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電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅 #10|富士山の紅葉と朝日と星空 1泊2日

こんにちは、絶景プロデューサーの詩歩(@shiho_zekkei)です。

「電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅」シリーズ第10回、今回は「電車とバスで行く!日本の絶景ひとり旅 #10|富士山の紅葉と朝日と星空 1泊2日」をお届けします。

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旅のしおり

Attention:電車やバスの時刻は、今年(2023年)旅行する人のために、できるだけ執筆時点での最新版にあわせていますが、かならずご自身でも最新情報をお確かめください。

今回の旅の目的

富士山で朝日を撮影するお仕事があり、どこで撮影しようかな〜と、場所を決めるところからスタートした今回の旅。

朝日の撮影というと車で行く印象がありますが、残念ながら私は車の運転ができません。

なので今回は、富士山のご来光が徒歩で見に行ける場所であることが必須になります。

宿の目の前で撮影

ということで、”公共交通機関で行ける”なおかつ”ご来光スポットが徒歩圏内にある宿”を探しました。

宿を決める

冬〜春の時期に富士山とご来光を撮影できるのは、富士山の山梨県側です。

そんな山梨にある富士五湖の中で、面積が最も小さく、水面に「逆さ富士」が反射しやすいと言われているのが「精進湖(しょうじこ)」。

調べてみるとビュースポットの湖畔にちらほら宿もあり、宿までも路線バスでアクセスできそうだったので精進湖を拠点にすることを決めました。

日程を決める

富士山といえば山頂が冠雪した光景を想像すると思いますが、意外と真っ白になるのは冬後半から。

この記事を書いている2023年11月に至っては、特に暖かい年なので雪が積もっては消え…を繰り返し、いまだ十分に冠雪していません。

今回は富士山のご来光を撮影するということで、極力雪がある姿を撮りたかったので、12月に入ってから撮影するスケジュールを組み立てました。

ご来光がターゲットなので、言わずもがな晴天の日を狙います。

旅のはじまり

DAY1:東京駅→精進湖

JR東海 東海道新幹線
東京駅 12:27 → 13:34 新富士駅 
料金:5,700円 

関西に拠点を移していた時期ですが、関東で予定があったので出発地は東京に。

大阪や京都から富士山へのアクセスも、新幹線で「新富士駅」を経由すれば同じルートで行くことができます。

新富士駅に泊まる新幹線も少ないし、そこからのバスの本数もかなり限られているので、かならず事前に時刻表を調べてきましょう。

富士急バス
新富士駅 14:05 → 15:36 ふじみ荘 バス停
料金:2,140円 

路線バスに揺れること1時間半。

街中に住んでいるとこんなに長時間路線バスに乗ることなんてありません。トイレ休憩が欲しくなります。(もちろん、ない)

そんなことを思いながら車窓を流れる富士山の雄大な景色を眺めていると、目的のバス停へ到着。

降りて目の前すぐに、今夜の宿がありました。

精進マウントホテル

宿泊するのは「精進湖 富士山眺望の宿 精進マウントホテル」(1泊2食つき 15,950円)。

近隣には飲食店やコンビニは一切ないので、2食つきにするのがベター。飲料水は富士山のおいしい水が飲めるので、よっぽどこだわりがない限り買ってくる必要はありません。

チェックインしてしばらく休憩していると、早くも空が暗くなってきました。

夕飯が18時〜だったので、まだ明るいうちに翌日の下見をすることにします。

精進湖の湖畔にいたニャンコ

ホテルの道路を挟んで向かい側、徒歩ほんの1−2分の場所が「精進湖」という観光用の看板がある王道の撮影スポット。

日の出の方角が分かるアプリ「SunSeeker」を使って明日のご来光位置を確認すると、撮影はここからで良さそう。

撮影スポットが宿から目と鼻の先で、素晴らしい…!

ひとり旅メモ:太陽の動きが分かるアプリ「SunSeeker」(有料)https://apps.apple.com/jp/app/id330247123

12月にもなると日没が早く、そうこうしているうちにあっという間に暗くなってきました。(日の入りが16時30分頃)

17時15分頃に撮影

紫がかった夕日が残ったマジックアワーの空。ちょうど風も止み、水面に反射する光景がなんとも幻想的。

星空撮影

赤い点線は人工衛星か飛行機

さらに15分経つと星も見えてきたので、星空撮影もしてみました。

夜の写真に見えますが、これでも17時33分に撮影したものです。18時前にこんなに暗くなるなんて・・・!

三脚を使って長秒露光すると湖面の反射も美しく撮影できるので、荷物は増えますが一石二鳥です。

18時になったので宿へ戻って夕食です。

12月の精進湖はオフシーズン

もしかして、今夜の宿泊客は私だけ・・・!? 

「シメシメ…」と思い、宿のご主人と仲良くなって、情報をいろいろ教えてもらいました。

マスターが書いてくれた地図。手前の■が宿のある場所

一般的な日の出時間はネットで調べたら分かりますが、日の出の方角に山がある場所の場合は、いる地点によって時間が少しずつ変わってきます。

細かい情報が知りたい場合は、地元の詳しい人に聞くのがベスト!

ひとり旅メモ:女性のひとり旅で他の宿泊客がいない場合、宿のスタッフに念のため気をつけて。ごく稀なケースですが、宿泊客を狙う悪いスタッフがいることもあります…(この宿ではないけど危なかった経験アリ…)

天気予報を見ると、翌朝の予報も快晴。

ふたたび星空の撮影に行ってもよかったのですが、翌朝の仕事に寝坊してはいけないので、早めに就寝しました。

DAY2:富士山のご来光

翌朝は6時に起床。

教えてもらったご来光「6時52分」の30分前には撮影スポットに到着しておきたいので、着替えて顔を洗い、すっぴんのまま湖畔へ出ます。

気温は一桁台。ダウンを着て防寒対策もバッチリしていきます。

6時21分

平日にも関わらず、撮影しているカメラマンがちらほら。おそらく夜中の星空撮影からずっといるのかな、と思います。

手前に小さな山があるので、精進湖からの景色は「子抱き富士」と呼ばれています

6時46分、地平線から太陽が顔を出してきました。

あれ、おっちゃんが言っていた時間より少し早いぞ!?笑 早めに到着しておいてよかったです。

風が強く湖面のリフレクションは難しそうでしたが、いろいろと場所を変えて撮影をしました。

7時08分撮影

一通り仕事用の撮影を終えると、せっかくなので三脚を使って自撮りしてみました。

7時33分撮影

ここまで太陽が登ってくるとほかのカメラマンはもう帰っているので、私以外には1組しかいませんでした。自撮りも恥ずかしくありません!笑

余談ですが、そのときにいたもう1組は私が「絶景プロデューサーの詩歩」であることに気づいていたようで、後日SNSでメッセージをくださいました。

気づいていたなら、ぜひ声をかけて〜! 知って見られているのは恥ずかしいのです。笑

泊まった部屋からの景色

朝食を食べに宿へ戻ると、部屋からは最高の景色が。

お宿自体は”古き良き”という雰囲気の建物だけど、この景色があればもう十分です。

富士急行バス
ふじみ荘前バス停 10:55 → 11:45 河口湖駅前
料金:1,180円

撮影したデータの納品を急ぎ終えたら、その後はもう自由行動。

近くに行ってみたい場所があったので、チェックアウトしてから路線バスでまず河口湖駅まで向かいます。

富士五湖を巡る観光拠点になる「河口湖駅」

レンタサイクル

河口湖は広いので徒歩での観光は厳しく、駅前でレンタサイクルを借りました。(1day 1,500円)

富士山周辺は外国人観光客も多く、レンタサイクルも争奪戦。この店舗は事前予約ができるので、予約しておくのがベターです。

ひとり旅メモ:この店舗は、荷物預かりやアウトドア服の貸出もやっています。スカートだと自転車は危ないので、スカートで来てしまった場合はズボンを借りるのがオススメ

河口湖の紅葉

河口湖の紅葉シーズンは11月上旬〜中旬と言われていますが、実は下旬〜12月に入ってからでもまだまだモミジは残っています。

路線バスからも、ちらほら真っ赤な紅葉の木が見えていたので、目星をつけていた場所に自転車で向かいます。

このモミジはちょうど見頃でした

12月とは思えない、絵葉書のような富士山とモミジ🍁

毎年この木の色づきが遅いのかは定かではありませんが、撮影した具体的なスポットはこのあたりでした。湖畔に真っ赤な木があるか、探してみてくださいね。

河口湖でもっとも有名な紅葉スポットである「河口湖もみじ回廊」も近かったので、ついでに様子を見てみました。

これはこれで、けっこうキレイ

夜はライトアップもされる紅葉のトンネルとして人気の場所ですが、もうイベント期間も終了して観光客もまばら。

思わず通り過ぎてしまいそうでしたが、西日が差し込んで残った葉が金色に輝き、地面に残る散り紅葉も照らされていました。

河口浅間神社 富士山遥拝所

そして今日行きたかった場所は、河口浅間神社。

富士山を望む高台に鳥居がポツンと建っている写真を見かけて、一度見てみたいと思っていたんです。

Googleマップで場所を調べ、まずは河口浅間神社へ。あれ、高台にあるはずなのに、全然登らないぞ…?本当にここにあるのか…?

参拝後ひとしきり境内を見て回ったものの、それらしき場所もなければ、そもそも富士山が見えません。

社務所の方に話しかけて見たところ、驚きの回答が…

「天空の鳥居がある場所は、ここではありません。山の上です」

がーん!!!

私が目指している場所は「河口浅間神社 富士山遙拝所」という場所で、社殿がある場所とは全く違う離れた場所とのこと。

「自転車で行けますか…?」という私の問いに、首をひねりながら苦い顔をされたものの、「徒歩なら30分くらい」と言われたので、せっかくなので向かってみることに。

ここで悩んだのが、自転車を持っていくか否か。

私が借りたのは、電動じゃない普通のママチャリ。乗って上ることはできないけど、連れていけば下りは圧倒的にラク。

うーん・・・

ひとり旅メモ:遙拝所にレンタサイクルで行くなら、電動アシスト自転車にするのがぜっっっったいにおすすめ!!!

下りの楽さを優先することに決め、結局自転車を押しながら山道を上り始めました。

序盤で心が挫けそうに・・・

12月の自転車は寒いのでダウンを着ていた私。永遠かと思うほど続く山道に一瞬で汗が吹き出し、長袖をたくし上げながら自転車を押して上り続けます。

何はともあれ、すべての道は続いているもので、30分ほどで遥拝所に到着。

すると、念願の景色を見ることができました。

ああ、私はこれを見るために30分も自転車を押して山道を登ってきたんだ・・・!

静岡県出身な私ではありますが、富士山を御神体として崇めていた古来の人々の気持ちを改めて実感しました。

誰もいなかったのでひとりで撮影をしていると、隅のほうに座り込んでいる外国人観光客がいたことを発見(気づいてなかった)。

体調が悪いのかな、大丈夫かしら…と思って話しかけてみたところ、「この場所はずっと太陽が逆光じゃないか。いつになったら順光で綺麗に撮れるんだ?」とうなだれていて…

ええ、座り込んでいたのはそれが原因!?

「いや、ここ南向きだから、いくら待っても今日はずっと逆光だよ…」と、伝えたくない真実を伝えつつ、そこまでかまっていられないのでそのまま遥拝所をあとにしました。

ああ、下り坂がラクなことよ・・・!

注意事項:現在、遥拝所には柵ができ、光景は少し変わっているようです。私が訪れた際は自由に立ち入りができましたが、撮影のルールができたようなので必ずこちらをご覧ください

富士みち(本町通り)

さらにもう1ヶ所行ってみたい場所があったので、そちらへ向かうことに。

Instagramで2016年頃から話題になって、突如として人気スポットになったこちら。

夕方になると、少し雲がかかってきました

商店街越しに巨大な富士山が見えるという、写真の圧縮効果を生かしたスポット。

手前の日常感あふれる雰囲気と、奥にそびえるラスボスみたいな富士山のちぐはぐな感じがいいですよね〜。

具体的にはここから撮影します。

とくに外国人観光客に人気のスポットで、この日もこんな感じでつねに行列して待っています。

雲もかかっていたので、私は2-3枚撮影して退散

車もたくさん通る場所です。言わずもがなですが、交通ルールは必ず守って撮影しましょう。

ちなみに、遥拝所から本町通りまでは、車でも20分という離れた距離。

最短経路で行くと、途中になが〜〜いトンネルを通過するのですが、自転車の横を車がビュンビュン通過していってかなり怖かったので、遠回りでも河口湖駅経由の道で来るのが絶対におすすめです。

怖すぎて、寿命縮んだ・・・。

JR高速バス
河口湖駅 16:30 → 18:35 東京駅
料金:2,060円

無事に河口湖駅まで戻って自転車を返却し、帰りは高速バスで東京へ。電車で帰ることもできますが、帰りはどうせ寝てしまうので安いバスにしました。

車を運転することなく、富士山のご来光という案件も無事に終え、ついでに富士山の紅葉や星空、そのほかの気になっていたスポットまで巡れた秋の山梨旅。

11月に訪れれば、富士山の雪は少ないかもしれないけれど紅葉スポットはもっとあるはず!(その分、観光客が多くて混雑していると思うけれど…)

富士五湖周辺は最近新しい素敵なお宿も増えてきてるので、改めてプライベートでゆっくり訪れたいなあと思いました。

旅のまとめ・旅費

日程:2019年12月2日〜3日(月〜火)
旅先:富士山のご来光、星空、紅葉、河口浅間神社、河口湖もみじトンネル
交通手段:新幹線、バス、レンタサイクル
旅費:交通費 12,580円 + 宿泊費 15,950円
歩数:(データなし)

ベストショット


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詩歩 | 絶景プロデューサー
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