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心に刺さったキャッチコピーを分析してみる

わたくし鹿介、あることに気づきました。それは、ライター志望ですでにいくつか仕事を受けている身でありながら、ライティングに関する投稿をしていなかったということ…。

正直なところ、まだライターを本業にできていない青二才が、ライティングについて語るのは恐れ多いことです。

でも、「誰かが書いたものから学ぶ」という体なら良いのではないか…そんな思いのもと、僕が最初に選んだテーマは、キャッチコピーについてです。


キャッチコピーは、企業や商品、サービスなどのとなるもの。どのような特性があるか、どのような魅力があるのかといった、それぞれの押し出したいポイントを凝縮したものであり、同時にそれを少ない文字数で表現しなければなりません。

僕自身、企業のコーポレートサイトやECサイト、求人広告のライティングに関わる中で、その生みの苦しみに直面しました。SEOのような集客に関わる要素も重要ですが、キャッチコピーは集まったユーザーの多くが一番最初に目にするものであり、ここで興味・関心を引けるかが、その先のコンバージョンにも関わるという責任感もあります。


簡潔でありながら、奥が深い。

今回はそんなキャッチコピーについて、印象的だった事例をいくつか紹介しながら、自分なりに分析してみたいと思います。すでに他サイトで紹介されている事例もあり、意見が被る可能性もあるかとは思いますが、それぞれ自分が思ったまま伝えますので、ぜひ最後までご覧ください!




結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです(ゼクシィ)


最初の事例は、結婚情報誌『ゼクシィ』のキャッチコピーです。こちらはCMなどで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

まず着目したいのは「結婚しなくても幸せになれるこの時代」の部分。結婚情報誌でありながら「結婚しなくても幸せになれる」という前置きをしています。

一見、自虐的にも思えますが、若者の未婚率が高まっている現代をリアルに描けていますよね。後に続く「私は、あなたと結婚したいのです」をより際立たせる表現にもなっています。


そして、個人的に一番注目したいポイントは「私は、」の部分です。最初にこのキャッチコピーを見たとき、なぜ「私は」の後に読点をつけたのだろうと疑問に思いました。直前にも読点があるため、読み手が詰まる可能性もあります。

ここで僕が感じたのは、

「一人で生きていくための十分な収入がある。それでも…!」
「子育てが始まれば、自由な時間が少なくなる。それでも…!」

といった、女性の「何かを犠牲にしてでも大切な人と添い遂げたい」という覚悟。それらがこの「、」に詰まっているように感じました。また、結婚という人生の大事な選択を前に感じる不安を払拭するんだ、という企業からのメッセージも感じられます(あくまで一個人の意見です)。


僕自身、ゼクシィのターゲットとは異なりますが、今まで見てきた中でも一番印象に残ったキャッチコピーかもしれません。


ご飯が先か、お風呂が先か。命に関わる問いでした。(神戸市消防局)


神戸市消防局による、ヒートショック対策を呼び掛ける啓発ポスターの標語です。厳密には広告キャッチコピーとは異なりますが、素晴らしい内容だと思いましたのでピックアップしました。

まず「ご飯が先か、お風呂が先か」は、なんとなく馴染みがありますよね。マンガなどでよく見る「ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・も…?」的なアレだと思われます。

ただし、これは消防局の啓発ポスター。冬場に頻発するヒートショック対策を呼びかける内容であり、後に続く「命に関わる問いでした」が、生死に関わる重要な問題としての緊張感を高めています。

新婚ホヤホヤの夫婦間でありそうな馴染み深いやり取りを用い、うまく読み手に自分事として捉えさせる…。とても印象的な標語でした。


一目で義理とわかるチョコ(???)

突然ですが問題です。
このキャッチコピーは、どのチョコのものかわかりますか?

明治、ロッテ…さまざまなメーカーの名が頭の中に浮かんだと思いますが、その中で「一目で義理とわかるチョコ」と銘打たれたのは…






ブラックサンダーファンサイト様より引用


ブラックサンダーです!
なるほど、確かに本命とは言えない。

女性からバレンタインデーに渡されたら最期、まさに雷の如く男心を打ち砕くのがブラックサンダー。ほかにも義理っぽいチョコはあるものの、ブラックサンダーはその最上級に位置しているようにも思えます。

もともと日本のバレンタインデー文化が、お菓子メーカーのキャンペーンに由来としていることを踏まえれば、その皮肉にも思えるような面白いキャッチコピーだと思いました。


おわりに

さて、今回はキャッチコピーについて自分なりに分析してみました。

キャッチコピーは、時に企業の予測とは異なる受け取り方をされる場合もあるでしょう。実際に、ゼクシィの事例について制作チームへのインタビュー記事を読んだところ、僕の感想とは異なる狙いがあったようでした。

万人が同じ意見を持つコピーは容易に創造できません、そうした中で、狙ったターゲットに確実に届ける。それがコピーライティングの難しさであり、奥深さなのだと思います。


そして、今回紹介したキャッチコピーには、攻めの姿勢が感じられました。決して攻撃的というわけではありませんが、いずれも読み手の琴線に触れるものばかりです。

自分もコピーライティングの経験がありますが、攻めた表現は否定されることが多いですし、採用されたものが当たり障りのない表現になっていたことも多々あります。本当に難しい…。

自分もいつか、本当の意味で誰かの琴線に触れるキャッチコピーを生み出せるようになりたいですし、そのためにもさらに学びを深めていきたいと思います。


ぜひ、お気に入りのキャッチコピーがあれば教えてください。
一緒により良い表現を探求していきましょう!



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