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『セルフ』だらけで疲れました。

先程、スーパーで買い物をした。
まだ日中で、お客さんは少な目。
わたしがスーパーに入った時に稼働しているレジは、全体の半分もなかった。

それが、わたしがお会計の時間になった途端、まぁまぁお店が混みだしてレジにも行列ができはじめた。

店員さんの何名かがレジ係としてやってきて、レジを解放して「先にお並びの方、こちらにどうぞ!」と元気よく声をかけてくれた。
にも関わらず、わたしはそちらへ行く気が全く起こらず、だるいわぁと思いながらも列に残って会計の順番を待つことを選んだ。


何故なら、
呼ばれたところがセルフレジだったから。



セルフ、といっても、本当にセルフ作業は支払段階のみ。
しかも、既に並んでいるレジだって、実はセルフレジと大差ない仕組み。
セルフレジの方は、商品のバーコードを店員さんが読み取った後、画面をタッチし金額確認操作を自分でしてから、さらに現金なりクレジットカードなりで支払操作をする。
一方の、自分が並んでいるセルフじゃない方は、店員さんに指示されてから、機械にクレジットカードを差し込む。そして、店員さんの指示でカードを抜き取る。

同じカード払いなんだから大差ないように見える。どっちにしろクレジットカードを自分で機械に挿すのだから。


これが、
『 オンラインの機会が増えた一方で人との触れ合いが減ってしまい、淋しがりやのわたしは、店員さんとのわずかな会話でもいいから生身の人と接したかったのです 』
とnoteウケしそうな理由なら、話としては美しくなる。

が、残念ながら、そんな理由ではありません。


ちなみに、『 自分は若者じゃないから、そういう機械操作が苦手 』というわけでもありません。
ちゃんとできますよ、それなりに。


***


コロナ禍で、すっかりセルフなものが増えた。

コンビニやスーパーなどのお店としては、人件費の節約になったり店員さんの負担を減らすことができて、とても良いことだとは思う。

けれど、あっちでもセルフ、こっちでもまたセルフ。

会員カードも自分で挿しこむ。
レジ袋が欲しかったら、レジの前に備え付けの袋(有料)をカートに入れる。

ユニクロなどでは、商品を特定の場所に置くだけで全商品のバーコードを機械が完璧に読み取る。そして当然支払いも自分で操作して行う。

カフェでは、「マドラーやお砂糖、ミルクはそちらの棚からお取りください」と店員さんに言われて、トレイを持ったまま言われた場所でミルクひとつを取らねばならない。
もともとセルフ方式のお店もあったのかもしれないけれど、「ミルクはお付けしますか?」と店員さんが聞いてくれた所が多かったように思う。


一つひとつの『 セルフ 』は、全然たいしたことじゃない。

指示をしてくる画面は見やすいし、音声ガイダンスもある。
操作操作とさっきから書いているけど、画面を触るか、カードを挿すか、現金を投入口に入れるか、という程度。
難しいことはなんにもない。
コーヒーのミルクだって、文句を言うならミルク使わなけりゃいいだろうと言われそうだ。


***


それでも、わたしは自分でやりたくはない。

あまりにも、色々なことが一気にセルフになりすぎて。


人は、急な環境変化に対してはひどくストレスを覚える。

今まで、店員さんがやってくれていた。
わたしがやっていたのは、スーパーやコンビニの会計なら、レジに表示された金額の確認と、必要な会員カードなり現金なりクレジットカードを店員さんへの手渡しすること。
それが、お店によって似ているようで、でも微妙に異なる機械が用意されて、支払は自分でやれ、と突然作業を一挙に丸投げ、というか、投げつけられた感じ

さらに、コンビニによっては、支払いの前後で買った物をバッグや袋にしまわなければならない。
目の前で見ている店員さん、後ろに並んでいるお客さんの『 早くしろよ 』みたいな空気が、HSPのためか『 人が見ている前で作業をするのが苦手 』なわたしには、これまた酷い苦痛なんです。


でも、日本人は真面目で勤勉。
多くの方々が、これらの環境を言われたままに受け入れて、新たな作業を我慢強くこなしているのです。


***


たかがセルフ、されどセルフ。

セルフ、
……… そうね。
わたしはかなりのことをマイセルフでやってきたと思う。

あまり人に相談もせず、自分でほとんど解決してきた。
自分で考えて判断し行動する方が、早いし気楽だから。
また、本当に困ってどうにもならずに助けを求めてみたら、見事に裏切られて一人で泣いたこともある。


そんな感じで、できるだけ人に頼ることなく生きてきた。

けれど、長年そんなふうに生きてきて、何だか疲れ切ってしまった。

そのうえ、仕事が忙しくなったり、わたしだけじゃないことだけどコロナコロナでうんざりしたりで、『 本当に疲れた 』と感じる時間が最近めっきり増えた。


わたしが出来る限りセルフレジを拒むのは、疲れすぎて、何かを自分でやるのがすっかり苦痛になってしまったから
日々に疲れて暮らしているわたしにとって、自分が分担せねばならない作業が世の中的に強制的に増えたこと、それがしんどくてたまらないのです。


店員さんという自分以外の人がやってくれるなら、やってもらいたい。

疲れてるから、僅かなことでも少しくらい人に甘えて頼って生きていたい。


その代わり、というわけじゃないけれど。

近い将来、いまの仕事を辞めてどこかの店員さんとして働くことになったら、お客さんには丁寧に接して可能な限りのサービスをするつもりでいます。


今のわたしみたいなお客さんが、店員さんになったわたしの些細なことひとつで、ほんの僅かでも楽な気持ちになってくれたいいな、と思うから。



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