審査員の覚悟と、覚悟を読み取る分析者……M-1グランプリ2022についてメモ
もともとM-1は好きじゃなかったんです。
最近のお笑いについて行けない自分の老化を思い知らされる感じがして。
ほとんど見てなかった。
でも去年の決勝、ランジャタイと錦鯉が非常に気に入ったので、ことしもちまちまと見てみました。
今年もやはり、優勝は松本健太郎さんのこれです。
(日清食品のCMにもちゃんと触れていいることも含めて)面白い。まあ面白い。
分析の手際の良さが、Twitterの中に吹き荒れる偏見の嵐をピタッと無効化してしまいます。
個性豊かな審査員たちの見識が見事にまとめられて結果につながっていく様子が、とても良くわかります。納得感高いです。
ま、それは読んでいただくとして、文中にこのような指摘があります。
松本さんがデータ分析によって炙り出した「何か頑なに90点以上であることを死守」する博多大吉先生の「覚悟」とはなにか。
これについて、今度は先生御本人が語っていらっしゃるのです。
50分ちょっとありますが、M-1好きな方には、ぜひ聴いていただきたい。
大吉先生が過去のM-1を見直した上で自身の採点基準を作り、精密かつ慎重に、「採点」という難行苦行に取り組まれていたのか、実によくわかります。なにしろ全採点について詳細丁寧に説明してるんですから。
これはねえ、大変ですよ。審査員やっぱり大変なんだ。その内情と苦労って50分語らないと伝えられないくらいのものなんだなあ。
それにしても、データ分析から大吉先生の「覚悟」を読みとる松本さんと、ラジオ番組の枠内では収まりきらない審査員としての「覚悟」をしっかりと語りきった大吉先生、どちらも凄いですよ。
それに比べてソーシャルメディア上にあふれる罵詈雑言の、底の浅いこと浅いこと。ま、仕方ないことではありますが。
M-1、なんとも奥が深いですなあ。
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