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「後工程はお客様」で組織の中にしあわせな働き手を増やしたい


皆さんは、自分の仕事が、どこから来てどこへ流れていくか考えることはあるでしょうか?

ひとによってこの意識の持ち方は様々だと思います。私はこの意識が結構強いのかもしれません。


工場の製造ラインで働いていれば、ベルトコンベアの上流から組み立て途中のパーツが流れてきて、自分の手元で担当する部品を組み込んで、次の工程へと流します。

「公務員はこういう仕事」と言えないくらい、役所には様々な部署があり、それぞれ多様な業務に取り組んでいます。
でも、私はこの「上流から次の工程へ」という働き方が、公務員にも共通しているものを感じることがあります。


例えば、企画部門から総合計画の進捗状況の調書の作成依頼が届くと、それを課のとりまとめ役の職員は、課内の担当者にそれぞれが担当する業務について調書の該当欄への記入を依頼します。
この場合、企画部門は上流で、課内の担当者は次の工程にあたります。

地域の民間企業に新しい事業への協力のお願いに行く場面であれば、上司や事業の主担当者から企業へお願いごとに行くよう頼まれ、実際に企業の事務所に赴き、担当者へと説明することになります。
この場合、上司や事業の主担当者は上流で、企業の担当者は次の工程です。


何らかの業務の依頼を上流から受け取り、それを次の工程へと受け渡す。
改めて考えれば、工場に限らず、あらゆる職場で発生している構造ですよね。


私はこういう仕事の上流から次の工程への流れを意識して、一緒に仕事をする係員の皆さんに「後工程はお客様」という言葉を伝えています。

「後工程はお客様」というのは、生産現場で大切にされている考え方で、トヨタ自動車などでの実践が有名でしょうか。


自分が取り組んだ仕事の成果を届ける相手である「後工程」のひとは、同じ社員であっても「お客様」だと思って、その後工程のひとが喜ぶような成果物を届けましょうという考え方です。

それは届けるものの確かさだけではなく、後工程での作業のしやすいさや気持ちよさまで考えて自分の工程の作業に取り組みましょうということ。

この考え方は公務員の仕事でも活用できます。


上記の公務員の仕事の例で考えてみます。

一つ目の企画部門からの総合計画の進捗状況の調書の仕事では、「後工程はお客様」という意識を持っていれば、課に届いた調書の作成要領をしっかり読み込み、担当者に転送する際には、回答を作成する担当者が作業しなくてはいけない記入欄はどこなのかを示してあげたり、昨年度の回答や根拠法令などを参考資料として添付してあげることができるかもしれません。

二つ目の地域の民間企業に新しい事業への協力のお願いごとに行く場面で言えば、相手企業の担当者が上司に説明するという後工程を想像して、説明しやすいように会社としてのメリットや関わり方の選択肢を記した資料を用意できるかもしれません。


少し考えればわかることですが、調書を「●月●日期限でお願いします」と転送するだけだったり、企業の事務所で「こういう事業なのでお願いします」と伝えて帰ってくるだけだったら、仕事をしたとは言えませんよね。

「後工程はお客様」を考えて、自分の手元で工夫することでやっとそれは仕事になるのであって、それこそ「傍を楽にする」つまりは「働く」ということなのではないでしょうか。


そんな「後工程はお客様」が役所全体に行き渡ると、いつしか役所で働くみんなを楽にして、働き手が幸せな組織がつくれるような気がします。

そんな幸せな働き手がサービスを届ける役所なら、いつしか今以上に住民一人ひとりが幸せを実感できる地域をつくれるような気がします。


皆さんは、如何お考えでしょうか。



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