発達障害の子には気長に接する

発達障害の子には気長に接する

時間はかかりますが、道筋や手順を示してあげると数字や計算以外は出来るタイプの子もいます。

だから、授業に沿ったレポートなどであれば、時間はかかるけれどなんとか出来るのです。
けれど、「荘園制度について述べよ」のような漠然としたテーマではパニックになるのです。

スタートからすぐにゴールに行くことを考えるタイプなのですね。
計算で途中式を書いたりしないことが、頭が良いことで格好いいと思うタイプでもあります。
それを自分はできるんだ、できなきゃいけない、できなきゃばかにされる、バカにされる自分には意味がない、と思い込んでいて、当然誰だってすぐにできるわけがないのに、できないことに絶望する、「考える」ことを放棄してしまう。そもそも「考え尽くす」習慣がない。

十何年もその価値観で生きてきた子達にこの価値観を変えさせるのは並大抵ではありません。ある意味不可能💧
なんだかだんだん出来るようになってきたかなと本人が思えるまでには、支援を始めた年齢の3倍の時間がかかると言われているので、高卒の子であれば、18x3で54となるから72才(^-^;
きなーがに付き合っていかなくてはならないのですね。
どうしてもすぐに結果が欲しいと思ってしまうご家族は、上っ面だけ見てその子を理解したつもりになって先走ってしまう。そして押し付けをしてまたこじらせてしまいます。
だから、発達障害に対する支援は、小さな子供のうちから始めないといけないし、慌ててはいけないのです。

だから地道にやっていきます。

細かい字のぶ厚い書物では集中力もメンタルも続かない子は、子供用や受験参考書などのようにポイントがまとめられているものを見る→大体のことを知る→まとめる→同じような言葉、キーワードの書いてある薄めや文庫系の本を学校の図書館で見つける→章ごとに線を引きながら書きぬく→書きぬいたものをグループに分けてみる→つなげてみる。→地道に繰り返す。
英検はけっこう順調に受かれて自信にはなっている。けれどそろそろ、長いリスニングがついていけなくなってきたので、リーディングとライティングのスキルを伸ばしていくことにシフトさせることも視野に入れる。貿易事務とかメール対応とかならいけるかなとか考える。でも、リスニングを全く諦める必要もない。日本語だって相手の話を理解したりするのが不得手であれば、英語でできるようになることは至難の技なのだから。一般良識を身につけるための資格試験も勉強してみる。一般常識や、言葉を知らなすぎることを補うことと、合格できたという小さな成功体験を積み重ねるために。
その時には、好きなことや出来ること、ちょっとでも心が動いてるみたいかも、を常に探りながら、何を受けるかも決めていく。

時に褒め、時に叱り、時に励ましながら。勉強できずに、ずっと泣きながら話すのを聞くだけの時もあります。勉強できそうもないときは、たわいもないおしゃべりで終わることもあります。状況をみて、ただ流れに任せるときも、誘導するときもあります。自分を全否定されたと思い込むタイミングを気をつけます。全否定ではないということが理解できるようになるまで辛抱強く接します。
全く違う常識で生きている人間同士なのだから、今の社会で生き辛くなくなることを、一緒に見つけます。

でもやっぱり、こんなに何年も変えてあげられない💧なんてことに落ち込むこともしばしば。けれど、それは自分にフォーカスしてしまっているからの感情。反省です💧大人になっちゃったら5年や6年で変わるはずがない、子供だってそうなのに、ということが、スーパービジョン形式の学習会などで分かって少し気が楽になりました。そして、その子の幸せのためを考え尽くすために脳みそに汗をかく。

目的は急ぐことではなく、目の前の子の幸せを考えること。
「少しでもマシな支援者になる」ことです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?