コペンハーゲンの“水上の土地”
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
水の上の“土地”
気候変動による海面上昇が将来進み、世界の多くの都市が、近い将来、多くの都市が海面より下になり、暮らせなくなる可能を危惧しての動きが、デンマーク、コペンハーゲンにあります。MAST(A Maritime Architecture Studio based in Copenhagen)というスタジオは、地上から海上に以下に居住空間を移行・拡張できるかを模索しつづけており、2020年には「自分で作れる島」という企画も進めていました。こちらがそのときのプロトタイプです。(ちょっと欲しい……)
この島は、「CPH-Ø1プラットフォーム」と呼ばれており、オーストラリアの建築家、マーシャル・ブレチャー(Marshall Blecher)氏とデンマークのデザインスタジオ、フォクストロ(Fokstrot)のマグナス・Magnus Maarbjerg氏が設計した「コペンハーゲンアイランドプロジェクト」のプロトタイプでした。
マーシャル・ブレチャー(Marshall Blecher)氏のオフィシャルサイト。
Magnus Maarbjerg氏のオフィシャルサイト
水上の土地 “Land on Water”
MASTによるいくつかの試みのなかに “Land on Water”「水上の土地」というものがあります。都市が海に沈んでしまうという危惧が、こんなかわいく、ワクワクする建築物に発展していくのは、さすがデンマークという気がします。持続可能性を追求しており、MASTでは、この水上の土地を可能にするために、リサイクルされた強化プラスチックで作られたシンプルなフラットパックモジュールを想定しています。このモジュールは、世界中に簡単に運ぶことができ、いくつもつなげて拡張が可能なものになっています。
このシステムは、ガビオン構造からヒントを得ているそうです。ガビオン構造とは、石と鋼線でかごを作り、そのなかに岩をいれて構造物にする仕組みです。
「水上の土地」では、ガビオンのようにフレームのなかに浮力に必要なだけ、岩の代わりにフロートユニットを詰めていきます。
また、水上の土地は、既存のソリューションよりもはるかに優れた水中環境を約束します。鉄やコンクリートの基礎は、有害な防汚塗料で処理されるのが一般的ですが、「水上の楽園」は魚や甲殻類、軟体動物や海草の生息地として理想的な環境を提供します。
水道や電気などのインフラは?
調べてみたんですが、Land on Waterでは水道や電気、下水などのインフラはどうするのかわかりませんでした。
MASTの他の試み、水上のお風呂
MASTは、水上での暮らしを「楽しそう」からアプローチしているようで、この他に水上の公園や持ち運び可能な水上お風呂も企画しています。水上のお風呂の名前は「DYPPEZONE」。この動画、こんなにおもしろそうなのに10回しか再生されていませんでした!
まとめ
MASTによる企画はどれもまだ実現にまでは至っていないようなんですが、手作りの島にしろ、水上の土地にしろ、絵本に出てきそうな見た目じゃないでしょうか。わたしはやっぱり島欲しいです。しかし海上に土地は買えないので、法律的なところからすらいろいろ解決しなきゃいけないのでしょうが、ワクワクしちゃうこうした構想を実現しようとしている人々がいるということに世界や思考が拡張されていきます。デンマークでは船を家として暮らす習慣もあるので、このような着想はさほど奇抜ではないのかもしれません。世界中を回ってさまざまなライフスタイルを見ては、多くの試みを始めてみたいと思わされる、そんな企画でした。
参照
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