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ZOZOランキングに見る女子ファッショントレンドと背景マインド。

ファッショントレンドとそののアイテム毎のギャップを見るのは面白い。
トレンドと言っても欧州のコレクションから発信されるTopトレンドではなく、ベタなボトムアップ(市場発)の売れ筋だ。

ただ単に何が売れているかの全体感を眺めてエッセンスを嗅ぎ取るのも面白いが、それ以上に楽しいのは、品種によるトレンドと用途のギャップだ。それって、どういことか?まずは以下のZOZOランキングをご覧あれ。

ウィメンズのワンピースのランキング@20190422

ざっと見てもらうと以下の特徴が垣間見える、女子にしてみると「そんなのわかってるわ!」という感覚かもしれないが。

●マキシ丈、Aラインやアシンメトリーなシルエットやフォルム
●フェミニンでガールライクなロマンティックデザインは継続。
●ノースリーブとパフスリーブなど。
●レース使いや透け素材などのやはりフェミンな素材感とディテール
●彩度はトーンダウンした落ち着いたカラー、グレイッシュやスモーキーパステルなど、色相はイエローが打ち出しだったが実際に売れてるのはグリーンやきなり、ベージュ、黒。
●ボヘミアンディテールやカントリー調などもあり。花柄やコットン系とテロテロ系、ボディラインを出すウエストシェイプのカットソー等。
●ビッグシルエットの部屋着感覚。

次いでファッションアイテムの中では特徴的なシューズの傾向。

ウィメンズのシューズのランキング@20190422

シューズの大潮流はスポーツアイテム(スポーツシューズとスポーツサンダル)に大きく振れていることだ。特徴詳細としては…

●厚底や変わりソールの人気が拡大。どんどん極端化してる。
●ダッド(ダサいおじさんが履いてそうな靴”)スニーカーが人気継続
●プレーンなコンバースタイプや紐なしタイプも継続
●色は徹底して黒と白、色が消えた!
●年々サンダル化の時期が早くなってる。スポーツテイストシューズをフェミニンやエレガンステイストのウェアに合わせるのも一般化。

次いで恐らくテイスト変化の過渡期にあると思われるアウターの傾向。

ウィメンズのアウターのランキング@20190422


アウターはバリエーションが広い。奇抜なデザインはないが、複数のトレンドの芽と複数のターゲットセグメントが錯綜してランキングに登場するのでわかりにくいかもしれない。前日したワンピースはワンターゲットだったのだ。それにしてもワンピースがフェミン色が激強いのにたいして、アウターはメンズ色がなんと強いこと。

●スポーツテイスト=メンズの流れからだが昨年は側章付きジョガーボトムやブルゾンが流行った領域。今年は切替スポーツジャンパーが人気。
●フェミン路線=ノーカラージャケットが相変わらずの人気。Uタイプ、Vタイプと色々拡充。
●アウトドアーやライダーズ=GW前だからなのか、マウパーやライダーズが復活人気。ランキングには登場しないが、ビッグ衿やスタンドカラーものも若干継続しているようだ。
●ドリズラータイプのベーシックブルゾン=これもメンズの流れから継続。
●ダブルブレストジャケット=スプリングコートのダブル化の流れから続いているが、メンズほどメジャートレンドにはなりそうにない。

総括
レディスのアイテムトレンドの面白さは、本来はコーディネート型なので、同期したトレンドが進むはずのものが、むしろ打ち消しあうトレンドが勃興することだ。

どういうことかというと、ワンピースが思い切りフェミニン&ガールズに流れると、その甘さを打ち消す(軽減する)ようにシューズやアウターでは、スポーティもの、メンズライクもの、ハードディテール、などが上位に上がってくる。レディスはそれらを適宜組み合わせたり、一週間コーディネートで変化させていったりして、『バランスをとっている』ということだ。

職場を持つ女子は、『あのコは男受けを狙って甘い・フェミニンな格好ばかりしてる』という陰口を叩かれたくないのだ。
ついつい引かれる可愛いガーリーなワンピを買ってしまったら、メンズライクなアウターとハードなシューズで、甘さを弱めようとする。
そんな心理が売れ筋ランキングに表れているのだ。