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過敏性腸症候群のあるあるとストレスとの関係:腸内環境とIBSの解説


あなたのストレス発散は何ですか

ブラックフライデーで買い物中に不慮の事故でうっかりと、アマゾンプライムに入会してしまいました。

会員になる際には通常、「会員登録をする」等のボタンをクリックするわけですが、登録しない場合もあるわけでそのときは「バツ印」をクリックすれば登録画面は消えてくれます。

これまでアマゾンで買い物中にポップアップの登録画面など表示されたことがないのに、そのときはなぜか表示されました。それも登録回避のバツ印はありません。

消そうと思っても消えないし、画面を更新しても消えません

後で取り消せばいいか、と思って登録ボタンを押したらなんと一発登録されてしまいました。確認も何もなく、即登録です。

登録しても1ヶ月は無料なのですが、それだと解約を忘れる可能性があるためにすぐに解約の手続きをしました。
今度はご丁寧に何度も何度も聞いてきます。

こんな特典もありますよ?本当に解約していいのですか?

バカかと。即効で解約しました。
とはいっても1ヶ月は無料でアマゾンの特典を受けられるのでそれを満喫しようと思いました。アマゾンの特典といえばやはり、

プライムビデオです

実は、数年前にも同じように事故で登録してしまったことがあり、そのときもやはりすぐに解約しましたが、満喫したくてもできない事情がありました。

プライムビデオの品揃えが悪すぎた

一通り目を通して当時は何一つ見たい作品はありませんでしたが、現在はどうでしょうか。

リストにはすでに30以上の作品が登録され、今後も増え続けることが予想される

うれしい悲鳴とはこのことです。とても1ヶ月では見られない量の作品がすでにリストに登録されて、終わりが見えません。

このように「新しい情報」、それもワクワクするようなプラスの情報に触れるとそちらに意識が向いて古い情報、つまりストレスや不安に目が向かなくなります。

そもそもストレスの発散とか解消というのは、ワクワクするものに意識を向けてストレスそのものを「忘れ去る」ことです。
以前に腸活の朝活では次のことを言いました。

朝日を浴びよう!朝日に向かって歩こう走ろう、運動しよう!

朝日の神々しい陽射しとそれを浴びながら行う運動は心の闇を照らし、それを忘れさせてくれます。
夜活も同様です。電気を消してもなかなか寝付けないのは、

交感神経がまだ優位の状態だから

お風呂に入ってパジャマに着替えて、ストレッチをすれば通常は副交感神経に切り替わりますが、頭がストレスや不安に支配されていたらなかなか切り替えるのが難しいかもしれません。そんなときは、

呼吸に意識すること

ゆっくり息を吸って、ゆっくり息を吐く。吸った空気が体のどこまで降りてきて、吐いた空気はどこから生み出されたのか。

ゆっくりと、呼吸と空気の流れを観察します。
そのときストレスや不安の仮面をかぶった「自我君」があなたに話しかけてきますが、そのときはゆっくりに加えて大きく呼吸を行いましょう。
今日はストレスが脳と腸に与える影響、そして過敏性腸症候群を解説します。

過敏性腸症候群はどんな病気?

過敏性腸症候群(以下IBS)とは病院で検査をしても「異常が見られない」、にも関わらず下痢や便秘、腹痛などお腹の症状が慢性的に繰り返す病気です。

お腹の症状は「一時的」であれば誰もが経験したことがあると思いますが、IBSには明確な診断基準があります。

・直近3ヶ月で月に4回以上の腹痛が繰り返し起こり、それは便と関連する
・その便は頻度や形状(便秘か下痢か)、または症状の変化を伴う

つまり、週に1回以上は便秘や下痢、腹痛が起きてそれが3ヶ月以上続いたらIBSかもしれませんよ、ということです。

IBSの人口は今や10人に1人ともいわれ、その予備軍(診断を受けていない人)の数を含めると何と6人に1人、これは、

糖尿病予備軍を含めた人口、2000万人に匹敵します

糖尿病は生活習慣病の代表的な症状の一つなので耳にしたことがある人は多いと思いますが、それに比べるとIBSの認知度は低いように思います。
便秘や下痢、腹痛は日常的によく起こるからでしょうか。しかし、それが3ヶ月以上続いたら「異常がある」と認識しなければなりません。

IBS下痢型便秘型、それぞれの「あるある」

私は都内から現在の住所に移って体調がおかしくなりました。

原因は間違いなく過剰なストレスです

医学的にそれを立証するのは困難ですが、それしか思い当たる原因はありません。
IBSはストレスが原因で発症する病気、と言われているので私のように「思い当たるストレス」が原因でお腹の不調が続いている人も多いのではないでしょうか。

血圧を定期的に測っている人ならわかると思いますが、診断前の私の血圧は、

・上が200
・下が120

ストレスはここまで人の体を蝕んで、今見ても恐ろしいほどの数値です。

IBSには4つのタイプがありますが、その解説と合わせて「あるある」を紹介していきたいと思います。

1.下痢型
私の体の不調はまず、「便の回数」が増えたことから始まりました。
これまで1日1回だったのが5回6回と増えていき、ピークのときは15回を超えました。

2回目までは普通の便、3回目からは水分が多くなり、5回目以降はほとんど水です。
出すものなど残っていないのに、それでも便意がやってきます。

これでは外へ行けないよ

どうしても外へ行かなければならないときは、必ずトイレの位置を確認します。

食事をすれば10分前後で便意がやってきます。ありえないでしょう。

便とは食事をしてから胃で3時間の消化を行い、小腸で8時間かけて吸収されます。吸収されなかった分が大腸へ送られてそこで20時間以上をかけてゆっくり水分を吸収しながら便が作られていきます。

食べて10分の便意なんてありえない!

その名残で現在も外食はできません。すべてテイクアウトです。

2.便秘型
私は下痢が主でしたが、食べなければ出すものがありません。そう考えてできるだけ食べないようにしました。

便はたしかに出なくなりましたが、出なければ出ないでやはり不安が増していきます。

便意がきても長く大腸に留まった便は水分を吸収しすぎて「カチカチ」です。
便意はあるのに出すことができない。これはこれで苦しいです。
何度も便意がやってきて、その度にトイレに駆け込みますがやっぱり出てこない。

これでは外に行けないよ

どうしても外へ行かなければならないときは、やはりトイレの位置を真っ先に確認します。

下痢も便秘も、出るか出ないかの違いだけで「便意」はあります。
便意とは直腸に便が到達したときに脳から送られる信号です。
そして下痢も便秘も、出した後は不快感や疲労感があります。

診断前の私は便が出たら「その日は終了」で、何もできずに寝込んでいました。

3.と4.混合型とガス型
混合型は便秘と下痢が交互に繰り返されるタイプ、ガス型はいわゆる「おなら」です。

添付文書でよく見かける「腹部膨満感」とはガスがお腹に溜まることで生じる不快感です。

ガス型はガス型で大変です。下痢や便秘のように体力の消耗がない代わりに、便意がなくてもおならが出ることがあります。

やっぱり外に行けないよ

下痢や便秘、おならは健康な人でも経験します。問題なのは「それが続く」ことです。
医学的にはその期間は「3ヶ月以上継続して」とありますが、1ヶ月でもお腹の不調が続くならば病院で診てもらいましょう。
病院は「消化器内科」か「心療内科」です。

IBSの発生メカニズム

IBSの原因は完全には解明されていませんが、分かっている部分もあります。

1.脳がストレスを感じると腸に信号を送る
2.腸が信号を受け取ると、腸の粘膜から「セロトニン」が分泌される(脳で生成されるセロトニンとは違います)
3.腸でセロトニンが分泌されると腸の運動が活発になり下痢や腹痛を引き起こす
4.腹痛や下痢は更なるストレスとなり脳がそれを感ると腸に信号を送る

IBSはストレスから始まる負の無限ループです

腸でセロトニンのほとんどが分泌されますが、一方でセロトニンの材料となる必須アミノ酸「トリプトファン」を消化吸収して脳に送るのも腸です。

腸が異常運動を繰り返して脳内のセロトニンが不足すると、その分ストレスの感度が上がっていつまでもIBSの負のループから抜け出せません。
そこで冒頭のアマゾンプライムを例にした「ストレスを忘れる」ことにつながります。

IBSの治療方法

1.消化器内科、心療内科を受診する
IBSだと思っていた私は大腸内視鏡検査を受けた結果、炎症が見つかりIBSより重症の難病指定となりました。ただし原因も症状もIBSとほとんど同じです。

お腹の不調が続いたらまずは市販薬の下痢止め、便秘薬で様子をみましょう。
それでも症状が改善されないようなら上記診療科の病院を受診してみてください。
ただし、IBSは腸に異常がないのに症状が出る「病気」です。
IBSと診断するためには検査が必要です。血液検査の他にも、

悪魔の大腸内視鏡検査があります

内視鏡検査には予約が必要です。今日受診して明日検査できるものではありません。私は最初の病院で「3ヶ月待ち」と説明を受けました。

私には悪魔でしたが、あなたには「悪魔」とならないように願っています。

2.食生活を見直す
生活習慣、食生活、適度な運動は腸活で解説したとおりですが、IBS疑いの場合は「食生活」がもう少し厳しくなります。

●IBS疑いの人が控えるべき飲食例
・パンや麺類などの小麦製品
・乳製品と発酵食品
・揚げ物と辛いもの
・コーヒーとお酒

食物繊維や発酵食品など小腸で吸収されないもの、あるいは刺激のあるものは大腸が過敏に反応して腸の運動に影響するかもしれません。
下痢になったらそれをメモして、しばらく控えましょう。

3.整腸剤を習慣化する
私は診断がつかない前、そして現在も整腸剤を処方されています。
処方といっても整腸剤は「薬」ではないので(指定医薬部外品という区分)、処方も市販薬も効果はそれほど変わりません。
では、なぜお腹の不調に整腸剤が有効なのか。

善玉菌が腸内環境を整えるので、下痢も便秘も改善してくれるから

エビデンスとしてIBS患者と、うつ患者双方の「腸内細菌」を調べたところ、健康な人に比べて「善玉菌」が少ないとの報告があります。
私は現在もこの善玉菌のはたらきについて日夜調べていますが、善玉菌はお腹の不調を改善するだけでなく、

・アレルギー改善
・肥満防止
美肌効果

など情報が次々と出てきます。
整腸剤は薬ではないのでアマゾンでのレビューを参考にしながら、はじめの一歩を踏み出してみましょう。

病気になったのは仕方ありません。過去は変えられない。

大事なのは今、このときです

ストレスに立ち向かおうとするから交感神経がいつまでもはたらくわけで、ときにはストレスから離れることも必要です。
視線を少しずらせば、世の中はストレスを忘れさせる娯楽で溢れています。
目を向けるべきはイライラするものではなくて、

楽しいもの、ワクワクするもの、自分の人生を豊かにするもの

そう思いませんか。

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