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It's too spicy for the ants.

*この文章は2024年02月19日にmixiに記載したものです。読んでくださる人があまりにいなかったものですから、こちらに再掲いたします。



まったく誰にも読まれない日記を公に向かって書くのはいつものことだ。世界の片隅でこそこそやっている自分が好きとも言える。しかし何をやっているんだろうという感情も芽生えて来る。早々にmixiは潮時なんだろうか。

大きな黒いアリが自分の体より大きなかけらを持って巣穴に戻ろうとする様子に、小さな男の子が引き込まれていた。
しばらくしゃがみ込んで観察し、満足すると近くに座っていた誰かの父親に吃りながら懸命に説明し始めた。小さな子供が苦手そうな男はつまらなそうに最低限の反応を見せ、いくらも経たないうちに立ち上がっていなくなってしまった。

それから男の子は回転遊具で遊んでいる子供たちの輪の中に入った。子供たちは彼を受け入れたが、鉄棒を掴んで勢い良く走り込み、誰にも望まれない速さで動かそうとしたり、回っている途中に椅子から立ち上がるといった年齢に相応しくない危険を冒した。見かねた小学校中学年くらいの男の子に止むなく羽交い絞めにされたが、自分の自由を奪った年長者の腕を噛もうとして笑っているので、その場に困惑と混沌をもたらした。

それに飽き足りると公園の隅っこの地面に胡座をかいて、赤い粉のかかったチップスを食べている二人組のご婦人を見つけた。
彼は持ち前の明るさと無邪気さで彼女たちに取り入り、状況を察した彼の姉まで抜け目なく寄って来た。
婦人たちは彼らに食べることを勧め、婦人の一人が片側の封の開いていた袋を、食べやすいようにパーティー開けにして地べたに置き直してくれた。恵んでもらった二人はアリの所まで駆け出し、チップスを宙から放り投げてアリらに分け与えた。私は「アリにはそれは辛すぎる」と叫んだ。
お菓子の元へ二人が戻って来た。もう一度お菓子をアリにあげる気だった。COACHのミニトートを持った、恰幅の良い白髪の婦人が「アリにやるだって?そんなことしたら警察が来てあんたたちを怒るよ」と笑いながら低い声で脅かすので、子供たちは少し怯んだ。
アリの観察は諦めて、彼らは口の周りを赤くしながら「辛い辛い」と言ってスナックを平らげ、先程脅した婦人は油で揚げた豆菓子を袋ごと更に与えた。それも食べきると、もう一人のエメラルド色のスポーティーな服装の婦人と鬼ごっこを始めた。全力で走ってきゃっきゃと騒いだ。

日差しの柔らかい、おおらかな世界の夕暮れ前だった。
私の耳元では『頼りない天使』が流れていた。私の半身はいつも別の世界にいた。私は物思いに耽りながら、遠い愛が近くなるのを感じた。今更ながら分かることがある。こちら側の世界もおおらかだ。なんて不思議な話だろう。

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