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シカクのひみつマガジン

大阪のZINEセレクトショップ「シカク」のマガジン。業務日誌、ゲストの読み物、音声や動画、昔のメルマガや出版物からの蔵出し記事などを月4〜5本更新します。連載ごとのまとめは「ハッ…
定期購読500円で、毎週更新される記事を全て読めます。150円で1記事だけ読むこともできます(たま…
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#気づいたこと気づかないままのこと

個性豊かな面々の不在と私たちのコピー機(古賀及子のエッセイ)

夏、あまりの暑さに家を飛び出した。 クーラーはある。熱中症にはぜったいになるまいと温度計…

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このネットスーパーはようすがおかしい(古賀及子のエッセイ)

ようすのおかしなネットスーパーがある。 今の自宅に引っ越してきた00年代後半のころはまだ生…

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あらかじめ存在するものに興奮する(古賀及子のエッセイ)

傘のことを、私はなにも考えていない。 近所に女子校がある。ある雨の日、学校から駅へ向かう…

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地下の雀荘(古賀及子のエッセイ)

母の実家は都会の魚屋だ。バブルの時代に料亭に魚を卸しまくって儲かって、3階のビルを建てた…

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冷えという穢れ、祓いのための温熱(古賀及子のエッセイ)

安産を目的としたお灸の治療院に通っていたことを、最近急に思い出した。 思い出したのはいい…

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私をおいて死なないで(古賀及子)

会ったことのない人の通夜に連れて行かれたことがある。 中学生の頃だ。亡くなったのは隣町の…

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私が4000gの赤ん坊を産んだ日、同じ病院で5000gの赤ん坊が産まれた(古賀及子)

私が4000gの赤ん坊を産んだ日、同じ病院で5000gの赤ん坊が産まれた。 息子の話だから、もう16年前のことだ。 厚生労働省のサイトに2009年に産まれた新生児の、出生時の体重をまとめた表がある。それによるとこの年の産まれたての赤ちゃんたちの平均体重はちょうど3000gくらいらしい。4000gは、大きい。正確には3998gだった。分娩直後、息子を両手に抱いた助産師さんが苦笑しながら教えてくれたのを覚えている。 「さ、3998……(笑)」 私も驚いて、それから笑った。

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買い物かごに人生が映るとき(古賀及子)

スーパーで買い物をする。買い物かごに人参と、じゃがいもと、玉ねぎを入れる。豚肉を入れる。…

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モテる友人を持ったわたしのあまりに単純なミス(古賀及子)

とにかくモテる人だった。 知り合ったのは当時全盛期だったミクシィの、コミュニティのオフ会…

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古賀及子『吉祥寺が集まって解散した』

急に吉祥寺が集まった。 通った短期大学が近くにあって、かつては同級生とよく遊んだ。服でも…

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古賀及子『無計画によるままならなさの事例』

 思い立って計画性なく何かをしようとするときに起こるひととおりのままならなさを、いちど詳…

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うつろなふろく屋(古賀及子)

 雑誌のふろくを売る店があるらしい。そもそもはマンガの単行本を主にあつかう小さな古本屋な…

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20歳、時給250円(古賀及子)

 入社したその日だったか、翌日だったか、変な会社だなと気づくのにそれほど時間はかからなか…

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いちいちひとつひとつできるようになる(古賀及子)

できないことができるようになる、その象徴としてインスタントな物語ではよく自転車が描かれる。 大人が支える手をぱっと離すが倒れず自転車は進み、操縦者の子どもは大人が手を離したことをまだ知らない。 ふと、うしろの気配のなさに大人に声をかけると「離したよー」と言う声は背後に遠く、もはや自分がひとりで自転車をこげていることに気づく。 「できない」が「できる」に変わる瞬間において、自転車は他のなによりもドラマチックで、できるようになった様子を描く表現の頂点に今日もかがやく。 そ

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