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先生が貰うクリスマスギフト

日本ではどうなのだろう、自分の子供の先生にクリスマスなどに贈り物をする習慣はあるのだろうか?

私は日本で子供を教えた経験はないので最近の事情はわからないが、自分が子供の時分は親が先生に贈り物をするのはご法度だったような気がする。先生もプレゼントは受け取ってはいけない、という規則があったのではないか、と思っている。

10年以上アメリカの高校で教師をしているが、うちが私立だからという理由もあるのかもしれないけれど、ホリデーシーズンは必ず生徒たちからプレゼントを貰う。一応学校では規則があり、100ドル以上のプレゼントは受け取ってはいけないことになっているが、ブランドのバッグや高級レストランの商品券を受け取った先生を知っているのでそこらへんは曖昧なのだろう。

私も色々いただいた。現地の親御さんはカードと一緒にワインやチョコレート、ネイルの商品券やクッキーの詰め合わせなどをくれる。留学生たちは自国の伝統的な置物やお菓子などを贈ってくれる。

個人から先生へのプレゼントはクリスマス、バレンタイン、先生の日、卒業式や終業式、など季節ごとに行われるが、PA(保護者会)が主催をしてレストランを借り切りパーティーをしてくれたり、寄付を募って現金をくれたりすることもある。

以前大学で教えていたときは学生にコーヒー一杯奢ってもらうのも禁止だったので、初めて高校で教え始めたときは本当に驚いた。初めていただいた商品券を持って校長室を訪ね、これはもらってもいいものなのかを確かめに行った。あとで贔屓をしてほしいとか点数を変えろとか、そんなことを言われるのではないかと怖かったからだ。そんなことは全くの杞憂で、少なくとも我が校ではギフトは文化としてあるらしく、300ドルの商品券を見た校長先生は ”よかったね、シマ先生!ありがたくいただきなさい” とあっさりと上限100ドルを無視して ”好きなものを買え” と笑って送り出してくれた。

クリスマス休暇に入る2、3日前からオフィスのデスクにギフトの箱とカードが置かれる。最近は自粛で出かけることもないことを知っているのだろう、チョコレートやクッキーやワインや日本酒、蝋燭やマッサージオイルやバスタオル、そんなものをいただいている。

たくさんのギフトをありがたく受け取っているが、自分にとって一番嬉しいのは、やっぱり生徒からの可愛い言葉やメッセージだ。手作りの折り紙や自分で描いたイラストなどを添えたメッセージは本当に心がじんわりしてくる。

今日はランチから戻るとこのインデックスカードが机に置いてあった。

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彼は今年来たばかりのポーランドからの留学生で、まだ英語が初級なので私のクラスにはいない。でも図書館やカフェ、放課後の補習などでよく顔を合わせるので、いつも彼の宿題を手伝ってあげている。ありがとうの英語メッセージを一生懸命に書いたのがわかるが、もっと頑張ったのは日本語のメッセージだ。

Google翻訳で見たものをそのまま写そうと努力したあとが見える。教えるの字は半分ないし、ありがとうの り と が が一緒くたになって不思議な文字になっている。

それでも彼が私のために、私を思い、書いてくれたこのメッセージは世界でたった1つのユニークでオリジナルなプレゼントだ。

ちょっとだけ笑ってちょっとだけ涙が出て、直接お礼を言いたかったので、彼を探しに図書館に出向いてみたが、彼はもう自国に帰った後だった。

先生のホリデーを素敵なものにしてくれてありがとう!うれしいな〜

シマフィー 


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