その瞬間、ボコボコにされる…　№137

　私は鬼のメンタルを備えている。常々、公言してきました。商売に必要なものは何より、「鬼のメンタル」であり「折れない鉄のハート」です。

　気持ちさえ折れなければなんとかなります。経験値から私はそれを知っています。止めるのも、逃げるのも、迷うのも、結局は自分の意志、つまりハートが決めることです。

　商売は止めなければ、なんとかなります。継続です。成長曲線が跳ね上がるまで継続するしかないのです。相手を追い抜く必要はありません。先頭集団は勝手に崩れていきます。継続さえ出来れば、そこそこのポジションでゴールすることができるのです。

　この継続は、鉄のハートによってのみ達成されます。鉄のハートだけが人をポジティブに変えてくれるのです。周囲の雑音、伴わない結果、絶えず降りかかる困難。商いは基本的にネガティブな要素で構成されています。ネガティブな要素をポジティブに塗りつぶしいくロールプレイングゲーム。それが商売であると理解しています。もちろん主役はポジティブモンスター「鮪のシマハラ」の店主です。

　では、鉄のハートを持つ人間はもともとそうなのか？そうではないと私は思います。鉄のハートを持つとはどういうことなのか。単純に自分の感情の焚き付け方を知っているのだと思います。感情のテーマソングが決まっているだけです。

　人が持って生まれたハートの強弱なんて、たかだか知れています。はい、おっさんは気が小さいと相場は決まっているのです。私のように「よく吠える」おっさん程、気は小さいものです。妻はよく私に、「こんなネガティブな人見たことないわ。」と言います。

　気が小さい私ですが、感情はコントロールできます。ネガティブな感情が芽生えた際に、どうすればポジティブがネガティブを塗りつぶして行くかを理解しているのです。言い換えればポジティブな自分を演出しているだけです。家庭内では自身を演じる必要がないので、妻はポジティブな私を見たことがない、ということになります。

　もちろんうまく感情のコントロールが出来ないことだってあります。人知れず凹んでいる時もあります。周囲の雑音に心がザワザワすることも多いのです。最近特に感情コントロールが上手くいかないような気さえします。

　でも、ダメです。常にポジティブでないと。ブルったりビビった瞬間に潮目が変わります。勝てない勝負になります。商売も喧嘩も同じです。「俺、ダメかとも」と思った瞬間に負けが決定します。絶対、ひっくり返せません。（ちなみに、私は少年時代から取っ組み合いの喧嘩で勝ったことがありません。）

　どういう感情になった瞬間にゲームが終了するのか。どういう瞬間にボコボコにされるのか。私はそれを知っています。知ったうえで今日も、ポジティブモンスターを演じて行きます。そうしないと、商売というゲームが終わってしまうのですから。

鮪のシマハラ_島原慶将