多様性について考える ②
前回は、性の多様性について私的な意見を言及してみた。今回は、人種について考えてみようと思う。何度も言っているが、私は現在留学中。この国、特に私の暮らす州はモザイク文化なるものがある。言い換えれば、多様な文化や人種を受け入れている国、州だといえる。
身近なところでいうと、日本では考えられないほどの様々な国のレストランがある。その中でも、日本食が人気だと思う(留学生の私には、値段が高すぎて簡単に行ける場所ではないが...)。インド、韓国、トルコ、フィリピン、イタリア、メキシコ、中国などなど。結構、本格的な料理を食べることができる。また、語学学校や専門学校の教師のほとんどは移民。このことにもこっちに来てから少し衝撃を受けた。
日本と比べたとき、比較的この国は移民を積極的に受け入れている。その理由はたくさんあるだろうが一番の理由としては、経済効果だ。日本と同様この国も、少子高齢化が進んでいる。労働力不足を補い、経済を円滑にするためには、移民が必要なのだという。反対に、移民を受け入れなければ経済は危機的な状況になるということだ。
私は暮らしてみて、国民も移民に寛容だなと感じた。国が行う政策に対して、ちゃんと理解をしていることがうかがえる。仕事やポジションも現地人と同等のチャンスを得ることはできる。そう考えると平等意識は強い国だ。国として、問題をかかえたとき国民が目を背けずにしっかりと向き合っていく姿勢はとても羨ましく、見習うべきだなと感じる。
しかし、もちろん移民受け入れはいい面ばかりではない。国全体として失業率の増加(コロナの影響も大きい)、移民の高齢化、企業による不正労働、人種差別。一部では、移民が経済効果に与える影響は少ないと考える人もいるようだ。失業者の増加は、ホームレスの増加に加え、この国では薬物依存者の増加にもつながる。
もともと、この国には先住民が住んでいた。そこに年月をかけて様々な人種の人々が集まった。バラバラで特有の文化を持っていた人が集まることで、この国の文化や言語の入り混じった独特のアイデンティティが確立してきた。これはもう歴史であり、この国の在り方だ。この国自体、イギリスから独立してからまだ日が浅く、世界の国で言いうと若い。だからこそ、移民を推進して比較的成功してきたのだと思う。
最近、日本でも移民や留学生についてニュースに取り上げられている。良し悪しや、合う合わないは存在し、国によっても違う。しかし、いずれにせよ多様な人種、文化を素直に受け入れることはどこで暮らしても大切だなと学んだ。
ここまで読んでいただき光栄です、これからもどうぞよろしく。
2022/09/04
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