緊急事態宣言25日目/光景
ちょうど1年前、新元号・令和が始まった。あのときの社会が高揚した空気が懐かしい。よもや1年後、地球全体がこんな状況になっているとは。
というわけで3週間以上のインターバルを経て、久しぶりに外で仕事。イコール3週間以上もうちから徒歩圏内で過ごしていたのだ。もちろんそれで我慢するのは可能なのだが、仕事をしないわけにもいかない。フリーランスというのは仕事を断る自由もあるし、先約があって泣く泣く断ることもある。ただし断ると次はないと思った方がいい。自由というのはそんなに楽で楽しいものじゃないのである。
しかし久しぶりに見る“町外”の風景は新鮮だった。それを写真に残せないかと思っていたら、渋谷でパーキングメーターがぽつぽつ空いていた。普段ならまず空かないところだが、やはり車の量が絶対的に少ないのだろう。駐車して少しばかり歩いたが、人が多いというのは視覚的に表現しやすいけれど、人が少ないというのは実に難しい。いっそ誰もいないのなら、それはそれで成立するのだが…。しいて写真で表現できそうなことといえば、大半の通行人がマスクをしていることだろうか。なのでその瞬間を狙ってシャッターを切ったりもした。
都心は思っていたより人がいたし、店も営業していた。しかし撮った写真を見るとやはり町は暗いし、人も少ない。一方でUber Eatsが本当に多い。うちの近所でもメシどきになると視界に2~3人入ってくるが、都心はそんなもんじゃない。しかもいろいろな意味で「この人が?」という風体の人が、あの大きなカゴを背負っていたり。そういえば羽田空港へ着陸する飛行機が都心上空を通るようになった光景も、今日初めて見た。
帰り道には、一昨日書いたラーメン屋さんに寄った。20年以上前から体裁が何も変わっていないホームページで、先週の時点では時短営業のお知らせをしていた。それが数日前、突如5月1日での閉店を決定。そのお知らせもしないままで、僕が行ったときは店主も不在だったので事情はわからずじまいだが、最後の一杯を食べてきた。この一杯自体、10年ぶりくらいなのだが。
僕が近くで働いていた20年以上前、週2~3回はこのラーメンを食べてきた。たぶん4~5年は通っていたので、食べた回数は500回を超えるはずだ。ラーメンに限らず、そんなに通った店は他にない。吉野家の牛丼や王将の餃子も相当食べてきたが、どちらも全店舗合計したところでそこまでの回数ではないと思う。
このラーメン屋さんは味噌味が人気だが、醤油味や塩味、その他変わり種もあり、さらに具も無数にある。店主によると組み合わせパターンは数千種類に及ぶというが、僕は好き嫌いがはっきりしているので、頼むものはいつも一緒だった。以前、ソフトバンクの孫さんが浅草の定食屋を気に入り、足繁く訪れてはメニューの端から順に頼んだという。出世する人というのは、そのように同じ店に通っても毎回違うものを頼むものらしい。納得。
■a7R IV+Vario-Sonnar24-70mmF4 /GR III
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