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社員のおすすめビジネス書⑤

こんにちは、志高塾です。

本日は社員のおすすめビジネス書、第5弾をお届けします!

自分がどこにいて、どこへゆくのか分からなくなるときがあります。そんなときは、不安や後悔に苛まれる自分自身から離れて、より広い世界や時代に目を向けてみようと、紹介文を読みながら思いました。


三浦のおすすめビジネス書『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』

疲れていたり追い込まれたり焦ったりするほど、選ぶ選択肢をことごとく間違えてしまう。後から思い返せばあり得ない選択だったにも関わらず、だ。自覚的な欠点のひとつだったので、本書の「考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり」という副題に惹かれて手に取った。

結論から言えば、本書で述べられているのは「頭づくり」というよりは「心づくり」で、しかしその精神的な選択こそが、結局は行動そのものを決定する、ということだ。思考は自身が選択できるものであり、ゆえに、「意味のないこと」をあえて選択しないことが必要になる。それは内省ですらない、未来への不安や過去の失敗の反芻などだ。ようは、「パニックにならず、決めつけで物事を考えず、事実だけを見る」「自らの思考に自覚的になり、その思考は役に立つだろうかと自問する」ことだ。また、考えることを急ぐ必要はない、とも筆者は述べている。焦って短絡的になるくらいなら、選択を持ち帰ってでも多面的に考えるべきだと。そしてその全ては実際に「行動」に移して初めて効果があるのだ、と。

人に何かを頼むとき、迷惑ではないか、断られるのではないかと悶々とする。そんな事柄について、筆者が挙げていたオランダのことわざがある。「ノーはすでに受け取っている。しかし、もしかしたらイエスが手に入るかもしれない」。悶々としていることが「決めつけで悩む」無駄な時間であり、頼んだ結果の「ノー」「イエス」だけが事実だ。

徳野のおすすめビジネス書『視点という教養(リベラルアーツ)世界の見方が変わる7つの対話』

「教養(リベラルアーツ)」と聞くと、やたらハイレベルで浮世離れした(多くは人文系の)知識全般を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、実は、「知識人」と「教養人」には明確な違いがあります。それは「人格」や「品性」を備えているかどうかです。何かをただ知っているだけではまだまだ未熟であり、吸収したものを内面の“栄養”にする過程を幾重にも踏んで初めて、学ぶことの意義を噛みしめられるのでしょう。「教養人」はおろか「知識人」の境地にすら至っていない身ではありますが、文系の人間としての指針を示してもらっている気がします。

本著はポッドキャスト番組『a scope~リベラルアーツで世界を視る目が変わる~』を元にした対談集の形式を取っており、物理学・文化人類学・仏教学・歴史学・宗教学・教育学・脳科学の第一人者たちが自身の研究の醍醐味を語っています。リベラルアーツという括りの中にいながら、7分野それぞれの学問観がせめぎ合い通じ合う様は、多様性と流動性に満ちた情報社会の縮図のようです。複雑で奇々怪々に感じられる世界も、それを構成するものに一つひとつ向き合っていけば、自分の人生における多彩な選択肢を取り揃えてくれる優しい場所に見えてくるはずです。

印象に残った対話を一つ取り上げるとすると、文化人類学者の飯嶋秀治氏の章になります。少数民族や先住民を研究する分野という偏ったイメージを持っていたのですが、何かしらの「文化」を形成している人間の集団であれば何でも対象になる、という飯嶋氏の主張は目から鱗でした。例えば、企業の部署同士の関係性を調査してもいいし、コロナ禍でフィールドワークを実施できない状況の客観視も立派な探求として認められます。その逞しさや柔軟さに憧れすら覚えました。

竹内のおすすめビジネス書『思考のコンパス―ノーマルなき世界を生きるヒント』

新型コロナウイルスの流行によってリモート化の進んだ社会。そこで我々は「当たり前」を見直すことが求められた。今までなら一週間のうちに何日出社するかということに選択の自由はなく、当人が住む場所でさえも、企業の所在地に左右される。しかし、そのような労働環境における制約が緩和されると働く一人ひとりの意思が問われるようになる。社会の変容に伴いニューノーマル時代に突入したとされるが、筆者は「ノーノーマル」と表現し、「普通」が見失われていく今、「自分はどのように生きたいのか」を考えることの必要性を説いている。本書は各分野の識者たちと筆者の対談形式で展開しており、情報が古くなってしまう地図ではなく、自分の目指すべき道を示すコンパスをそれぞれが持つための思考のヒントが散りばめられている。

先行きの見えない2020年~21年にかけて行われた対談において、各人が都市としての日本社会、「普通」に流れる日本社会への批判的な目と、それが変わりゆくであろうことへの期待を持っていることが窺える。コロナウイルスが5類へと移行した今現在、かつての日常を取り戻している部分も多くある。ここで述べられているような社会の変革は起こり切っていないのかもしれないが、そのまま元に戻ることを選んでしまってはいけないのだろう。

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