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GDPデフレーターを吹き飛ばせ!…無自覚なデフレに喝。

日本のGDPデフレーターは2018年12月の 102.73から、2019年3月(四半期単位)に103.37へとやや回復。しかし予断は許さない状況。

デフレ懸念が再燃している。
そもそも今のニッポンは強烈なデフレ国家だ。大分古いデータだが以下のランキングを見てほしい。先進国の物価上昇率が低いのはあたりまえだが、日本は先進国の中でも極端に低い位置にあり、ランキング150位にもはいっていない。

『物価が安い』って良いことのような気もするが、次のようなBad Cycleに陥ってしまうというのが資本主義経済の通説。

お金がない/将来不安がある
⇒高いものを買わない
⇒物価が下がる
⇒就労者の給与水準が下がる
⇒ますますお金が無くなる

具体的に表れるデフレーター指標もそうだけど、
それ以上に最近筆者が気になる(ヤバイと感じる)ことがある。

それは周囲で接触してるビジネスパーソンの会話、
それから“タクシーや電車等の液晶ディスプレイ”に登場する広告映像だ。

え?何それ……なんだろう?…この会話とか、この宣伝…???

技術を売る。
業務改善を売る

効率化を売る
分析を売る

しくみを売る。

どれもまあ“Product”ではあるんだけど、B2B(法人需要)商品はあくまで企業側の『投資対象』でしかない。しかも最近はコスト削減の投資の話ばかり。需要を創造する投資の話、日本ではここんとこ殆ど見たことがない。
今のニッポン人……『何に“値段付けて売ろうとしてるんだろう?』
という印象を受けてしまう。

安くすれば一時的には売れるのは、過去の高かった時の幻想(魔法)があるからだ。いずれは安さにも慣れてしまい、不要なもの、価値を感じないものは買わなくなる。サブスクもおなじで、常に新規性の高いコンテンツやサービスが提案されてこないと継続課金に疑問を感じてくる。
なので定型サービス(定型オペ)で持たせられる期間って思いのほか短い。1年も定型サービスでやってると顧客は離れていく。アレンジしていかないとね。

今、日本のビジネスマンの間に
『売上を上げる』とか『消費喚起する』『市場創造&開発をする』といった『売るモノ・売る価値』を生み出す系の話題 が全く無くなってしまった。
そもそも『何が売れそうなのか?』、
裏返せば『何を買いたいのか?』が全く“意識にない”人が多い。
自動化・省力化すること、コストを下げる話題…ばかり。
あと『うちは売上落ちてませんよ! は、は、は…。』的な空しい会話。

売上落ちてない理由
 ⇒思いっきり安くして売ってるから。

そのための手法
 ⇒ アジアの新興国・途上国を製造ラインに使う
 ⇒ 仕様(提供の質)を思いっきり落とす。

ちょっと怖いのは
そんなことのほとんどが『無自覚に』行われていること。
『新しいもの“生み出してない”けど、サブスクにすりゃ売上あがるんじゃね?』みたいな話が真剣に会社内で議論されてる…。
彼ら、いずれは
『日本そのもの』もサブスクリプション・プログラムで売っちゃいそうだ。

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筆者は昭和中期の人なので、不覚にも村上春樹の傑作初期短編『中国行きのスロウ・ボート』の中の主人公の台詞を思い出してしまった。
作中に“日本を形容する台詞”としてこんな描写が出てくる。

『空売りと空買いに支えられて膨張しつづける巨大な仲買人の帝国』

★★★★★★★★★★★★★★★★


『サブスクで月額500円位とかなら、腹痛まないから、払うでしょう!』

…って貴方、それ…お客は何に対してお金はらうの?