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センパイ著者にききました#02/牧野浩樹さん④(最終話)


2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、地方公務員の島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。

二人目は、倉敷市に勤める牧野浩樹さん。

牧野さんが『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』(学陽書房)を書くために編集者にアタックした経緯や本に込めた想い、そして書くということに対する考え方などお聴きしました。

>>前回「センパイ著者にききました#02/牧野浩樹さん③」


◆人の行動を変える言葉を投げかけたい

続いて、本を執筆したことでのご自身の学び、成長についてお聴きしてもいいですか。牧野さんとしてはいかがでしょうか。

牧野さん:そうですね、「面白い」だけでなく「気づき」を与えて行動変容につながるような言葉をつくる能力は高まったかなと実感しています。

本の執筆をつうじて「行動を変えてもらうような伝え方」ができるようになったということでしょうか。

牧野さん:そうですね。僕が人生で一番悩んでいたとき、民間企業で仕事ができなくて辞めたときに、「幸せはいつも自分の心が決める」っていう相田みつをの言葉を目にしたんです。それ見て「あ、自分不幸だって勝手に思っていただけだ」って気付いて。

自分はそのたった一つの言葉で人生を変えられたんです。なので、僕も言葉で人を喜ばせるとか、人の心を動かして、行動変容を促す人になりたいって思っているんですよ。人生の目標ですね。人生を変える言葉をプレゼントできるようになりたいんです。

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今回、本を一冊書き上げたことでそこに近づけた?

牧野さん:今回、本を書く機会をいただいて、具体的にターゲットを絞って、人の行動を変えるように書けたかなと感じています。自分がそういうありたい自分になれたこと、それが嬉しかったかな。

良い意味で注目されるようになり、講演依頼なども増え、自分が人生で実現したいことに少しずつ近付いていることが嬉しいです。

近づいているけれど、まだ完成はしていない?

牧野さん:完成はしていませんね。日々磨き続けるのものなのでずっと完成しないんでしょうね。そういう言葉を考えたり、どういう言葉を投げかけたらその人の気持ちが動くのかとか。それが楽しいんです。

僕自身が色んな言葉を投げかけてもらって元気になって、幸せに生きているので、逆にそういう言葉を投げかける人になりたいな、というのが目標ですね。

そうなりたい気持ちと、今の公務員のお仕事って、どこかで結びつくものですか?

牧野さん:結びつくと思いますよ。
たとえば納税課のときは、滞納者の人が払おうっていう気持ちになるような言葉を投げかけようと思ってやっていましたし、人事のときは、職員の人がやる気になるような言葉を考えて、その人に刺さるような言葉をつくろうとやっていました。

今は観光課として、観光客の方とかが、どうやったら倉敷に来てもらえるのかな、とか、言葉だけじゃないですけれど、企画とか、考えてっていうのでやっています。対象とか、ターゲットとか内容は違いますけれど、自分の興味のあることを、すごい仕事に入れ込んでいるって感じです。だから、楽しめる。

― 牧野さんの人生の中で実現したいことと、実際のお仕事でものごとを伝えることとの間にしっかり橋がかかっているんですね。

牧野さん:そうですね。仕事にやりがいがついているのではなく、仕事にやりがいをどう見出すかかなと。自分の関心とその仕事を繋げるっていうのは、意識しています。人事異動でどんな部署になるかわからないですけど、でもその捉え方によってはやりがいを見つけられると思うんです。

「伝える」とか「コミュニケーション」が全く関係ない部署はありませんからね。

牧野さん:そうですね。伝え方はどこまでもつきまとうので、そこは追求していけたらなと思います。
自分で伝えて、笑わせたり喜ばせるだけじゃなくて、一歩踏み出すきっかけを与えることがゴール。公務員としてどこまでできるか考えていきたいなって思います。そしてポジティブに、直接的に、講師とかもやっていきたいですね。

落語も講師として壇上にお立ちになるのも、この次何かのテーマでまた本をお書きになるのも、全部つながっているんですね。

牧野さん:そうですね、2冊目も書きたいです。

多くの人を後押しできる言葉が、まだまだたくさん出てきそうですね。

牧野さん:そうなんですよね。まだまだ言葉を紡いでいきたいです。この本を出せたのも、公務員の仕事をしていて公務員の気持ちがわかるからっていうのが大きいと思うんです。

実は目の前の仕事で、観光課の仕事でいっぱい企画を提案するんですけど、全然通らなくて。「あれ? 牧野くん本書いたよね」って思われるみたいな。

そういう挫折じゃないですけれど、マイナスな経験も貴重だなって今はプラスに捉えています。それが物語になっても面白いんですよね。そういう経験を積み重ねていって、色んな人の気持ちに共感できるようになって、そういう人たちを救うような言葉をつくれたらなというふうに思います。


◆失敗して成長して成功に近づく

― 牧野さんご自身も含めて、個人としての公務員がそういう知見を本という形でまとめて、世に出す意義をどう感じていますか。

牧野さん:本を出すと決めて仕事すると、インプットしようと思うので成長していけると思います。また、全国の公務員の能力が上がれば、日本が良くなるきっかけにもなりますよね。

― ちなみに、2冊目に書きたいテーマって、すでにあるんですか?

牧野さん:僕と同じように悩んでた新人公務員を対象に書きたいです。ものの見方を変えることで、つらいと思っていた状態がプラス変わるっていうようなテーマで。いずれにしても若手、新人向けに書きたいですね。

― 楽しみです。牧野さんは以前SNSで「本を出すために頑張る」という発信をし、それが実現しました。2冊目もきっと実現させるんじゃないかなって、期待していいですか?

牧野さん:アハハ。動いていますよ、色々。

― それを楽しみに、牧野さんの今後の活動も見続けていきたいと思います。

牧野さん:ありがとうございます。

― 最後に、この記事の読者へのメッセージをお願いします。

牧野さん:そうですね、僕の場合は本を書くことでしたけれど、興味があるとか、やってみたいっていうことがあるんだったら、一歩踏み出すのがいいのかな。僕も色々失敗もしていますけれど、一見失敗に見えても挑戦していれば必ず成長するので、その分だけ成功に近づいていくんですよね。そういう意味では、一歩踏み出すってこと自体がもう成功なんです。

自分が興味があるけれど、無理かなとか忙しいなって思っていることに一歩踏み出していただければ、一番うれしいかなと。それが一番伝えたいことです。

― お忙しい中、本日はありがとうございました。今度はぜひ倉敷でお会いしたいですね。

牧野さん:はい、ぜひ!

【編集後記】
話しているひと言ひと言から「伝える」ということへの強い想いが溢れていた牧野さんのインタビュー。
SNSなどでは互いに知っていましたが、牧野さんも元々は人見知り、私も人見知り。エンジンが温まるまで少々時間がかかりましたが、私の問いかけに対して、徐々に牧野さんが気持ちの奥の方から言葉を披露してくれるようになる「橋のかかる過程」がとても楽しかったです。
お話をお聴きしていて、時折感じられる「コミュニケーションで悩む若手の力になりたい」という想いの熱さが印象的でした。
「言葉で人の行動を変えられるようになりたい」という目標を語っていましたが著書や講演をつうじて、そして日々の職場で、牧野さんの言葉で行動が変わった人が既に多くいるのだろうなと感じられるインタビューでした。
【次回予告】
私、地方公務員の島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。

次回は、山形市に勤める後藤好邦さん(予定)です。

東北オフサイトミーティングを立ち上げるなど、本業と地域活動にバランスよく取り組む地方公務員のモデルとして多くの公務員に影響を及ぼし、『自治体職員をどう生きるか』(学陽書房)『「知域」に1歩飛び出そう! ネットワーク活動でひろがる公務員ライフ』(ぎょうせい)の2冊の本を出している後藤さんからお話をお聴きします。



★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。


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