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センパイ著者にききました#03/後藤好邦さん③(全4回)


2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。

三人目は、山形市に勤める後藤好邦さん。

後藤さんがどのようにして日々原稿の執筆をされているのか、また、どのような想いで「ネットワーク活動」に取り組まれ、将来に向けてどのようなビジョンをお持ちなのかお聴きしました。

>>前回「センパイ著者にききました#03/後藤好邦さん②」


◆Facebookは共感度を図るファーストステップ

後藤さんは連載を5年間続けていて、単行本も書いているわけですが、どうやってそれだけのネタを集めてストックしているのですか。

後藤さん:Facebookが軸になっています。種になるものがあったら投稿してみて、それに対して「いいね」がついたりコメントがついたりしたら、「このネタを膨らまして書いてみようかな」という感じです。

本をたくさん読む人は本から得ることが多いと思うんですけど、私はどちらかというと人との交流から得るものが多いんです。自分が主催したイベントで話してもらうゲストスピーカーの話だったりとか、イベントに参加して聞いた話とか、いろんな人とディスカッションした話とか。人から聞いた話はどこかで残しておかないと消えちゃいますよね。Facebookにアップしているのは情報を共有したいという思いに加えて、自分としての備忘録というところもあるんです

そうやって備忘録として投稿したものから、連載の記事が生まれるんですね。

後藤さん:Facebookについたコメントが多かったり、「いいね」の数が多いということは、私が共感して投稿したその話やそこに添えた私の考えに共感してくれる人が多いということでしょうから、共感の指標になると考えています。逆にコメントで私とは異なる意見があったりすると、「なるほどそういう見方もあるんだな」という気づきになります。そういうことが確認できるからいいなぁと思いながら投稿しています。

でもそこに気づいたのもここ2、3年ですけどね。それまではただ単に備忘録として情報共有できればいいと思っていたんです。でも、いろいろな人に共感してもらえる文章があるならば、それを共感度を図るファーストステップと捉えたらいいんじゃないかと考えるようになって。

そもそも連載は「公務員ライフ」っていうタイトルがついているので、自分が普段経験したことを書くのが当初の連載の趣旨なんだと思うんですよね。普段のFacebookの投稿では私が感じたことをアップしているので、その文章をうまく膨らませて書けばいいのかなというふうに考えるようになったのが、ここ2,3年くらいです。それからはうまく転用するようになりましたね。


◆面白い人をつなぎ、文章でプロジェクトをつくる

すごいですね。魔法の一端を開示していただいたように感じます。2、3年前というのは何かきっかけがあったのでしょうか。

後藤さん:そうですね。最初の頃からFacebookでいいねの数とかは意識していました。いいねが増えるには色々な要素があって差が出てきますけど、はじめは「写真をアップしたほうがいいよ」みたいな話を聞いたのでなるべく写真をアップするようにしていたんです。

でも、写真を載せずに思いだけ投稿した時も異常に伸びる時ってあるんですよね。300とか400とか「いいね」がついたり。それってその考え方に共感してくれているんだなと思ったので、共感度を測る物差しとして使うといいんだというのを少しずつ理解し始めたんです。その次のステップとして、だったらFacebookに書いていることをうまく応用して連載につなげていけばFacebookのネタが尽きないので連載のネタも尽きなくなるのかなと。結構、単純な発想なんです。

だいたい月2回くらいは共感してもらえるようなものを投稿できている感じがするので、ネタがなくなったらそういうところから持ってくればいいのかなと。

後藤さんの場合、投稿にネットワークを掛け合わせれば無限にネタを生み出せそうです。

後藤さん:先日、ふるさと納税に一所懸命取り組んでいる熊本県・八代市の人に「つながる力」に投稿してもらったんです。彼女はふるさと納税の担当になる前から、普通なら担当者しか行かないようなふるさと納税のオフサイトの勉強会みたいなのにいろいろと参加していたんですね。

その話をFacebookで投稿して皆さんに興味を持ってもらうためにどうしたらいいかなと思った時に、水戸市の須藤さんの「肩を温める」っていう話と絡む話だなと思って、そこをうまくマッチングして紹介したんです。もうちょっと早ければ「公務員ライフ」にも書けたかなぁと。

その掛け合わせで一人ひとりの言ってることに肉付けをしたりとか、自分の考え方をさらにブラッシュアップしたりとかできるなぁと思っています。もしかしたら、そんなことをFacebookでやっていれば、AさんとBさんがつながるきっかけになるかもしれないですしね。

面白い人と面白い人がつながれば、さらに面白いことになったりするかな、なんていうことも思っていて。そんなことを考えているとだんだん自分が楽しくなってくるので、文章でプロジェクトを作ってるようなものですよね

Facebookの投稿やご著書、連載など後藤さんが書いた文章の中で出会っている人たちってたくさんいますよね。投稿の中で紹介されたAさんとBさんは、その投稿の中で出会っているんじゃないでしょうか。

後藤さん:そうだったら嬉しいですね。私がどういう人を目指しているんですかってもし聞かれたら、究極の「ハブ」的な人間になりたいなーって思っているんです。プレイヤーよりコネクターみたいな。

コネクターを追求するためには、一流じゃなくても一流から認めてもらえる位のプレイヤーでなければ一流同士も繋げられません。だから、自分もプレイヤーとして実績を積んでいかなくてはいけないと思っているんです。ただ最終的にはプレイヤーではなくて、いろいろな人をつなげて、1歩下がったところでほくそ笑んでいたいんですよね。「あーよかった、この人とこの人がつながってこんな大きいことができたよ」みたいな。

誰にも気づいてもらえなくてもいいんです。自分の資質にも合っているし自分のやりたいことでもあるので、そういうハブ的な人材を目指しています

チャット・モンチー



◆オーガナイザーのスキルを伸ばしていきたい

後藤さんが2冊目の「ネットワーク活動で広がる~」で書いておられる、公務員像がありますよね。そこでもつながるという話は出てきていました。

後藤さん:そうですね。大正大学が地域創生に寄与する4つの人材育成像として掲げていた「アントレプレナー」「エコノミスト」「オーガナイザー」「コーディネーター」ですね。その中でもコーディネーターとオーガナイザーがどちらかというとつなぎ役です。その4つの資質はどれも必要だと思うんですけれど、どれに特化するかというのはその人の資質もあると思うんですよね。

本当にガンガン地域でやっていきたい人はアントレプレナーを追求すればいいし、ロジックでそういう人を支える2番手の役割をしたい人はエコノミストになればいい。4つ全てを満たすということではなくて、ある程度4つの資質を持ちつつ、自分の特徴に合わせて何を強みにするかは人それぞれが考えればいいんです。私はどちらかというとオーガナイザーの役割を担うべき人間なのかなぁと、自分なりに自己分析しているので、そういうスキルを伸ばしていきたいです。

>>「センパイ著者にききました#03/後藤好邦さん④」に続きます。



★後藤さんの著書



★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。



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