けライト。

ポートレートと違ってライブ写真においては環境光による撮影が一番"らしさ"を発揮します。
レタッチで多少明暗補正する場合もありますが、基本は現場の通り、逆光で顔が暗くなってもアリな状態となります。

想像してください。ダーク調、静かなバラードなどでステージのライトが暗めとなり全体が青、各メンバーは逆光を受けたシルエット状態、鍵盤だけ顔が浮かび上がっている、みたいな状態を。
ステージが暗転した場合でも、一人だけライトを点けて作業しているようになってしまいます(これは撮影というよりもライブのステージングの話かも)。

譜面を見ることの問題点はメンバー共通事項として前述致しましたが、特に鍵盤で顕著に出ます。
ボーカルもギターも譜面を見る人はいますが、最初から最後まで見る人はいませんし、チラ見だけとか、譜面を置いていても自分自身は前に出たりと動いて演奏することができます。
しかし、鍵盤の場合は譜面を見る前提でライブに望めば、ほぼ弾いている最中はガン見、顔の表情にバリエーションはつけられない、自分自身は動けない、ということで、撮影的には本当に「似たような画しか撮れない」状態となります。

<コラム>

余談です。
アマチュア界のライブでは鍵盤(アコギも?)は「譜面を見ても問題ない」という空気があります。
演者側もリハや本番で当然のごとく設置する方が多いです。
ページめくりを不要にするため、すべてのページを横につなげ一枚の大きな紙にして鍵盤の上に広げる人もいます(すごい目立ちます)。

私は昔からなぜライブに向けて暗記してこないのか?と思っています。
前述の通り、譜面を見るということは「カンペを見ている」ことと同じです。
パンクバンドが全員譜面台設置していたらイマイチではないでしょうか?
ワンオクのようなバンドのライブ写真に譜面台が映り込んでたらイマイチではないでしょうか?

なぜ鍵盤だけは譜面を設置する率が高いのか、考えてみました。

理由①:アマチュアには譜面通りにしか弾くことが出来ない人が多い。

これが一番の理由でしょう。これは仕方がない。

理由②:間違えると目立つから。

ベースもそうですが、基本的に単音が強く出る楽器は間違えるとかなり目立ちます。
ベースの場合は指を微妙にスライドさせて何とか誤魔化すことができますが(まぁバレてますけど)、鍵盤ではそのようなこともできません。
※ピッチベンドで即座に変えられるような達人はそもそも譜面を見ません。
なので、より安全策に走るのことに理解はできます。

理由③:他の楽器と比べて弾く部分を一度見失うと、復帰するのが難しいから。

他のパートの演奏を頼りに自分も演奏している場合、他のパートが間違えると自分自身もよくわからない状態になります。
これはあるあるです。
このように自分の弾いている内容がよくわからない状態になった場合、すぐに復帰するため譜面があれば安心、ということでしょうか。

理由④:譜面を見ながら弾く、というのが当たり前と思っているから。

これもあると思います。
自宅やスタジオで、とにかく譜面がある前提で練習をする。
暗記してみよう、という発想にならない。

理由⑤:譜面があれば弾ける=暗記するほど頑張なくていい、と自己判断してしまう。

ギターやベースなど、いわゆるTAB譜の場合、仮に全音を網羅した譜面を用意しても、本番でそれを全部目で追って弾けることはできません(少なくとも私は)。
しかし、鍵盤の場合は事前に譜面を見ながら練習しておけば、本番でも見ながらなら対応できる楽器なのかなと。なので、人間は楽できるなら楽したい方向に走るので…

理由⑥:ヘルプで頼まれることが多く、課題曲が多すぎるから。

これも大いにあると思います。ピアノを弾ける方は譜面さえあればとりあえず弾ける、という方も多いでしょう。
だから引き受ける事自体はできる、ということ。

【その他】
以下はおまけ的な話です。

①メンバーをどう配置するか撮影者に伝えておこう。

ステージ上、各メンバーがどう配置されているかは撮影するにあたって重要な関心事です。
その配置に従って撮影ポイントを決定します。
混んでいるライブの場合は基本的に移動しないスタイルなので、この位置決めに失敗すると基本的に芳しくない結果となります。

最近よく行くライブハウスは「ステージ幕」というものがそもそもないことが多く、転換中に大体どういう配置になるか見てわかるので特に問題ないのですが、事前にカメラマンとやり取りすることがあるのなら伝えておいてあげるとスムーズです。

②セトリを予め撮影者に伝える。

ここまでになると有償撮影依頼をする場合のガチな話となりますが、撮影者として演奏している曲をよく知っている場合は撮影的に「おいしいポイント」が事前に察知できます。
例えば「この曲はサビの後にギターとベースのユニゾンがあり、ライブではステージ中央に集まって弾くことが多い」ということを把握していれば、そのおいしいポイントが狙えます。
ボーカルがお約束のポーズを取るなども、事前に知ってないと撮るのは難しいですね。

もし自分が有償で撮影依頼を受けた場合、コピーバンドならまったく知らないコピー元であっても事前に情報をいただき、各楽曲をそれなりに聞き込み、MVやライブ映像があれば確認します。

③いただいた写真をSNS等ネット上にアップする場合は有償無償に関わらず撮影者も合わせて紹介してあげましょう。

アップする場合の条件としているカメラマンもいます。
これはある意味マナーであり、撮影者のモチベーションにつながるものです。

【最後に】
今まで述べてきたことは、あくまで「より良い画を撮るために」撮影者が思っていることです。
全部やらなくても全く問題ありません。

ただ、
・似たような画像だらけ。
・総数50枚でボーカル22枚、ギター10枚、ベース10枚、ドラム5枚、鍵盤3枚みたいな状態。
という結果にはそれなりの理由があるんだよ、ということが伝われば幸いです。

撮影画像:直美ズ様

以上

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