見出し画像

手付かずのマングローブ原生林、カヌーツアーをリピートしたくなる理由。

奄美大島のマングローブ原生林でカヌー。
このアクティビティの1番の見どころは、マングローブ林の木々が枝を伸ばしてトンネル状になっている水路と紹介されていることが多い。

だけど個人的に1番注目してほしいのは、原生林のすぐ側を走る幹線道路から聞こえる車の音だったりする。

マングローブ原生林は、人の手が入っていない手付かずの自然の世界。
潮の満ち引きによってずいぶん印象が変わる、そのままの大自然を、モーターも何もない手漕ぎのカヌーで心ゆくまで散策する。

それはなんだか非現実的で、枝がうねる南国特有のかたちをした木々が幻想的な雰囲気すら醸しだす。

耳を澄ませば、タプタプとカヌーに当たって揺れる水の音や、遠くで美声を発して鳴く鳥の声…、そして、結構スピード出てるね?と言いたくなる車の走る音が聞こえる。

この瞬間の、非現実に現実感がグイグイ迫ってくる感じが、わたしにはたまらない。

例えるなら、今週の金曜日はテレビで好きな映画が流れるからといそいそ帰宅し、映画に没頭して、集中するあまり口まで開いてきたそのとき、唐突に見慣れたいつものCMに切り替わった。
その瞬間の、おわっ帰ってきた、という感覚。

現実世界を飛び出して、頭だけ映画の世界に行っていたのが、ちゃんと現実に帰ってきた感じ。

残念だと思いながらも、今好きな映画見れてるんやな〜って実感できて、CM終わるのが楽しみになる、その瞬間。

広告なしでただ映画をずっと見るよりも、集中できるし、今観てるという実感があるし、やっぱこの映画良かったわ〜としみじみ思う。

奄美大島には日本で2番目に大きいマングローブ原生林があり、その広さは東京ドーム約15杯分というから、想像するだけではイメージしきれないほどの大きさだ。
そこにはマングローブ林特有の独自の生態系があり、ここでしか見られない植物や希少な生き物たちに出会うことができる。

訪れる人の印象に残るのはその生態系だけでなく、カヌーという慣れない体験もそうだろう。
水に落ちないかな?進まなかったりして…。ワクワクと少しの緊張と共にカヌーに乗り込めば、思ったよりも安定した船体がスイスイと水上を進んでいく。

マングローブの世界をキョロキョロと散策しながら、耳につく車の音を聞いて実感するのだ。

わたし、今、とても楽しいかも、って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?