【長編小説】人ヲ殺して、もらいマス。#15
5月15日 木曜日 AM7:00 / 伊原舜介
翌日の朝七時に伊原の携帯が鳴った。上司の吉田だった。伊原が休暇を願い出て以来はじめてかかってきた。考えてみると、それもほんの三日前のことだった。
伊原は携帯にでた。
「おー、オハヨー」と吉田は、まだ早朝なのにいつもの元気な声だった。
「お早うございます」
「あれ? お? まだ七時やったんかー? こりゃゴメンなー!」
「いえいえ、大丈夫です」
「いま、社長から『伊原は大丈夫か』って連絡あって、時間確認せんとすぐにしたんや