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映画「ゲームチェンジャー」を観て感想を書こう! まとめ記事【2】 耐糖能とは?

こちらは2021年9月24日のNEMLOGの記事です。

映画「ゲームチェンジャー」を観て感想を書こう! まとめ記事【2】

耐糖能とは?


今回はまとめ記事の続きです!

メタルさんのお題記事のコメント欄でシンボルンさんとメタルさんは、「肉を食べても糖尿病にはならない」との指摘をされていましたが、コメント欄に書くと長くなりそうだったので省略したのですが、今回はこちらの件について書いていきたいと思います。


今、日本人は糖尿病になる人が年々増え続けています。

もしもシンボルンさんの言う通り、糖尿病の原因がご飯や麺の影響なら、日本人の糖質の摂取量も年々増加しているはずです。

では、日本人の糖質の摂取量は増えているのでしょうか?

以下のグラフは、日本人の糖質(炭水化物)の接種量の推移グラフです。


なんと、日本人の糖質の摂取量は増えているどころか、年々減り続けているのです。

例えば、1962年度は日本人1人当たりのお米の消費量は118.3kgですが、2016年度には半分以下の54.4kgまで減っています。

つまり、日本人を糖尿病にしている犯人は、ご飯や麺等の糖質ではないという事です。

では、真犯人は誰なのでしょう?

以下は、日本人の肉や乳製品、揚げ物等の脂質の摂取量の推移グラフです。


そうです。

糖尿病が増えている真犯人は「脂質」であり、「糖質」は冤罪だったのです!

なぜ脂質を多く摂ると糖尿病、つまり血糖値が高くなるのでしょうか?

それには、「耐糖能」(たいとうのう)が大きく関係しています。


耐糖能

「耐糖能」(たいとうのう)(glucose tolerance)とは栄養学用語で、血糖値を正常に保つためのグルコース(ぶどう糖)の処理能力の事で、「糖耐性」とも言います。


脂質を多く摂ると、それが血管の壁にプラークとなって張り付き、ぶどう糖の吸収を妨げる為、血管内がぶどう糖だらけになって、血糖値が上昇します。

紙に水を垂らすと水はすぐに吸収されますが、油を塗った紙に水を垂らすと水を弾き、吸収されにくくなるのと原理的には同じです。

これを栄養学では、


インスリン抵抗性が上昇し、耐糖能が悪化する


と言います。

昔の日本人がどんぶりで沢山の白米を食べていたのに糖尿病にならなかったのは、耐糖能が高く、血管内のぶどう糖が素早く吸収され熱として消費されていた為に血糖値が上がらなかったからで、昔の日本人は皆健康的に痩せていました。

最近、1970年代の新宿の人混みの写真を見たのですが、皆健康的に痩せていて、太っている人が1人も写っていなかったのは、なかなか衝撃的でした。(これは昔のアメリカでもそうで、今より肉をあまり食べていなかった1970年代のアメリカ人も皆とても健康的でスリムでした。)

なお、耐糖能が高い人なら、なんとあの「白い悪魔」と言われている白砂糖を食べても、血糖値の急激な上昇は起こらないというのですから、驚きです!

糖尿病の治療でも、脂質を抑えると白砂糖を食べてもヘモグロビンa1cは下がっていくので、「白砂糖を食べる糖尿病の治療法」すらある位なのです。

逆に、今流行りの低炭水化物ダイエットや極端な糖質制限(ケトジェニック)をして脂質を多く摂っている人は耐糖能がメチャクチャ悪化している為、ほんの少し糖質を摂っただけでも血糖値は急上昇するので、体はとても危険な状態になっているのです。

もしもあなたが白米等の糖質を摂った後とても眠くなる様なら、それは耐糖能がかなり悪化している証拠と言えるでしょう。

私もヘモグロビンa1cが6.3まで下がった次の月に、野菜の天ぷら等の揚げ物を沢山食べた時があったのですが、糖質の摂取量は全く変わっていないにもかかわらず、次の月のヘモグロビンa1cが8.6まで上がってしまい、ビックリした事がありました。(もちろんすぐに揚げ物はやめて、元のPBWF食中心の食事に戻しました。)

この件については「癌成長の衝撃的な事実」の第4回でも書いたのですが、読まれていない方もいらっしゃると思いますので、以下に再掲載をしておきたいと思います。


糖尿病と言えば、糖質さえ制限すれば良いと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、実は現在では糖よりも脂肪の方が糖尿病を悪化させる事が分かっています。

お薦めしている「食事のせいで、死なないために[病気別編]」には、こんな実験結果が載っています。

食事の違いが健康状態にもたらす影響を調べるため、健康な医学部の学生たちを2つのグループに振り分け、1つのグループは、オリーブオイル、バター、卵黄、クリームなど脂肪分の多い食事を摂り、もう1つのグループは、砂糖、菓子、焼き菓子、精製された白いパン、ベイクドポテト、シロップ、バナナ、米、オートミールなど炭水化物の多い食事を摂った所、驚いた事に脂肪分の多い食事を摂ったグループのインスリン抵抗性が急上昇!

ほんの数日で、脂肪分を多く摂り糖質を控えていたグループの方が、糖分やデンプンを多く摂っていたグループよりも血糖値が遥かに高くなり、実験開始時の2倍に跳ね上がってしまったのでした。

これはつまり、ステーキやチーズ等を沢山食べると、癌だけではなく糖尿病のリスクも跳ね上がるという事を意味しています。(なので、今の日本の糖質制限をさせる糖尿病治療は完全に間違っており、GI値つまりグリセミック・インデックスの低い炭水化物ならむしろ沢山摂った方が良い訳で、現在アメリカではそのような治療方法にシフトしています。)


元記事はコチラ

癌成長の衝撃的な事実【4】 2つの持病
癌成長の衝撃的な事実【4】 2つの持病連載記事ですので、必ず第1回から御覧ください。癌成長の衝撃的な事実【1】 癌のエサは既に解明されている前回第3回はコチラ癌成長の衝撃的な事実【3】 バイアスがない私しーさんには2つの持病があります。それは「喘息」と「糖尿病」です。この2つの病気はどちらも新...


以上の事から、肉や乳製品、揚げ物等の脂質を多く摂ると糖尿病になるメカニズムは御理解頂けたのではないかと思います。

つまり結論としては、


肉を食べると糖尿病になる


という事です。


次回はHIROSANさんのコメント欄の内容に関しての補足を書きたいと思います。


※グラフの詳細につきましては以下を御覧ください。
意外と知られていない 日本人の摂取カロリー事情


前回第1回はコチラ

映画「ゲームチェンジャー」を観て感想を書こう! まとめ記事【1】

次回第3回(最終回)はコチラ
映画「ゲームチェンジャー」を観て感想を書こう! まとめ記事【3】 「ベルツの実験」の補足

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