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社員のおすすめビジネス書⑧

こんにちは、志高塾です。

本日は、社員によるおすすめビジネス書の紹介です!

紹介文が読みやすくまとまっているので、本のほうもつい読んだ気になってしまうのが最近の悩みです。ちゃんと読みます。


三浦のおすすめビジネス書『思考の方法学』

「読み書きそろばん、モデル分析!」と書かれた帯が印象的な一冊だった。「モデル」というのは現実の事象から必要な要素だけを汲み取り、簡易化して記述したものだ。かつて経済学に関する本を読んだ際に見かけたのだが、その時には門外漢ゆえに「理系っぽいなあ」と漠然と考えていた。だが、身近な問題解決にも適応できることを本書は改めて示してくれた。都市工学を専門とする筆者が例に挙げる子供の事故や渋滞の問題が、身近ゆえに想像しやすかったためかもしれない。

必要なのはまず目的を明確にし、そのために必要な要素を考え、その要素同士の論理的な繋がりを求めることだ。それは数字を使ったアプローチであるかもしれないし、数字ではなく言語を使ったアプローチであるかもしれない。そのアプローチを学んでおけば、なんとなくの思い込みや慣例で進んでしまう物事に、「それ、根拠あるの?」と立ち止まる一助にもなる。また、普遍的に物事を見るのか、それともその個体を見るのか、という視点も学びになった。本質を考えるのか、どう役立てるかを考えるのか、という問いにもあったが、結局ところそれは両輪であることが理想だ。先を見通しながら、今できることをする。

何より、こうした「モデル分析」の地盤になるのは、目的と手段・現状を見誤らない「目的合理性」を持つことだ。それがぶれてしまわないように、何のために何ができるのか、冷静に見極めることが重要なのだろう。

徳野のおすすめビジネス書『静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと』

組織のメンバー同士が相対する「1on1」を通して先輩やチームリーダーと打ち解けたはずの新入社員が、代行サービスを使って唐突に退職を申し出てきた、というニュースが最近話題になっている。連絡を受けた上司が戸惑うのは、職場を去った若者の多くが至って真面目で人当たりの良い、これといった欠点が無いような人物に見えていたからだ。そのような不可解な傾向を示す若者たちとのコミュニケーションを本当に意義あるものにするためには、著者が「良い子症候群」と形容する、二面性を孕んだ心理を理解しておく必要がある。

「良い子症候群」の若者は、変化と多様性に富んだ時代の産物である。彼らは個性を重視して自分なりの生き方見つけ出すよう教育されてきたのと同時に、「正解」の無い世界の不確定性を目の当たりにしてきたからこそ、失敗を過度に恐れて周囲と足並みを揃えることで心身の安全を確保しようとする。また、目の前にいる年長者の言葉に素直に従い、相手の機嫌を損ねないよう本音を隠すのも処世術の一つだ。よって、一対一で対峙しても上司が満足しそうな受け答えの「テンプレート」を使いこなしているだけ、という場合がほとんどのはず、というのが筆者の見立てである。

今の20代、いわゆる「Z世代」の複雑な心を念頭に置いた上で彼らとの会話を実りあるものにするためには、まずは上司自身が「立派なリーダー」の仮面を外すことが大切になってくる。肩肘張って理想を掲げたり、叱咤激励したりするのではなく、長い社会人生活の中で積んできた失敗や努力を飾らない言葉で語ることが、若者の仕事への姿勢にも影響を与えるはずだ。等身大の姿をあくまで「自分」を主語にして発信していくことが互いの心理的安全性に繋がっていくのである。

竹内のおすすめビジネス書『無印良品の、人の育て方』

無印良品の元社長である著者が、在任中に出版した書籍の一つ。約10年前のものではあるが、成長を続ける企業の根底にある「人」との向き合い方を明らかにしている。

「人材育成」ではなく「人間育成」をするというのが会社としてのスタンス。そのために必要なことは何よりも経験を積ませることである。ここには、突然の海外出張のような「修羅場」も含まれる。その意味で特徴的なのは、活発な異動が行われていることである。スペシャリストかゼネラリストの二つに一つではなく、幅広い業務への理解を深める中で、自分に合った「これ」というものを極めていく両方どりの人物を育てていくことがその狙いである。それはキャリアアップはもちろんのこと、視野や交流のネットワークの広がりをもたらす。また、販売部、営業部、物流部というように様々な部門に分かれている中で異動が起こると、他部門からの視点を持つことができる。「相手の立場で考える」の一歩先を行く、「相手の立場になって実際に動いてみる」ことを社員たちに求めているのである。あえて組織内部での流動性を高めることが、協力する意識やチャレンジ精神、そして多様なアイデアの創出に繋がっている。

無印はブランド力も高く、学生からのアルバイト先としても人気である。それゆえに、新卒採用ではなく、アルバイト・パートを社員登用する「内部採用」という仕組みをとっている。業務の目的や狙いの共有はトップダウンで行われるが、現場の声をもとにしてどんどん更新されていくマニュアルが大事な役割を果たしており、ボトムアップによっても業務の改善が図られる環境がある。

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